【就活生必見】SNS時代の就活について内定者に聞いてみたよ【人事も見てね】

2016 3.18

皆さん、ごきげんよう。山ノ手乗子です。

今月1日に解禁された2017卒の就職活動。最近はソーシャルメディアに関する話題が多くあります。Twitter上では「面接であえて変わった質問をし、その内容をSNS上に書かせることで学生のアカウントをあぶり出す」という人事の話が話題になったりもしました。

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では、人事よりもソーシャルが身近な学生側は、就活にSNSをどのように利用しているのでしょうか?きっとソーシャルネイティブな彼ららしい利用をしているはず…とういことで、今春就職予定の学生ら8人に、就活とSNSのリアルな事情について聞いてみました。

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登場人物

Kくん:私立大学文系学部・IT系企業に内定

Mさん:私立大学文系学部・コンサルタント系企業に内定

Rくん:私立大学文系学部・web系企業に内定

Iさん:私立大学理系学部・web系企業に内定

Sくん:公立大学理系学部・印刷系企業に内定

Tさん:私立大学芸術系学部・広告系企業に内定

Iくん:公立大学文系学部・不動産系企業に内定

Nくん:公立大学文系学部・WEB系企業新卒1年目

塚岡:kakeru編集長

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就活時期の「意識高い系」投稿は演じられているもの?

塚岡:みなさん、今日はよろしくお願いします。さっそくですが、SNSでは何を一番つかってますか?

Iさん:Twitterですね。

Nくん:朝起きて、寝るまでTwitterやっています。

Tさん:Twitterかな。

MさんSNSはそんなに使っていませんが、しいて言えばTwitterです。

Sくん:僕はFacebookだと思います。

Rくん:ここ3年ぐらいインスタをよく使ってますね。

Kくん1番使っているSNSはFacebookです。

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MさんみなさんはSNSと日記をどう使い分けていますか?みんなに知ってほしい、読んでほしいと思って投稿するんですか?

Tさん:リアクションがほしいかな。感想とか、相互的にコミュニケーションをしたいとか。

Iくん:あとは、自慢したい気持ちもある。

塚岡:自慢したい気持ち?

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Iくん:友だちと旅行にいくための決定事項を、Twitter上で全部やりとりしてました。周りの友だちから「ウゼえ」って言われたりしたんですけど、僕ら的には自慢したい気持ちがあったんです。自己顕示欲のような。

塚岡:就活してると、そういう自慢したい欲がSNSでたくさん出てくるのかな。

Sくん:確かに、就活の時期になるといわゆる「意識高い系」な投稿が多くなるよね。「OB訪問に行ってきました」「どこの偉い人としゃべりました」「イベントに参加しました」とか。

Iさん:うん。知り合いが、学会やセミナーに参加したことを積極的に投稿してたことを覚えてます。プロフィールに所属している団体を全部書いて、交流会に行って…そういった投稿ばかりしている人を見ると、「面白いことを活動的にやっている」と思われたくて必死なんだと思っちゃいます。

Tさん:面白いツイートした人をフォローすると、意識高い人たちから芋づる式でフォローがくるんです。その人たち、基本お肉食べているんですよ。高級焼き肉屋さんに行って「明日からまた頑張るぞ」みたいな。

Rくん:ご飯を食べている系のツイートは意識高いですよね。インスタとはまた別な感じで。あえてTwitterで、ちょっと高いカフェをあげる

Nくん:スタバでMacを触る延長線上みたいな、言葉にしないステータスを出そうとしてる。

Iくん:でも、そういう意識高い系の投稿をやってみたい欲求が生まれることはない?

Sくん:実は僕、めっちゃあった。話題のニュースをリツイートしたり、有名会社の社長とほぼ同時刻に同じ記事の話題を取り上げているぜ!みたいな。

一同:(笑)

Nくん:どこどこが上場した、どこどこの株価は落ちると思ったとか。本を読了した報告や賢そうな記事のシェアもそれにあたるよね。

塚岡:みんなも就活中に、そういったSNS上の自分を演じる、つくりあげるような投稿はしていた?

