【必見!】人気イベントオーガナイザーに聞くSNS活用の極意|石井リナ(連載08)

2015 9.1

こんにちは。石井リナです。

最近、イベントの集客や盛り上げ施策として“ハッシュタグマーケティング”を実施する企業や団体が増えてきました

ハッシュタグマーケティングとは、キャンペーンやイベント等の主催者が特定のハッシュタグを指定(作成)し、それを広く告知することで、ソーシャルメディア上に写真投稿を促したり、ユーザー同士の交流を活性化させたりするソーシャルメディアマーケティング施策のことです。

今回は、このハッシュタグを使ったプロモーション施策やSNS集客施策全般について、気鋭のDJ兼イベントオーガナイザーのお2人にインタビューさせてもらいました。

日々イベントをオーガナイズし、DJとしてもプレイされる、東京の若手DJで最もイケてるお2人へのインタビューです。私も知らなかったような、SNSを駆使した集客ハウツーが多く語られておりますので、ぜひ最後までご覧ください!

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プレイスタイルはHouse,Technoを軸としながらも、あらゆる場所でDJの経験値を積んだ彼ならではな”ジャンルに捕われない雰囲気にマッチした選曲”には定評がある。都内主要CLUBでプレイし、RHYTHMHOLICのレジデントも務める。UltraMusicFestival Japan14’などのフェス、ファッション系のパーティーはもちろん、Red Bull Air Race(2015)、新宿Park Hyatt Hotel 41FでのレギュラーDJなど、CLUB以外にも活動の幅は多岐に渡る。またオーガナイザーとしての顔も持ち合わせており、”週末級の平日”をコンセプトとした【CONNECT NATION】、野外のサンセットパーティー【Sunset The MARINA】などを手がける。

イベント集客はFaccebookのファンページですべし

リナ:まず、集客する上でSNS上での呼びかけってなにをしますか?

エイタ:FacebookとInstagramとTwitterで告知かな。

Aさん:もその3つかな。

リナ:すごい!3つもSNS使ってるんですね。
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Aさん:そうそう。使えるものは全部使う。方法としては、色々あってイベントページを作成するとか色々あるんだけど、僕は必ずアーティストページ(Facebookページ)をシェアする形で告知してるかなー。

リナ:それってどうしてですか?

Aさん:僕に興味を持ってくれた人に(定期的に情報提供するために)アーティストページをいいね!してもらいたいのと、そのページに過去に出たイベントとか情報が集約されている状況にしたくて。

リナ:なるほど。アーティストページはアーカイブとして残すページっていうイメージですね。

Aさん:そうそう。あとは、ファンページ(Facebookページ)が有効かなと思ってて、イベントページだと個人アカウントで投稿されるから誰がポストしたか分かっちゃうけど、ファンページでポストすると誰が投稿したかわからないし、アイコンが統一されるからいいなって。

リナ:えー!!知らなかった…。めちゃくちゃ使いこなしてますね。たしかにブランドのパーティーなどに招待されるときって、たいていFacebookのイベントページで非公開招待されるんですけど、情報更新者を見ると主催が誰だか分かっちゃうことも多々ありますよね。あー、このPR会社が運営してるんだ、とか(笑)。

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赤枠のアイコン部分が統一される為、ファンページ作成し、イベントを更新した方がいいとのこと

エイタ:あとはFacebookのページだとリマインド効果があるからいいよね。更新すると招待した人にお知らせが届くようになってる。だから、告知効果としては高いと思う。イベントが近づくにつれて有益な情報とか、小出しにしてどんどんイベント当日までを盛り上げるように使うかな。

リナ:さすがですね。すごい。

エイタ:あと機能を使うって意味では、自分のプロフィール写真とかカバー写真って変えると「◯◯さんがプロフィール写真を変えました」って通知くるでしょ?それを利用する。

リナ:どういうことですか?!

エイタ:カバー写真を次に告知したいイベントの写真に変えてる!

リナ:DJの人ってやけにカバー写真変えるなーとは思ってましたが、告知のためだったんですね…。
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プロフィール更新時のリマインド機能を活用した告知

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カバー写真を更新したあとも個人ページTOPのファーストビューに大きく表示される為、告知効果は高いという

Instagramは同一写真を絶対に使わない

リナ:ポストの際に気をつけることってありますか?

