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Ingress × 地方自治体イベントレポ★「結局、イングレスで観光振興できるって本当だったんですか?」

2015 6.8

こんにちは、編集長のえとみほです。

去る6月4日(木)、私が企画いたしました初のイベント「Ingres × 地方自治体」が無事終了いたしましたー!いぇい!!

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こんなにたくさんの方にお集まりいただきました!

というわけで、早速イベントレポートを書こうと思いましたら…な、な、なんと、イベントが終わったその日の夜にこんな詳細なレポートがアップされておりました。

【Ingress】イングレスは地方活性に繋がる!?横須賀の中の人と横須賀のエージェントが語る「INGRESS x 地方自治体セミナー&トークイベント」レポート(ネタフル)

【Ingress】「中の人」たちが語る地方自治体セミナーまとめ!Googleナイアンティック・ラボ須賀氏「ただの店の看板のようなポータルは粛清予定」(ネタフル)

観光や地域活性化にイングレスって?「INGRESS×地方自治体」について聞いてきました(しゅうまいの256倍ブログ Neophilia++)

INGRESS × 地方自治体 セミナー&トークイベント #ingress_kakeru(ヤガー氏による当日のツイートまとめ)

さすが超一流有名ブロガーの皆様、光の速さですね。

えとみほ、完全に出る幕なし。

ということで、今回は各サイトへのリンクだけ張って早々に撤収しましょうかね…と思っていたのですが、イベントにご参加いただいたしゅうまい様からこのようなありがたいコメントを頂戴いたしまして。

ああ…そうですよね。やりっぱなしはよくないですね( ;´Д`)

…ということで、がんばって書くことにいたしました。

ちなみに、当日の登壇者の方々がどんなお話されたかについては、上記リンクを辿っていただければ漏れなくわかるかと思いますので、割愛させていただきます(ネタフル様、しゅうまい様、ヤガー様、大変助かりました。ありがとうございます!)。

80名超の参加者のうち自治体関係者が7割以上

えー、最初に個人的な感想から言いますと、今回のイベントはめっちゃめちゃ面白かったです。

というのも、エージェント目線でも、自治体目線でも、ビジネス目線でも、ほとんどの人にとって目新しい発見があったと思われる内容だったからじゃないかと。これもひとえに、

・ナイアンティック・ラボ(Google)の中の人
・ガチエージェント
・地方自治体の中の人

という、これまでありそうでなかった組み合わせのトークセッションが実現したからだと思います。

この点につきましては、登壇を快諾してくださったナイアンティック・ラボの須賀健人さん、ブロガーの堀正岳さん、ネットウォッチャーのおおつねまさふみさん、横須賀市集客プロモーション担当の古崎絵里子さんに改めて感謝したいと思います。ありがとうございました。

ちなみに、今回イベント開始まえに挙手でアンケートを取らせていただきましたが、正確な数字を公表させていただきますと、メディアと運営関係者、招待枠を除外した参加者82名のうち59名が自治体関係者でした。全体の約72%ですね。平日昼間の開催とあって関東圏の自治体が中心ですが、もっとも遠いところで沖縄(!)、ほかにも愛媛、長野、岩手などの遠方からの参加も目立ちました。

もともと一般枠は少なめに設定していたとはいえ、これだけの自治体関係者の方に興味を持っていただけたのは想定外でした。

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真剣に聞き入る地方自治体の方々。Ingressに対する関心の高さが伺えます。

結局Ingressで地方の観光振興は可能なのか

今回のイベントのタイトルは「Ingressが観光振興に使えるって本当ですか?〜ナイアンティック・ラボと横須賀市と堀正岳さんとおおつねまさふみさんに聞いてみた〜」だったのですが、この答えを先に申しますと「可能どころかかなり使える」というのが我々が得た結論です。

いやもう、やろうかどうしようか迷ってる自治体さんがあって、中にエージェントがいるんだったらすぐにでもやるべきだと思いましたね。お話を聞いて。

ちなみに今回の話で、私が一番目からウロコだったのは「人口の多い少ない、海に面しているいない、有名な観光地があるかないか」といった前提条件が、Ingressを使った観光振興施策においてはほぼ関係がない、ということでした。

