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メイクキャス主で有名な郷杏樹さんに聞く、ツイキャスをする理由「友だちに話しかける感覚」

2016 5.13

こんにちは。kakeru副編集長の三川です。メイクが苦手です。

昨年夏、イケボについて知るためにツイキャスで人気のキャス主「Love Desire」に取材させていただきました。私にとってまだまだ不思議なことがあります。それは「ライブ配信する子たちの心理」です。

毎日ライブ配信して飽きないの?そんなに話すことあるの?何を見てほしいの?リアルの友だちは?

たくさんの疑問が湧いてきます。でもきっと、魅力があるはず。

そこで、ツイキャスの有名なメイクキャス主さん・郷杏樹(ごう あんじゅ)さんに取材させて頂きました。メイクキャスという切り口でライブ配信の魅力についてお聞きします。

郷杏樹さんは、ツイキャスでメイク(メイクキャス)の配信を行っています。1時間の放送で視聴者(リスナー)が6万人を越えるほど人気のキャス主です。Twitterも5.3万人以上のフォロワーがおり、多くのファンを抱えるインフルエンサーでもあります。

▶郷 杏樹 (@mini_size0) さんのツイキャス →http://twitcasting.tv/mini_size0

メイクキャスはカメラの画質と角度が大切

三川:本日はよろしくお願いします。杏樹さんはどれくらいのツイキャス歴なんですか?

郷杏樹:たしか、2013年の夏頃からはじめたので3年くらいでしょうか。

三川:当初からメイクキャスをしてたんですか?

郷杏樹:いいえ、ただ話していただけです。そもそも、友だちがツイキャスをやっていたのを見て面白そうだなって思って、私もツイキャスを始めたのがきっかけです。最初は普通に話しているだけだったのですが、リスナーが全然いなかったんですよ。私みたいな一般人が話すことを聴いても面白くないじゃないですか。だから、何かしようって。

三川:ライブ配信は不特定多数の人に見られていることを意識しないといけないですもんね。

郷杏樹:そうです。最初は身内しか見に来ませんでした。でもリアルの友だちとはSNSを通して喋る必要ないですし。どうせやるなら、もっと多くの人に見てもらいたいなって。

三川:そこで、メイクをしようと?

郷杏樹:自分がメイクしている横にスマホを置くだけだし。メイクキャスだとみんなが見てくれるので、それからずっとメイクキャスしてます!

三川:いつもどういうふうに配信してるんですか?場所とか撮影セットとか気になります。

郷杏樹:自分の家にいる時は、洗濯バサミでスマホをソファに立たせて撮ってます。うち、テーブルがないので(笑)。

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三川:シュールですね(笑)。

郷杏樹:メイクキャスだと、カメラの角度を細かく調整しないといけなくて。あと、明るさがかなり重要です。

三川:スマホにもこだわりがありそうですが、何を使ってますか?

郷杏樹:私、iphoneを3台持ってます。動画は6sで撮るし、もうひとつは6。普段はこの2台を使っていて、Wi-Fi繋いで使うのが5s。ツイキャスは絶対に5sなんですよ。

三川:なんでですか?

郷杏樹:5sは画質がちょっと悪いんですよ。そのほうが余計なところまで映らないので(笑)。6sは綺麗に映りすぎます。

三川:そうか。映りすぎないような工夫も必要なのか。あの……数年もメイクキャスをしていてしんどくないですか?

郷杏樹:私は楽しいです。逆に、視聴しているひとが飽きないのか心配で、昔は1日2回、違うメイクのキャスをする時もありました(笑)。

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三川:それはツイキャスのために、2回メイクをするってこと?

郷杏樹:そうです、暇だからできたんですけどね(笑)。昼間は甘顔系のメイクして、夜はハーフ系のメイクしてって分けて。

三川:ツイキャスのためにメイクするとは・・・。ライブ履歴を見ていると、たまに2時間配信している時ありますよね?長いなぁって。

郷杏樹:時間に余裕のある時はゆっくり配信しようと思って、ちょっと早起きします。配信時間を2時間って決めて、1時間はメイク、もう1時間は髪型に当てます。

三川:見てくれるリスナーは、2時間ずっと見てくれるんですか?それとも途中で帰っちゃうんですか?