エイタ:どのSNSにも言えることだけど、すべての情報は1ポスト内で完結させるようにしてる。何かの情報が抜け漏れたりしないようにはマストで気をつけているかな。

あと「ご報告」系の入りは反応が良い。最初自分の世間話みたいな話から入って、最後は告知みたいな(笑)。

リナ:超小技ですね(笑)。あとエイタくんの告知って感情に訴えかける系のポストが多いと思ってて、あれって戦略的ですか?見てる人からのコメントとかいいねも多いし、私も最後までに読んじゃうし、「あいつ長くて、面倒くさいこといつも書いてるよな」ってならないのが凄いなと。

Aさん:それは僕も思う。すごいよね。

エイタ:そう、めっちゃ時間かけてる(笑)。読みやすさを気にしてるおかげで、色んな人に褒めてもらってる。これとか、告知のわりにかなり「いいね!」がついた方だと思う。基本、告知って「いいね!」少ないんだけどね。
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この本文の先には「東京の女の子はお洒落なのに音楽に無頓着。Lee Fossの周りにいる彼女たちみたいに良い音楽を聞こうよ!今度良いイベントあるんだよ!」という様な流れで告知に繋がります。このポストには多くの共感があり、200件程のいいね!がつきました。

リナ:まさに努力の賜物!

Aさん:僕ははタイプ違うので、そういうのはしてないんだけど、Instagramだと同じ写真は絶対にポストしないっているのは徹底してるかな。

リナ:どういうことですか?

Aさん:フライヤーの画像とかを毎回加工して、フィードが同じ写真で埋まらないように気をつけてる。新鮮さを保つってのと、フィードを綺麗な状態にするのは心がけてるかな。

エイタ:それは僕も絶対だな。
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赤枠で囲われたものが各々同一のイベントの告知ポスト

リナ:これってわざわざフライヤーを、自分で加工してってことですよね?アプリで。

Aさん:そうそう。Twitterは同じ内容を何回あげてもいいんだけどね。Instagramには自分のフィードを綺麗にするっていう考え方が強いからね

ほかのハウツーだと、結構英語は使える範囲で使うようにしてるかな。InstagramもFacebookも。それで外国からのオファーとか連絡もくるようになった。

エイタ:僕も書き出しは英語にしたりしてるよ。「Tonight」とか。

リナ:え、それ意味あるんですか?

エイタ:全然あるよ。「今夜なんだ!」ってわかってもらえるし、ハイアットとかで回すようになってから、外国のお客さんが増えて意識するようになったかな。

イベント集客の直接レスポンスはFacebookが1番多い

リナ:ちなみに、どのSNSを見てイベントに来てくれる人が多いって感じますか?

Aさん:Instagramが多いかも…?でもぶっちゃけわかんない。周りはみんなInstagramを1番使っているからInstagramが多いんじゃないかって予測

エイタ:そう、わかんないんだよね。告知するときはさっき言ったみたいにぽんぽーんと各SNSにあげちゃうし、お客さんも何を見て来たかは言わないからさ。でも直接の連絡はFacebookが1番多いよ。

リナ:そうなんですね。Instagramのコメントで「今日行きまーす!」っていうコミュニケーションないんですか?DMで連絡くるとか。

Aさん:それ困るんだよね。

リナ:え!(私書いたことある気がする・・・)

エイタ:公の場所で「じゃあエイタのゲストでリナちゃん2人分とっとくね」とかっていうやりとりを公開しちゃうと、それを見た人も、「リナって名前言って入れば優待されるんだ」ってなっちゃうから、直接連絡してきてほしいんだよね。

Aさん:だから僕は直接連絡くださいって必ず記載するようにしてる空気呼んで連絡してきてね、って思う(笑)。

リナ:そうだったんだ……(ごめんなさい)

エイタ:LINEはID交換しないと連絡できないけど、Facebookは本名で連絡できるから平たい部分でも繋がってる人多くて、直接の連絡は一番多いかな。

リナ:じゃあ逆に何を見てイベントに行くことが多いですか?

エイタ:Facebookかな。自分のイベントページがクラベリア(クラブイベントの情報が集約されているメディア)状態になってるから、Facebook開けばだいたいその日のイベントが分かる

リナ:それって周りの友人が業界人が多くて、めちゃくちゃイベントの招待がFacebookでくるからってことですよね?