つまり、どれだけマイナーな場所であっても、人口が少なくても、まったく問題ないということ。

正直なところ今回お話を聞くまでは、横須賀市がこの施策で成功したのは「東京から近い」「そこそこの人口密度がある」「海がある」「山がある」「離島がある」「米軍基地のように年に3回しか入れない特殊な場所がある」といった地理的に恵まれた条件があったからこそではないかと思っていました。

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横須賀周辺のIntel Map。確かに多彩な遊び方ができる地形には違いないが…。

ですが、今回パネルディスカッションの中で、おおつねさんの

・山は山で面白い(山はつまらないというのはガーディアンの風評狙い!)
・行きづらい場所だからこそかえって行きたくなるのがエージェントだからアクセスの悪さも関係ない

という発言を伺って、確かにそう言われてみればそうだなぁと、と妙に納得しました。

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「はじめよう!Ingress」の著者でもある堀正岳さん(向かって左)とネットウォッチャーのおおつねまさふみさん(右)。お二人のトークはいつまでも聞いていたいと思うほど内容が濃かった。

日本にはまだまだ私たちの知らない素敵な場所がある

突然話が逸れて恐縮ですが、えとみほは今の仕事に携わる前、全国各地の観光名所を撮影して回る仕事に携わっておりました(私が撮影をしていたわけではありませんが)。

その仕事柄、普通の人はなかなか行けないようなニッチな場所に行く機会も多々あったわけですが、その中で強く思ったのは「日本にはこんなにも皆に知られていない素晴らしい場所があるんだ」ということでした。こういう仕事でもなかったら、絶対行くことはなかっただろうと思われる素晴らしい場所が、全国にはいっぱいあるのです。本当に。

そのお仕事をしていたときは、そういった知られざる名所を世界中の人たちに知ってもらいたいなぁと思って自分なりに張り切ってプロモーションしていたのですけども、悲しいかな、やっぱり見てもらえるのは有名な場所ばかりなんです。

そりゃそうですよね、ネットの検索だと自分の知ってる場所しか探せないですし、未知のものには出会えないのですから。

でも、Ingressならばそういったスポットに光を当てることができるのでは?有名でなくても、ど田舎でも、めちゃくちゃ不便でも、ポータルにさえなっていればそこに行きたいと思う人が出てくるのでは?と、今回のみなさんのお話を聞いて思いました。

サラっと書いてますけど、これって密かにすごいパラダイムシフトだと思うんですよね。

これまで「不利だ」と思っていたことが、有利に転換できてしまうんですから。「知られざる名所」をお持ちの自治体は、これは千載一遇のチャンスだと思いますよ。いやほんと、煽りでもなんでもなく。

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「ポータルにディスクリプション(説明)を入れておくだけでも地元のあまり知られていない名所を紹介できる」と須賀さん。

成功を左右するのは地元ガチ勢への根回しと中立性

あと今回、Ingressを使った集客プロモーションを実施された横須賀市の古崎さんのお話で印象的だったのが「自治体がやろうとすることを必ずしも快く思わない人たち(既存のエージェント)がいる」ということ。

これはえとみほもエージェントの端くれなので、よーくわかります。「自分の陣地(と勝手に思っている場所)」を、知らない人たちに荒らされるのは気分よくないですからね。自治体がそういうことをやるのなら、一言アナウンスが欲しいなぁと思います(←何様w)。

で、この問題についての解決方法がまた感動的だったのですが、古崎さん自身もエージェントなので、なんと直接COMM(Ingressのエリアチャット機能)で「ガチ勢(ヘビーユーザー)」の方々に説明して回られたのだとか。きちんと身分を明かして「こういう目的で、こんなことをやろうと思っています」と。そうやって丁寧にコミュニケーションをとったら、ちゃんと理解をしてもらえたそうです。