郷杏樹:二重のメイクだけ知りたいリスナーはそのメイクが終わったら帰るんじゃないですかね。興味のないところは見ないと思います。

雑誌とちがい、リアルタイムでメイクテクニックが伝授できる

三川:最初から配信を見ているリスナーは杏樹さんのすっぴんを見ているわけで。女性の私からみると、不特定多数のリスナーにすっぴんを見せるのは抵抗ないのかなって気になってます。

郷杏樹:最初はもちろんありました。でも私は顔が薄くて、どちらかと言うと一般的な顔なので素を晒したほうがみんなに親近感を持ってもらえるかなって。かわいい子がメイクしたところで、見ている人が同じように真似をしても可愛くなれないかもしれなくて。でも、可愛くない人がメイクしたら、「メイクでこんなに変われるんですよ」って伝えられるんじゃないかなって。だから、私のキャスを見てくれるんだと思います。

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三川:杏樹さん可愛いですが…。「一般人が配信してる」「親近感を持ちやすい」、ツイキャスの魅力ですね。メイクキャスをするうえで意識してることってありますか?

郷杏樹:できるだけ安いメイク道具を使うようにしています。

三川:みんなが真似できるように?

郷杏樹:リスナーのみんなにも、「安いものを使ってくれるから参考になる」ってよく言われます。

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三川:多分ね、大人からすると「メイクについて知りたければ雑誌のメイク特集見ればいいじゃん?」て思うんですよね。でも、ツイキャスにはできて雑誌にはできないポイントがあるんですね。

郷杏樹:ツイキャスの場合はメイクしているときにみんなから質問もらって、リアルタイムですぐに私が答えるから分かりやすいみたいです。あとは、動き。

三川:動き?

郷杏樹:雑誌だとメイクの手順は分かるけど、細かい動作というかテクニックまでは分からないと思うんですよ。でもツイキャスは実際にメイクをしながら説明できるので、リスナーにとっては親切なんじゃないかな。私のライブ履歴からメイクの仕方をリプレイできるし。

三川:オンライン学習サービスみたいですね(笑)。リスナーとリアルタイムでコミュニケーションをとりながらコンテンツを作っていく。雑誌にはできないことですね。

有名になりたいわけじゃない

三川:これからの夢などをお聞きしたいです。

郷杏樹:本当にそういうのがなくって、だめなんですよね。

三川:この人のようになりたい、とか。

郷杏樹:んー、このままがいいなぁて思ってます。

三川:有名にはなりたくないんですか?

郷杏樹:みんなと距離が開く気がして…。多くの人が私のライブ配信を見てくれる理由は「身近だから」だと思うんですよ。高いものを使わないし、素を出してるし。親近感がなくなったら、みんなが離れていきそうで嫌です。

三川:有名になりたいからツイキャスをしているというよりも、みんなと喋りたいからツイキャスをしてるんですね。その感覚も不思議です。YouTuberは人気になりたいという思いの強い人が多い気がするけど、ツイキャスはそういう傾向がないのかな。

