ピンタスティックなピンフルエンサーってなに?Pinterestのマーケティング活用方法を聞いてきた Pinterest Japanインタビュー|石井リナ(連載16)

2015 12.1

こんにちは、石井リナです。

先日、映画「マイ・インターン」がPinterestを活用して制作されていた話を聞きつけて、Pinterest Japanにインタビューさせてもらいましたそこでお聞きした「ピンフルエンサー」という存在やPinterestのリッチピンの話がなかなか興味深く、もう1記事執筆させてもらうことにしました。前回の記事に引き続き、Pinterest Japan()の中島歩さんにお聞きして参りました。

旅行のプランニングがPinterestで出来る!?

中島:通常のPinの中に追加情報を入れるリッチピンってご存知ですか?

リナ:知らないです。どんなものなのでしょうか?
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中島:リッチピンとは、ユーザーにより分かりやすく、役に立つモノを提供するために、通常のピンよりも多く情報が含まれているピンのことで、ぜんぶで6種類あります。(1)直接アプリストアにリンクすることができる「アプリピン」、(2)写真の場所を表示することができる「プレイスピン」、(3)記事やブログの見出し、タイトル、説明、著書などを表示させることができる「リーディングピン」、(4)価格や在庫情報などが表示される「プロダクトピン」、(5)料理の材料やレシピなどが閲覧できる「レシピピン」、(6)レビューや俳優名などを記載することができる「ムービーピン」です。

リナ:これはβ版ではなく、既にリリースされているものなのでしょうか。

中島:アプリピンは現在、アメリカのアプリストアへリンクしているもののみ対応しております。こちらが例なのですが、スマホで見てみると、画像の下部に「AppStoreでダウンロード」という文言が出てきます。また、右上にも青い「インストールボタン」が追加されます。


図9

リナ:これ、便利ですね。日本ではまだ使えないのが残念です。

中島:次にプレイスピンだと下のイメージです。こちらはPinterestメンバーで作成した「東京のお気に入りCafe」というボードです。


上部のマップの部分をタップすると、

図6

この様にマップ部分が広がります。マップは拡大したり縮小したりと、自由自在に動かすことができます。

図2

中島:今回はCaféでしたが、海外旅行のプランニングなどにも使えるのですごく便利な機能だと思いますよ。

リナ:凄い!海外に行く時、行きたい場所と回る順序に凄く困っていて、そういうのが一発で分かるようになるサービスあったらいいなと思っていたんですが、まさしくこれですね!

中島:そうなんですよ、かなり使えます。プランニングツールとして利用できるので、どこに行こうか迷っている時に、みんなで共有ボードを作って行きたいところをPinしていくといった使い方ができますよね。

リナ:スポットの風景と地図が同時に見れて、なおかつ複数人でボードを共有できるので画期的ですね。

中島:フォースクエアの機能とリンクしているので、登録されているものは住所を入力すれば全部PlacePinとして活用が可能です。ツアーブックにも登録されていない場所もPinが可能なので、Pinterestなら無限にプランニングができます。

リナ:ツアーブックを買ってプランニングすることがますますなくなりそうですね!

中島:そうなんです。次はリーディングピンです。


中島:画像の下に文のタイトルや始めの書き出しが表示されていて、どのようなことが書かれている内容のPinなのかすぐに把握することができます。

図3

リナ:自分のボードにリーディングボードを作って、自分が読んで面白かったと思った記事をストックしていくのもよさそうですね。Pinterestでこんなにいろいろなことができるなんて、驚きの連続です!