エイタ:そうそう。あとはこないだ、トイレに貼ってあるフライヤーみて「こんなに良いイベントあるの!」ってびっくりしたことがあって、この感覚懐かしいなってすごい思ったんだよね。昔はフライヤーとか紙でイベント知るのが普通だったじゃん?でも今、紙で1番最初に知るイベントって本当にないからさ、久しぶりの感覚だなって思ったよ。

Aさん:確かに昔は全部紙だったよね。いまもフライヤーをお店においてもらったり全然するけど、中心はWebだよね。

エイタ:クラブの「Womb」のHPもInstagramを意識した正方形にリニューアルされてて、「正方形時代突入」って思ったよね。

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Instagramを意識した(?)クラブ「womb」のHP
参照:http://www.womb.co.jp/

リナ:あ、私もそれみました!雑誌のオウンドメディアとかも正方形にカスタマイズされてるの多くて、インスタ意識されてるなーってめっちゃ思いますね。ファッション誌のWebとかもInstagramの様に正方形表示増えましたよ。

Twitterで集客を稼ぐ「SNS DJ」って?

エイタ:あと、ソーシャル周りだと、最近「SNS DJ」なる存在がいて。

リナ:え、なんですか?それ。

エイタ: たとえば、Twitter上でAっていう人間が「Aのゲストって言えば今日◯◯のクラブに安く入れます」みたいなことを呟いて、集客するみたいな。そうやってまったく知らない人たちに来てもらうDJを「SNS DJ」って呼んでる。

行くクラブが決まってる人とかとりあえず、今日クラブに行くみたいなことが決まってる人はTwitterで「#ゲスト 最安値」とかで検索して回ってるからね。それに引っかかるようにハッシュタグをつけたりして。
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リナ:すごいですね。ハッシュタグで検索されること分かってるんですね。

エイタ:そう、でも彼らはSNSがなくなったら集客できないDJだよね。

Aさん:ちなみに僕はそれをクラブの公式Twitterがやってるのみた(笑)。

リナ:へぇ~、そういう時代なんですかね。

Aさん:うん。でもそういう「SNS DJ」が架空のファン(安さ目的だけでクラブにいくユーザー)を呼んで、彼らがお客さんを呼べるDJなのかどうなのか、きちんと把握できなくなるよりはいいかもね。彼らが自分のイベントをオーガナイザーとしてやる時がきたら、「本当に呼べる友達はだれもいなかった!」って気付くときがくると思う。

エイタ:そうだね~。

リナ:それをやられて困ることはお二人にはないんですか?

エイタ:ないかな。そういうのやってるDJって僕たちと層がかぶってないから。同じようなクラブで回しててたら困るかもしれないけど。あと、集客がDJを判断する上で1番の評価になっているクラブシーンが問題だよなぁとは思うまあ僕はオーガナイザーもしているから、集客できるDJが必要なのも分かるんだけどね。

リナ:なるほどなー。難しいですね。

ラーメンはどんなに美味しそうでもInstagramにあげない

リナ:インスタ上の写真とかってこう見られたいから、こういうのあげるとかって決めてますか?

Aさん:あー、オシャレとかかっこ良くとかってのはあると思う。これはみんな思ってると思う。もう我慢の世界だと思う。ラーメンとか、めっちゃ美味しくてシェアしたくなっても我慢して載せない。

リナ:ああああーーーめっちゃ分かる!でも猫はいいんですか?最近めっちゃあげてますよね?

Aさん:猫はいいと思ってる。あとラーメンでも貫けばいいと思う。この人のアカウントに行けばこの情報が取得できるって、何かで思われるようにしないとダメだと思う。僕は基本的にはファッションと音楽、あとは可愛い猫かなー。

一同:(爆笑)

Aさん:可愛い猫を探してたひとが、あ、この人いいDJだって思ってくれたらそれでいい。

リナ:え、まじすか!!!ハッシュタグ「#ねこ」での流入狙ってるんですか(笑)

Aさん:あわよくばって思ってるよ。

エイタ:みんな好きだから、僕はラーメンはいいと思ってて、でも自分のポストとか告知より焼き鳥とかラーメンの方がいいねを上回ると凹む。

リナ:あ、それあるあるですね。

エイタ:あとコンテンツがばらけるようには意識してるかな。フィード全体のバランスだね。告知もバラけるようにだし、同じようなコンテンツが続かないようには気にする

リナ:それ分かります。若い子の間では、一覧で見たときにきれいに見えるように写真をアップするの普通ですよね。自分のアカウントを見てもらった時のきれいさ重視というか。

絵的に必要だから ハッシュタグを使う

リナ:ちなみに、よく使うハッシュタグってありますか?

エイタ:#Partyとか。でもこれつけると「フォロワー買えますよ」みたいなスパムアカウントみたいなのからコメントくる

リナ:検証してますね。

エイタ:多分#Partyとか付ける人ってリア充アピールしたいとかフォロワー欲しいとか、そういう人たちが多いからだと思う。

Aさん:僕も恥ずかしいけど、#Musicとか #DJ、#TOKYOとかすぐつけちゃう。

リナ:#DJって流入ってあると思います?