Iくん:時々。人事や友だちでも、誰でも見られてもいいような面白いものは「むしろ見てくれ」という気持ちで投稿していました。リツイートで友だちがテレビに出ていた話題とか。

Sくん:行きたい業界が決まっていたら、その業界に関係するニュースをリツイートしてみたり。

塚岡:人事の中でも、投稿を見て「この子、面白いな」とかそういうことを話すことはあるみたい。選考に影響させるかさせないかは別として、「この子こんな投稿してますよ、面白いですね」みたいな話で盛り上がっているらしい。

Rくん:人柄を見る感じですね。

塚岡:そうだね。どういう友だちがいるかを見たり。

Nくん:そうなると、ツイートよりも友だちとのやりとりのほうを見られていそうですよね。

Kくん:話をきいていて思ったのは、この就活時期に何にもつぶやかないことで、パーソナリティを否定されている感じもするなと。こいつビビってるな、逆に何にもつぶやいてないから、絶対に裏アカウント作ってるなんて思われていたら怖いな。

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Iさん:比較的活発なSNSアカウントがあることが、就活のスタート地点みたいになっているかも。

たとえばWeb系の業界だと、「Webに来るのにSNSのアカウント持っていないの?」って言われることもあるらしくて。IT業界に行くなら作った方がいいよって先輩に言われて作ったとか。

Rくん:僕もFacebookはそういう感じで始めたかもしれない。個人的にはTwitterで足りるけど…。なんというか、今はそんな世代なのかなって思った。

塚岡:みんなの話を聞いていると、時代とともに採用のやり方が変わったことで、一方では一人ひとりのことを多面的に見られるようになったから採用活動がしやすくなった面もあると思う。でも他方では、余計な情報を入れすぎて、有能な人を逃しているような気がしなくもないな。

SNS上の自分は「役作りした自分」

Mさん:ちょっと知りたいのは、ネットのアカウントと自分の表の精神をどのくらいリンクさせているのか?っていうことです。全く別の人間を演じる人もいれば、素をそのまま投影する人もいるし。ネットとリアルで、どのぐらい自分の心との距離感があるのかが気になる。

Iくん:難しいけれど、Facebookは比較的自分のそのまま。Twitterとかは、作った人格をイメージでやっている感じがあるかな。

Iさん:やっぱり、SNS上でのキャラは作ります

Rくん:僕も作りますね。

Tさん:私も作ります。だから、実際に会ってみると想像を違った経験が結構あります。学校の共通の友だちがフォロー候補に出てくるじゃないですか。そこからつながって、実際に会うと「あのツイートしてた人?案外普通だね」って。

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一同:(笑)

Kくん:ネット上では面白いことを言っていても、実際に会うとつまらない。

Sくん:いやあ、すっごくわかる。それこそ、意識高い系で就活しようとか呟いてる人と実際に会ってみたら、全然しゃべれないみたい人だったり。

Tさん:ハードル上げちゃうのが、逆にちょっと怖いなって思うよね。

Iくん:それはあるね。ネット弁慶みたいな感じ。

SNSの投稿がすべてではない、実際に会って評価してほしい

Kくん:ここにいる皆さんはネット達者な人たちが多いですよね。僕みたいに、SNSにあまり投稿しないっていうのがマジョリティだと思ってました。「ツイートしないとチキンだと思われるんじゃないか」という意見は、僕にとって新鮮で。 自己顕示欲を満たすために皆さんやっているんだったら、リアルで自己顕示欲を満たせばいいだけの話だから。だったらツイートしなくてもチキンだと思われないと思っていて。だから今、僕が不思議な世界にいるような感じ。

Mさん:うん、すごい共感ができる。

Iさん:たとえば、内定をもらった喜びはどこで表現するの?