中島:そうですね。次は、プロダクトピンの事例です。



中島:見ていただくと分かるかと思うのですが、画像の下記にCreemaさんでの価格や在庫情報が記載されています。このように商品に関する在庫情報などを記載することができます。
図8

リナ:このPinはEコマースの機能を強く持つので、ユーザーメリットは大きいですね。

中島:次は、レシピピンです。



中島:Pinを見てもらえれば分かるのですが、画像の下に素材一覧が並びます。Pinから各情報サイトに飛ぶのでそちらをご覧頂いても良いですし、これを参考に料理を作ることも出来ます。

図7

リナ:なるほど、食材の買い物はPinterestでチェックして、詳しい調理方法はリンク先を見て確認するということですね。

中島:はい。最後にムービーピンのご紹介ですが、こちらをご覧ください。



中島:こちらも画像の下部に監督や、出演などの記載があります。

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リナ:女の子なら分かってくれる気がするのですが、友人が映画の一コマの様な写真をシェアしているのだけれども、それが何の映画で、このカワイイ女優さんが誰なのか分からない!ってときあるんですよね。調べたくても調べられないっていう時があります。

中島:そういった時にこのPinはかなり役立つと思います。リッチピンはとても便利なものなので、是非活用していってほしいなと思います。リッチピンの使い方については、をご覧ください。

リナ:ありがとうございます!

Pinterestはユーザーの潜在意識を探るツールにもなる

リナ:少し話は変わるのですが、企業はPinterestをどのように運用すればいいのでしょうか?

中島:Webサイトを管理するのは難しいじゃないですか。編集できなかったり、もうコンテンツが決まっていたりとか。でもPinterestの場合は、Webサイトよりももうちょっと遊び心があって、利用しやすいプラットフォームだと思っています。
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リナ:確かに、PinterestはWEBサイトよりももっとカジュアルなコミュニケーションとして利用すべきかなと思います。

中島: そうですね。WEBサイトは基本ユーザーが情報を求めるために行く場所、もしくはアクションをとるための場所ですよね。一方、Pinterestはインスピレーションを求めている場所なので、マーケティングファネルで考えるともっと上位概念の部分になると思っています。ブランディングを考える時に、ユーザーの潜在意識の部分を探るツールにもなると思います。

リナ:確かに、自社のアカウントのフォローユーザーがどの様な嗜好を持っているかなどは、Pinterestアカウントを使うと可視化しやすいですよね。

中島: 加えて、Pinterest の特徴として、画像をクリックすると基のサイトへ誘導されるので、インスピレーションを受けるだけではなく、その後サイトへ訪れて情報を収集したり、アクションも起こせたりします。なので、実はダイレクトレスポンスにも繋がりやすいサービスです。

リナ:活用方法は用途によって、幅広く使えるということですね。

中島:あと、Instagramは投稿しても一回見られたらもうおしまいだと思うのですが、PinterestはRepin機能があるのでコンテンツが長持ちします。

リナ:そうですね。InstagramはクローズドなSNSですが、それと比較するとPinterestは拡散機能のあるサービスですよね。

中島:RePinされてるとエンゲージメント率が高く、上に表示されたりするので、検索して1番目に触れる場所に出てくる画像がPinされたのが1年前のものだったりすることもよくあるんですよ。

リナ:ちなみにPinterestを上手く活用されている企業事例などはありますか?

中島:そうですね、旅行代理店のHISさんはすごく綺麗なボードを作っていらっしゃいますよ。



中島:WEBサイトと違う切り口で、「わくわく感のインスピレーションを与える」という様なボードを作っていると思います。基本的には国別のボードを作っているのですが、色別でボードを作っているのが、面白いと思います。

▶#his_orangeボード


▶#his_purpleボード


リナ:面白いですね!Pinterestのボードをどうやって作って、何を集めるのかって、センスが問われるなと思います。

中島:他に綺麗なボードを作っているアカウントだと、ファッション誌が多いですね。「VOGUE」、「ELLE」、「SPUR」さんなど上手だなと思いますね。

リナ:編集者の方とかは絶対上手ですよね。ボードに同じ様な雰囲気のアイテムを持ってくるのは、雑誌のページを作る感じと似ているかもしれないですね。

中島:「AneCan」さんも一緒にイベントをしたりしたのですが、日本人コンテンツ(蛯原友里さんや押切もえさん)を増やしてボードを作成していて、そちらもとても好評です。

リナ:若い女の子の場合は、日本人モデルの方が親近感湧きやすいのかもしれないですね。企業はダイレクトに商品などをPinしてボード作成するのではなく、ユーザーにインスピレーションを与えられる様に、カジュアルコミュニケーションの場としてボードを作成する必要がありそうですね。

ピンタスティックなピンフルエンサー?!