郷杏樹:もちろん有名になりたいと思ってるキャス主もいます。でも、リスナーとちゃんと向き合って会話している人のほうが自然と人気がでてくる気がします。

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メイクをするついでにツイキャスをする

三川:杏樹さんの場合、「よし、ツイキャスするぞ」って感じじゃないのが新鮮です。

郷杏樹:どういうことですか(笑)。

三川:「よし、今から30分やるぞ」って張り切って放送開始ボタンを押すというよりも、メイクするからついでに配信しようかなーって気軽にやっている感じ。

郷杏樹:うーん、ツイキャスってただボタン押すだけで、本当にラクで。リスナーに聞かれたことに答えたらリスナーが反応してくれるし、自分が喋っていればいいだけだから。

三川:ちゃんと受け答えできるのがすごいなと思って。喋るだけってけっこう難しいことだと思うんです。

郷杏樹:コメントがあるから、できるんです。コメントがないとシーンとなっちゃうので。見てくれてるみんなが私に話しかけてくれるから、成り立ってます。ツイキャスはブログやYouTubeと違って、”今”のコミュニケーションじゃないですか。私に質問したことがリアルタイムで返ってくるのがリスナーにとってストレスなくていいんじゃないかな。私もそのほうがラクです。

三川:杏樹さん自身も楽しみながらライブ配信できてるんですね。

郷杏樹:一人で黙々とメイクしているよりは、誰かと話している感覚でツイキャスしながらメイクするほうが楽しいです!

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人と繋がるのは、リアルもSNSも一緒

三川:話を聞いて、ツイキャスをする意図が分かってきました。何かを主張したいというよりも、だれかと繋がることを求めてるんですね。

郷杏樹:まさに、そうです。寂しくなったらツイキャスやろうとか、18時から出かけるから2時間前にキャスしようかな、とか、とっても軽い感覚です。

三川:ライブ配信のなかでリスナー同士が繋がることってあるんですか?

郷杏樹:結構ありますよ!私だけじゃなくてみんな友だち感覚で話すので、「今日は◯◯さんいないね」とか「最近、△△さんいる?」てコメントが来て、リスナーの誰かがそのコメントに返事したり。みんな会ったことないし誰か分からないけど、みんなでライブ配信を作ってるというか。

三川:ひとつのコミュニティとして機能してるんですね。

郷杏樹:そうです!私の部屋にみんなが遊びに来てくれた感じです(笑)。リスナー同士がTwitterで繋がって仲良くなってる様子をみるとすごく嬉しいです。

三川:杏樹さんの世代って、SNSの世界とリアルの世界に境界線がないですよね。SNSだろうとリアルだろうと関係なく、人と繋がることができる。

郷杏樹:リアルな人間関係って、あまり選べないじゃないですか。特に未成年だと。住む場所とか生活環境とか。でも、SNSは好きなことをツイキャスで話して、興味ある子たちが来てくれる。だから気楽に配信できて、安心して繋がれるのかもしれません。

三川:私、勘違いしてました。ツイキャス含めて、ライブ配信サービスでライブ配信をしてる子たちは何かを主張したいのかなって思っていたのですが、そうじゃない方もいるんですね。もっと単純な、Twitterでつぶやく感覚で配信してるんですね。

郷杏樹:そう、私はただ配信してるだけです。いろんな人と繋がるというか、空間を共有したいというか。で、私がみんなに求められてるのがメイクだから、メイクキャスをしてる、という。

三川:杏樹さんがメイクキャスをする理由が解明できたような気がします。本日はありがとうございました!

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まとめ

杏樹さんへの取材で「誰かと繋がりたいからツイキャスをする」ということが分かりました。デジタルネイティブ世代にとってライブ配信をすることはそれほど障壁が高くないようです。杏樹さんの話に何度も出てきましたが、友だちと話す感覚でやっているのが驚きです。リアルとSNSに境界線がないのも、この手軽さから来ているのではないでしょうか。

もうひとつ驚いたことがあります。将来の夢についてです。杏樹さんはインタビューで、「有名になりたいわけじゃない」と仰ってました。有名になりたいという願望よりも、みんなから必要とされる存在になりたいという気持ちが強いのかなと思いました。杏樹さんの場合、より多くの人と繋がるために見つけた共通項がたまたま「メイクキャス」だったのかもしれません。

情報が溢れている今、苦労しているのは企業だけではありません。デジタルネイティブ世代にとっても、友だちの投稿が渦巻くなか、自身の存在をアピールするのは非常に困難なことです。みんなから必要とされる存在になるために、人と繋がる思いがより一層強いのかもしれません。


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