これは…古崎さんサラっとおっしゃっていましたけど、すごいことだなと思いました。普通はゲームのルールや規約にのっとってさえいれば、こんな面倒なことをして回る義務はないわけじゃないですか。にもかかわらず、ちゃんと根回しをされた。これって、規約やルールが云々という話じゃなくて、どれだけこのIngressというゲームを愛しているか、という話だと思うんです。古崎さん自身がエージェントだからこそ、こういう細かいところへの気配りができたんだなと思いました。

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「重要なのは担当者自身がイングレスを大好きになること」と横須賀市集客プロモーション担当の古崎さん。

あともう1つ、古崎さんのお話で驚いたのは、このプロジェクトの市長会見(記者発表)の話。

横須賀市では、おおつねまさふみさん、堀正岳さん、コグレマサトさん、いしたにまさきさんという4名のエージェントがこのプロジェクトの監修をされているのですが、この4人は最初の2人がエンライテンド(緑陣営)、後の2人がレジスタンス(青陣営)なんですね。

これ、てっきり単なる偶然なんだと思っていたのですが、そうではなく、自治体側がどちらかの陣営に寄っていると思われるのは良くないだろうということで、中立の立場をアピールする意図があったとか。ちなみに横須賀市長もエージェントなんだそうですが、陣営は「非公開」だそう。いやー、徹底してますね。あっぱれです。

ちなみに余談ですが、実はここでナイアンティック・ラボの須賀さんの陣営もポロっと明かされました。完全なポロリです。でもこれについてはその場にいた方だけの参加特典ということで、こちらには書かないでおこうと思います(笑)。

「流行ってるから」「儲かりそうだから」では成功しない

今回、横須賀市の施策の数値のうえでの成果も発表されたわけですが、かかったコストや費やした時間を考えると「大成功」と言っていいのではないでしょうか。

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Ingress割の「猿島」の検索流入は、昨年同時期比350%増。

この大成功の最大の要因は、担当者である古崎さんの「Ingress愛」によるところが大きかったのではないかと思います。早い段階で、堀さんやおおつねさんといった、地元の「ガチ勢」に相談したというのも素晴らしい判断でした。

Ingressに限らず、ファンの熱量が高いコンテンツ(アニメやゲームのキャラクターなど)を利用して、観光PRやビジネスにつなげる動きがここ10年くらいで一般に認知されつつありますが、この種のコンテンツを活用するときは、ただ「流行ってるから」「儲かりそうだから」という理由で安易に手を出しても絶対にうまくいかないと思います。

でも、広告代理店みたいなところにいると(えとみほが今在籍しているのはネットの広告代理店なんですけども)、けっこう安易に「これ流行ってるからやりましょう!」みたいな流れになることが多いんですよね。まあ、お客様のためを思ってのことで悪気はないんでしょうけど、正直「おいおい待て待て」と思うこともあります。

いわゆる「オタク」にとっては「にわか」を見分けるのは簡単なことですし、ちょっと話せばすぐ「こちら側の人間」か「あちら側の人間か」わかってしまうものです。いったん「あちら側の人間」認定されると、まず何をやってもうまくいきません。それどころか反感を買って逆効果になる可能性すらあります。

だからやっぱり今回、登壇者の方々のお話を伺って、Ingressのように一部の人の圧倒的な熱量に支えられているコンテンツを自治体なり企業なりが「何か」に活用しようと思ったら、最低限「こちら側の人間」を中に1人用意するか、「こちら側の人間(地元のガチ勢)」に協力を仰ぐか、そのコンテンツの持つ「世界観」とかコンテンツに対する「愛」を理解しようという姿勢は絶対に必要だなと思いました。

正直、このハードルは低くはないと思いますが、それだけに宣伝広告では得られないような大きな成果が望めるのだと思います。

ちなみにうちの編集部にはkakeruでイングレス初心者講座「わんこ団子」を連載中のイングレ田村というLv.13のエージェントもおりますので、なにかありましたらぜひご相談ください(笑)。

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今回パネルディスカッションを仕切ったイングレ田村こと田村憲孝(弊社所属コンサルタント)。めっちゃ楽しそう。

以上、えとみほがお届けしました。


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