リナ: 企業事例お聞きしましたが、ユーザーで、上手く活用されている方はいらっしゃいますか?

中島:モデルのクリスウェブ佳子さんのアカウントは、彼女の世界観にも合っていて凄く素敵ですよ。

▶For Bookwormsのボード



▶The White Stuffのボード


中島:インテリアのPinもお洒落ですし、ファッショニスタならではのハイセンスなアカウントだと思います。

リナ:ファッションのイメージ強かったのですが、ファッションだけじゃなくインテリアなどもとても参考になりそうです!

中島:他にもクリエイターの方だと、フードクリエイターのHigucciniさんのアカウントも素敵だと思います。



リナ:アカウントの下部にアドレスも載ってるので、ここからお仕事とか依頼できますね。

中島:彼の場合、ご本人のウェブサイトにリンクしているので、Pinterestからも、お仕事に繋がるかなと思います。

リナ:クリエイターの方にとっては、Pinterestのアカウントがホームページの代替になりますね。

中島:そう思いますね。あと、このようなPinterest上のインフルエンサーを「ピンフルエンサー」って呼んでるんですよ。

リナ:え、初めて聞きました!これは流行りそうです。(笑)他に何かPinterest用語ってありますか?

中島:あとはファンタスティックをもじって、Pinterest映えするコンテンツを「ピンタスティック」って言っています。

リナ:Instagramでいう「インスタジェニック」のPinterestバージョンですね。これも流行りそうです。活用させて頂きます。(笑)

より日本人にも楽しんで貰えるプラットフォームへ

リナ:Pinterestの展望なのですが、今後はどういう風に展開していきたいとお考えですか?

中島:日本のコンテンツを増やしていきたいと思っています。まだまだ国外ユーザーが多いので、日本のユーザーにとっても、使いやすく楽しいと思って頂けるプラットフォームにしたいですね。
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リナ:私の周りでは、デザイナーをや美容師の友人は、とても使いやすいって話をしてるんですけど、職業関わらず、楽しいサービスだと思うので、日本のユーザーも、これからもっともっと増えるんじゃないかなと思っています。

中島:元々、創業者の1人が建築家で、デザイナーとしてアイデアを集めているときに、こういうツールがあったらいいなと思いついたのが、Pinterestだったんですよ。最初そうしたクリエイティブな職業で使ってる人たちやアーリーアダプターの人達がユーザーとして多かったという話は聞いています。徐々に一般の方がライフスタイルの一部として使うようになったという感じですね。

リナ:そうだったんですね。確かに私も一個人として物凄く楽しんで使っているので、クリエイティブな職業以外の人達にも是非自分のライフスタイルの整理や発見に使ってほしいと思います。 本日はお忙しい中ありがとうございました!

Pinterestは大好きでよく使っていますが、リッチピンについては今回のインタビューで初めて知り、本当に驚きの連続でした。また、最近リリースがありましたが、クローズアップするとPinterest上で製品を画像検索出来る機能も追加となりました。こちらの機能についてもネット上でも多くの反応があり、驚きの声とともにPinterestへの期待が更に高まったように感じます。今後、SNSは全てPinterestに一本化されるのでは、なんて声もありました。

リッチピンの機能は、そんな日も遠くないと思わせてくれるくらい幅が広いですし、利便性も十分備わっていると思います。今後追加される新たな機能拡張や、Pinterestが仕掛けてくるプロモーションにも、引き続き注目していきたいと思います。

それでは、また。


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