3

3万人を動員する「FNO」に見る最先端SNS施策とは? キーワードは「デジタル体験」と「コンテンツ収集」|石井リナ(連載10)

2015 9.28

こんにちは、石井リナです。

9月12日(土)に実施された「VOGUE」が主催するグローバルショッピングイベント「VOGUE FASHION’S NIGHT OUT」(以下FNO)に参加してきました。FNOは表参道・青山・原宿エリアのショップを中心に実施されるファッション業界の活性化を目的に実施される一夜限りのイベントです。

私はこのイベントが大好きで、大学生のころから毎年の様に参加しています。セール価格でお買い物が出来るうえに、この日しか見られないアーティストの生ライブがあったり、振る舞いシャンパン、カワイイフードetc……お買い物好き女子にはたまらないコンテンツだらけなのです…!

毎年3万人以上を動員するFNOには、きっと最先端のSNS施策が見られるはず!ということで、リアルイベントにおける最新SNS施策にフォーカスしながら、実際にブランドやショップを見て回り、面白いと思った施策をいくつかご紹介いたします。

デジタル体験編

1.ミハラヤスヒロ×とんだ林欄×チームラボ

「AWA」のシークレットパーティーにみる最新ハッシュタグマーケ施策。投稿写真が30秒で印刷される「#SnSnap」とは?の記事にも記載させていただきましたが、最近SNSに投稿した写真がその場でプリントできる機械が増えています。

FNOでもそうした機械の導入が多く見られたのですが、その中でもかなり面白く、かつ最先端な体験型SNS施策があったのでご紹介させていただきます。

お店に入ると、すぐにこの大きな機械が現れます。入って正面に設置されているので、目を引くこと間違いなしですね。

Noe Okamotoさん()が投稿した写真 –

 

S__12574730
好きなフレームを選択でき、プリクラのように写真撮影が出来ます。

 店員のお兄さんの説明に従って操作してみます。タッチパネルではなく、手の操作をセンサーで読み取り、YesやNOを選択させるタイプの機械でした。

S__12574731
撮影した写真がこちら。
S__12574729
撮影が完了すると、このような画面が表示されます。

 

S__12574735
私もダウンロードしてみました。

撮影した写真は自動で「miharayasuhiro」のFacebookページにアップされ、ユーザーたちはそこから画像が貰える仕組みになっています。   さらに、後ろのプリンターからは、画像が印刷されたシールが出てきます。

S__12574732
プリクラ風のシールとなっています。

新しいデジタル体験をさせるこの仕組みがウケて、当日の写真は160枚も収集されたとのこと。楽しいデジタル体験をして、SNS用の画像がもらえ、データだけでなくシールまでもらえてしまうという、なんとも至れりつくせりのこの機械は、テクノロジスト集団「チームラボ」の仕掛けでした。 体を使ってデジタルを体験させるあたりがなんとも「チームラボ」らしいです。 センサーが反応しづらい部分もありましたが、なかなか見ない最先端な仕組みだと思いました。私たちもみんなで3回も撮影してしまったほどなので、当日の参加者にもかなりウケたのではないでしょうか。  

2.THREE

次に、化粧品やスキンケアグッズで人気なTHREEのブースへ。このブースでも面白い取り組みが行われていました。 2015-09-12 16.50.37 スタッフの方の話を聞いたところ、ブース前で2~3分動きながら撮影をすると、自動で動画が編集され、自分の携帯に送られてくる仕組みとのこと。

2015-09-12 16.51.17
撮影するカメラはこんな形をしていて、新しい「プリクラ機」のような雰囲気でした。

撮影すると、下のような動画が送られてきます。  

THREEさん()が投稿した動画 –

maotylerさん()が投稿した動画 –

これらの動画、ユーザーは自分では一切編集していません。ブースの前で動くだけで、こんなにオシャレに編集され動画が送られてくるんです。なんとも「今っぽい」最新施策だと思います。 ユーザーメリットとしては、憧れのブランドロゴ入りでオシャレな動画が撮れるという点が、またブランドメリットとしては、ユーザーがSNSでシェアしたときのインパクトが強いコンテンツなので、そのユーザーたちのフォロワーにも内容を記憶されやすいという点が挙げられそうです。

2015-09-12 16.51.27
私も体験したかったのですが……この長蛇の列を見て、撮影を断念致しました。またこのブースに出会えることを期待しています………残念。

 

コンテンツ収集編

 

1.FNOメイン会場

メイン会場でもある表参道ヒルズのイベントスペースには、大きなデジタルサイネージがあり、当日の参加者の様子が続々とアップされておりました。アカウントはすべてとなっており、覗いてみるとどうやらFNOの公式アカウントのようでした(※現在は個人アカウントの様になっています。どうやら中の人のアカウントでアップしていたようです)。 FNO会場付近でユーザーに声をかけ、撮影させてもらい、Instagramにアップ。それをシステムでデジタルサイネージに映し出す、という仕組みです。収集されていたものは下のような参加者の動画。参加者たちの周りを一周しながら撮影した、面白い動画となっています。  

creativelabさん()が投稿した動画 –

creativelabさん()が投稿した動画 –

SNSにアップされた写真や動画をデジタルサイネージに映し出すのは、イベントの盛り上がりの可視化という点ではとても良い方法だと思います。 また、昔はTwitterなどのコメントや写真が流されていることが多かったですが、最近では当たり前のようにInstagramの投稿が収集され、投影されている点を見ても、Instagramは今1番ホットなSNSであることがよく分かります。  

2.Dior

Diorでも、イベント会場にてリアルタイムでユーザーコンテンツを収集し、投映する施策を実施していました。  

Akane Yokokawaさん()が投稿した写真 –

作りこまれたフォトブースの横には、以前の記事でも紹介した「FOTOfwd」が準備されていました。 S__12574726 また、撮影された画像はデジタルサイネージに収集され、ブース内にオシャレに投影されていました。

Kana Motoyasuさん()が投稿した写真 –

S__12574723
ブースに入ってすぐのところに大きくハッシュタグの記載があり、ハッシュタグの周知も徹底されていました。

ユーザーコンテンツを収集して表示させるメリットは、「盛り上がっている感」の可視化です。また、他の多くの人が参加していることが一目で分かるので、撮影し、シェアするというユーザーの参加ハードルを下げることもできます。

このように、リアルイベントにおいて、体を使って「デジタル体験」してもらうことで、ブランドに対する心的距離を縮める効果が狙えると思います。さらに、「コンテンツ収集」して投映することで、イベントの盛り上がりを可視化したり、更なる参加を促進することもできそうです。

また、FNOの様に、一晩で多くの人が集まり、ブランドブースも出店するようなイベントの場合、どこのブースで写真を撮ってもらい、SNSにアップして貰うのかという、「ユーザーの取り合い状態」になることも多くあると思います。そのような場合、他のブースではなく、自社のブースで写真撮影をしてもらい、SNSにアップしてもらうためのポイントは、次の2つ。

1. SNSにアップさせたくなるコンテンツ力
2. 徹底したコンテンツの事前周知

今回は1に当てはまる「コンテンツ力の高いブース」をメインにご紹介しましたが、コンテンツ力が高くても、事前周知がしっかりできていなければ人は集まりません。終わったあとに、「あ、こんな面白い取り組みやってたんだ」と気付かれることにならないためにも、日頃から公式のSNSアカウントでファンとコミュニケーションをとっておくことや、フォロワー数を増やしてリーチ出来るユーザー数を増やすことが大切です。

ぜひ参考にしてみてくださいね。


PAGE
TOP