エイタ:いやないと思うんだけど、たまに外人から、「Nice!!!」とか「Cool!!」とかくる。

リナ:流入はないと思うけどなんとなくつけるって感じですか?

Aさん:絵的に必要だよね。

エイタ:そうそう。あとこれ昨日の投稿なんだけど、ハッシュタグで説明してる感じなんだよね。東京でやるパーティーで、アーク東京でやって、このアーティストで、サウンズグッドだよ、みたいな感じ。

EITA/英太さん()が投稿した写真 –

Aさん:でも#TOKYOは有効だと思う。外人がすごくみてるから。

エイタ:あ、それ僕も思う。

Aさん:あとはピンポイントな音楽のジャンルとかいいかもね!#House #Techno #EDMとか

エイタ:それでいうと#EDMはインスタで正式に禁止になったよね?

リナ:え、そうなんですか?やばい、私より詳しい。

エイタ:#EDMをつけたわいせつな写真が多かったからみたい。

リナ:なるほど。人気のあるバズワードだとヌードビジネスっぽいものが増えちゃうんでしょうね。ちなみに話少し変わるんですけど、フォロワー数って気にします?

Aさん:自分の友達とかが凄いフォロワーいたりとかすると、「お前こんないるの?」みたいにはなるかな。人気者か一発でわかるよね。

リナ:なるほどー。原宿の子たちには「インスタグラマーはまやかし?!『リアル』を大切にする原宿系インフルエンサーの本音」でインタビューしたんですけどフォロワー数はリアルではないからあまり気にしてないって言われたんですよ。

エイタ:彼らの言いたいことも分かるけど、数字は出ちゃってるからね~とは思うし、1つの指標だとは思ってるよ。

Aさん:僕もそう思うかな。

「音楽制作」と「あくまで現場」がそれぞれ彼らの目標

リナ:じゃあ最後に、将来の夢おしえてください。

エイタ:情熱大陸っぽいね(笑)。

リナ:あ、頭の中で音楽かけといてください。

Aさん:僕は音楽を作っていきたいと思ってる。それは去年イビザに行って、海外の大物DJたちに散々いわれて。自分の名刺代わりになるような音楽を作れって。

リナ:なにそれ、かっこよすぎですね。

Aさん:この1年はその意識がすごく変わったかなぁ。

リナ:エイタくんはなにかありますか?

エイタ:目指してるのは「質の高い現場とダンスフロアを演出する」かな。

リナ:おおお、それもすごい!

エイタ:ハイアットとかでレギュラーやらせてもらってて、そうしたラグジュアリーな空間でも回したいし、それだけじゃなくてVisionとかwombのメインアクトでも回したいし、あくまで現場にこだわって、その2つを両立させたい。

リナ:それが出来る人っているんですか?

エイタ:あんまりいないかなー。大御所だともちろん出来る人もたくさんいるけど、この年代だとあんまりいないイメージ。

リナ:そうなんですね。確かにハイファッションのイベントとかだと、インフルエンサー系の女の子DJとかが多いイメージですよね。

エイタ:まあそれも間違いではないと思うんだけど、こないだの「MIUMIU」のPartyが最高にイケてて。

Aさん:センス良すぎだよね。

エイタ:「GIVENCHY」とかも音楽業界がひっくりかえるDJをそのイベントのためにアサインしてて、まじイケてるな!って思った。

リナ:音楽がいいPartyっていいですよね。私も人目を気にせず踊ってます(笑)。今日はものすごく勉強になる話がたくさん聞けました。若干焦るくらい(笑)。今日は本当にありがとうございました。

デジタルネイティブな彼らだからこそSNS集客が出来る

彼らの話を聞いて、想像以上にソーシャルメディア・リテラシーが高く、本当にびっくりしました。3つのSNSを使いこなし、その特性に合わせきちんと使い分けている姿はまさしくデジタルネイティブだと思います。

彼ら自身がSNSヘビーユーザーであり、ユーザー心理が分かるため、ユーザーとの距離感をうまく保っているなと感じました。

このインタビューでは最近のクラブシーン、SNSを使った集客、リアルなSNSの使い方など、様々な角度から有益な声が聞けたのでは?と思います。それに、とてもイケてるDJのお2人なので、今後の活躍にぜひ注目してくださいね。

それではまた!

【告知】
▼エイタさん
LiLiTH “THE BIRTHDAY!!!”-THE PARTY!!!#27- IT’S MIO’S BIRTHDAY BASH!!
日時:9月25日(金)
場所:WOMB

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