ペク・アヨン、Dynamic Duo、防弾少年団まで…K-POPに登場する「SNS」の使われ方とは?

2015 6.18

こんにちは、イイヅカミチカと申します。

K-POPファン歴6年目、渡韓回数数知れず、20台半ばのしがない韓流オタクのわたしですが、縁がありKakeruにて「韓国 × SNS」にまつわる記事を担当することとなりました。SNSという切り口から、韓国の様々な文化トピックスをお伝えできればと思っております。以後お見知り置きを!

さて。6月はBIGBANGとEXOのカムバック(新譜発売)があり、韓国国内のチャートがこの2アーティストによって埋め尽くされていました。K-POPに詳しくない方でも、BIGBANGとEXOについては名前だけは聞いたことがあるかもしれません。どちらも、国内外を問わず超大人気のグループです。

そんな中、先週末から突然ランキングに食い込み、現在リアルタイムチャート1位になっている曲があります。それは、「こうなるならやめてよ(이럴거면 그러지말지)/ペク・アヨン(백아연)」。先月20日に公開された曲なのですが、発売3週ぶりに韓国国内チャートを駆け上っています。

そんなこの曲、実は、SNSを使っている女性なら「あるある」と共感してしまうような、切ない歌詞&ミュージックビデオなんです。

『もしかしたらと思ってポストした私たちの話に いいねは押さないで欲しい 期待しちゃうから』
– こうなるならやめてよ(이럴거면 그러지말지)/ペク・アヨン(백아연)

「あなたも私の事、好きだと思ってたのに…だったらなんであんなことしたの?」と、意中の相手に翻弄され、傷いた乙女心を描く、ちょっと切ないこの曲。気になる相手との出来事をポストしたら、相手から「いいね」が来て、思わずドキドキしてしまった……。SNSを日常的に使っている人であれば、経験したことがあるかもしれませんね。

また、ミュージックビデオには、カカオトークとInstagramがモチーフとして使われているんですが、人知れず失恋の気持ちを吐露する場所としてのSNSの姿も見えてきます。SNSが恋愛の一舞台として、生活に入り込んできているということを、改めて感じられさせます。

しかし!この曲だけでなく、最近のK-POPには、度々SNSが登場するようになっているのです!!特に、片思いの曲や失恋の曲での登場率が高いんですが……詳しく見ていると、どうもSNSは「相手の近況を覗き見れる」のがポイントのよう。

プロフィール写真変えた?拡大してみて騙される計算 綺麗になった君に電話をかける
      -SsSs(싱숭생숭)/Dynamic Duo
去年の年末、主要チャートを総ナメにしたDynamic Duoの「SsSs」にも、SNSにまつわるワード「プロフィール写真」が登場します。更新されたプロフィール写真が、気になる相手に電話をかけるきっかけにもなったりして……。楽曲冒頭に登場する「友達は日々を自慢するのに忙しい」という歌詞も、SNSの利用を連想させます。
初めはいいんだ I feel like guap
終わりはいつもあんまりさ 君も分かってるだろ 酷いってこと
その後でこっそりSNSを見る
ところで君はBEACH ボラカイ島?
楽しそうだね 色んな食べ物の写真
      - 愛は狂ったこと(사랑은 미친짓)/15&
こちらは、今年の初め、主要チャートで1位を取った15&の「愛は狂ったこと」。酷い別れ方をした後でも、相手が何をしてるのか、つい気になってしまう。そんな時、ふとSNSを見れば、相手の近況が見えちゃうんですよね。
君がアップする全部の写真に
「いいね!」乱発する 初めてみるあの男…誰だ?
ああそうだ 俺はもう彼氏じゃなかった
自然と君の番号を押したよ
電話やカカオをしようとすれば負けな気がして
何もしなかったら気にかけてくれない気がして
なんで「嫌い」ボタンはないの
嫌だ あの三十何人の一人になるのは
      - いいね(좋아요)/防弾少年団(방탄소년단)
日本でも若いファンを中心に人気の防弾少年団の曲にも、ありました。タイトルはずばり「いいね」。未練の残る元カノのポストに、全いいねしてる知らない男のせいでヤキモキ……SNSが存在しなければ感じることもなかったストレスを描いた歌です。ちなみにこの曲、日本語版もあります。
Hello How Are You Doing?
君のタイムライン
こっそり盗み見るよ
僕は君が去ったあとに
終わりのない迷路みたく
君のそばをぐるぐる回る
      -Hello/少年共和国(소년공화국)

イケメンアイドルグループ・少年共和国の、今月発売されたばかりの新曲でも、元カノのタイムラインを覗き見ています。……いや、言いたいことはわかるけど、ここまで未練がましいとちょっと怖いような気も…??

ちなみに、SNSが発展する直前、2010年の年間チャートTOP3に入っている、「当時の」未練タラタラな男の姿を歌った曲の歌詞はというと……

お前の家の前に向かってる
早く電話に出ろ
      - 死ぬほど辛くて/MCモン

……いや、もっと怖いよ!!!!

しかし、同じ2010年に流行った曲では、2AMの「電話に出ない君に」でも、電話に出てくれない元カノのことを、元カノの家の前で待っていました。家の前で待たれるのと、SNS見られるのと、どっちがいいかといえば…どっちもあんまり嬉しくないですよね…。

と、ドン引きしているそこのあなたも、好きな人や別れた恋人のSNSをコッソリ見ちゃったこと、本当に一度もないですか…?実際見なかったとしても、見たくなってしまったことぐらいは、ありますよね、きっと。

韓国では、「気になる相手のSNSを見てしまう、見たくなってしまう」ことに共感する若者が多いために、こういった内容の歌詞の曲が登場したり、ヒットを飛ばしたりしているのだと思われます。韓国ほどではないものの、日本でも若者世代を中心に、SNSは生活の一部になりつつあります。SNSヘビーユーザーのあなたも、こういう歌詞に、ついつい共感してしまうのではないでしょうか?


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