みなさん ごきげんよう、山ノ手乗子です。
企業公式アカウント「北側物産(@ktgwbs)」のTwitterアカウントが23日に大注目されたのはご存知でしょうか。北側物産は、ゴルフ用品を中心に扱う卸・小売の会社です。
▶http://www.rakuten.ne.jp/gold/golkin/
[お知らせ] ツイートがユルすぎて会社からツイート停止の指示を受けてしまいました。 大変恐縮ではございますが、本日をもって当アカウントは停止させて頂きます。 1年5ヶ月の間皆様にお付き合いいただき大変にありがとうございました。 皆様に心から感謝申し上げます
— 北側物産(一時停止) (@ktgwbs) 2015, 6月 23
これを受けて、お別れを惜しむ声が続出。今まで北側物産と絡んできた企業公式アカウントたちが立ち上がって、「北側物産の定番挨拶、”お昼がきたがわ”を #北側物産 をつけて投稿しよう」と呼びかけた結果、をTwitterトレンド入りさせる快挙を果たしました。すると…
[お知らせの訂正] 夕刻に鍵アカウントへ移行しツイートを削除する予定でしたが、 お 陰 様 で 当分の間このままとさせていただくことになりました。 ありがとうございます
— 北側物産(一時停止) (@ktgwbs) 2015, 6月 23
Twitterトレンド入りがよかったのか、アカウントを削除しないことになったという報告が夕方にツイート。翌日の24日にはテレビのニュース番組に取り上げられるなど、大きな反響を呼んでいます。 今回kakeruでは渦中の人物、北側物産(@ktgwbs)の中の人にインタビューすることに成功しました!なぜアカウントが停止されることになったのか、Twitterトレンドにのったときの心境、今後の動きなどお聞きしたので、どうぞご覧ください。
三川:ツイートによると、23日の朝にツイート停止の命令を受けたとのことですが、それを聞いたときどう思いました?
北側物産さん:あぁ、やっぱり。とうとうきたか、と(笑)
三川:!? 覚悟はしていたのでしょうか?
北側物産さん:最近は商品の宣伝ツイートをあまりしておらず、そろそろ社内から何か言われるかなぁと気にしてはいました。Twitter運用に関しては、私に一任されており自由にさせてもらっていたのですが、上司がたまたまツイートを見たようで。翌日の23日に「Twitterが自由すぎる、いくらなんでも私物化しすぎ」と上司から話がありました。私の中ではある程度覚悟はしていたので、よし、いい機会だし一度停止して運用を見直そうか、とあのようなツイートをしたのです。
三川:社内とTwitter運用者のあいだで、Twitter運用に対する食い違いがあったように感じられるのですが。
北側物産さん:まさに、今回の原因は社内のコンセンサスが不十分なまま運用していたことだと感じています。
三川:詳しくお聞きしたいです。
北側物産さん:そうですね…そもそも北側物産のアカウント(@ktgwbs)は会社のモノではなく私個人が1年半前に非公式で始めたものだったんです。当時、ある展示会で弊社の商品を紹介する機会があったのですが、Twitterを立ち上げて宣伝しよう、と思いまして。展示会が終わったあともしばらく運用していると、それがいつの間にか会社のHPトップに載って本物の公式になり、今に至るという…。
三川:非公式でやっていたアカウントが公式になる。企業アカウントでは少なくない話ですね。
北側物産さん:本当は公式アカウントになったタイミングで社内体制や報告のフローなど整備すればよかったのですが、そのままズルズルやってしまったのでしわ寄せで今に来てしまいました(涙)商品宣伝以外のツイートを発信する目的も、事前に理解を得ておけばよかったです(涙)
三川:北側物産さんのアカウント停止告知に対して、多くの企業アカウントが動きTwitterトレンドという快挙を成し遂げました。これを聞いたとき、どう感じましたか?
北側物産さん:いやあもうそれは本当に本当に嬉しかったですよ!感謝という言葉では表わせ切れないくらい感動しました。
三川:リアルタイムでご覧になっていました?
北側物産さん:残念ながら見ていませんでした。11時頃にあのツイートをしたあと、Twitterを閉じて他業務の仕事をしていたんですね。そしたら夕方頃に上司から「おい!炎上してるぞ!」と。
三川:炎上??
北側物産さん:そう、炎上していると(笑)。SNSにあまり詳しくない人間が多い会社なので、どうやら「盛り上がっている=炎上している」ととらえたようで、最初はそう聞いてびっくりしました。何が起きているんだ?とTwitterを開いてみると真相がわかり、ウルウルきてしまいました。嬉しいような恥ずかしいような(笑)。
普段あまりやり取りしていない企業アカウントまでもが呟いてくださったりしていて、本当に感謝しかないです。今回のことは、きっと同じような境遇の中の人にとって自身を省みる機会にもなったと思います。これからもどのように運用していけばいいか模索していくことは変わらないですが、その中でどの企業アカウントさんもスタイルを確立していけたらいいですね。
三川:今回の一連の流れのなかで、多くの企業アカウントが「ゆるいツイート」について議論されていましたね。
北側物産さん:そうですね。「ゆるい」の感じ方は人それぞれだと思うので難しいですね…。こちらから発信する情報が商品宣伝のみなら、コミュニケーションツールであるTwitterを使う意味はないのかなと思います。みんなで盛り上がれるような話題を発信することで、より多くの人を巻き込んでいけることを何度も体験してるので、商品宣伝以外の、いわゆるコミュニケーション目的の投稿は必要だと思ってます。
ただそのその盛り上がりを宣伝に繋げていかないと、とは改めて感じました。どちらかに偏るのではなく、宣伝用のツイートとゆるいツイートのバランスを取っていければ良いと思います。今回の件を通して、上司も「ゆるいツイートによって企業アカウントのファンが増えることもある」ということを理解してくれたので良かったです。
三川:今後はツイートを再開するのでしょうか?
北側物産さん:します!したいです!再開するために、
①社内体制を整える:新商品が登場したらすぐに連絡が来るように他部門と連携する、担当者を決定する
②商品宣伝とそれ以外のツイートのバランスを調整する
この2つを中心に見直しています。
三川:最後に、みなさんへのメッセージをどうぞ!
北側物産さん:本当に皆さんのおかげで、いい方向へ向かいました。ありがとうございます!みなさんのおかげでアカウントは救われ、私にとって新しい扉が開けました。感謝しかでてきません・・・!動いてくださった、呟いてくださったことが本当にありがたいです。
また今回の件がテレビで取り上げられたことで、今行われている「企業公式中の人総選挙」が盛り上がる1つのきっかけになれたなら嬉しいですね。 テレビに取り上げられたことで今後より企業公式アカウントに対する世間の関心は高まっていくと思います。それに対してどのような運用スタンスを取っていくべきなのか、試行錯誤しながらそれぞれのキャラクターを出せていけたらいいですね。
北側物産さん、今回は本当にお疲れ様でした!そして取材させていただきありがとうございました。これからもがんばってください!