Mさん:仲が良い友達にLINEで報告するぐらい。内定をもらっても絶対にTwitterなどには書かないし、逆に私が内定を取ったぐらいで、何でみんなに知らせなきゃいけないのかなって思っちゃいます。

Rくん:なるほど!そういう人もいるんですね。

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Kくん:逆に色んなことをたくさんつぶやく人がいると思うんですけど、一体何のためにつぶやいてるのかな?って。

一同:確かに。

Kくん:何でそれを人に伝えるんだろう?って考えたとき。自慢なのか、自己顕示なのか、何らかの情報提供だと思うんです。 僕の場合は、ツイートの理由が自分にとって違和感がなかったらつぶやきます。自慢するためや友だちを増やそうとする投稿が好きではないので。たくさんつぶやいている人に対して、何のためにつぶやいているのかな?と疑問を持っています。

Tさん:私は逆に、普段あまりつぶやかない人がつぶやく基準を知りたい!ほとんどつぶやかない人は、何を基準につぶやくんですか?よっぽどのことがあったんだなって思うじゃないですか。

Kくん:僕は友達に返信したり、必要最低限なことでしかつぶやかないかな。逆に作った感じのつぶやきのせいで、人から見られる自分に余計な情報があることがあまり良いと思えなくて

塚岡:Kくんは、就活中にSNS上での情報開示を全部なくしたんだってね。それはなぜ?

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Kくん:人によって物事の捉え方はさまざまだし、行きたい業界も定まっていなかったからです。イケイケのIT系ベンチャーだったら、主張の強い投稿は喜ばれると思います。でも商社や大きな会社だと、そういうやつは要らないと思われるかもしれない。その代わり「こんなに堅い本を読みました」みたいな投稿が喜ばれるのかな?とか…そういう風に考えると、あまり公の場での情報開示はしないほうがいいんじゃないかと感じたんです。

Tさん:でも、情報を出さないことで合わない会社に入ってしまったら、あとで苦しくないですか?

Kくん:そうですね。だから決まったときに困らないよう、リアルの選考には正直に臨んでいました。

Iさん:面接で素の自分を出そう、と。

Kくん:うん。SNSでは特に情報を出さなかった分、選考で自分を出したから、ミスマッチはなかったかな。だから逆に、皆さんがSNSを使って自分をアピールしていることがすごく尊敬できて。

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Mさん:私はKくんと一緒で、SNSで自分を判断しないでくれと思っているんです。私はSNSに本音を絶対に書かないので。SNSにある表面上の情報で自分を判断してほしくない、面と向かって話したいと思っていました。

Iくん:僕は考えていることが真逆のタイプでした。履歴書を書きたくないから、Facebookを見てくださいという感覚でした。

Sくん:生意気だなあ。

一同:(笑)

Iくん:だって、どうせ見ているんでしょう?パーソナリティもわかるから、履歴書じゃなくてアカウントを見てください!と言いたかったですね。

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Tさん:ちょっと話は変わりますが、私は就活でスーツ着たくなくて私服で面接に臨んでたんです。最終面接で落ちちゃったんですけど。でもスーツを着ないのが一番私らしいと思ったから、そうしたんです。

塚岡:Tさんは、スーツを着ないことで自分らしさを見てほしいと感じた。Kくんは、SNSで発信をしないことで、本来の自分をしっかり判断してほしいと思った。 一見正反対な行動のようだけど、スーツやSNSという「余計なフィルターで自身を判断してほしくない」という本質は似ている気がするな。

SNS=見られて判断される場所という認識は共通

塚岡:Kくんの話にもあったけど、みんなはやっぱりSNSを「見られている」という意識はあった?

Iさん:SNSを見られている意識はありました。大学1年生の頃から見られると思っていたので、普通のことも投稿しづらくて。行事の節目とか、サークル関連のことぐらいしか、特にFacebookには投稿できませんでした。精神的に圧迫を受けちゃって。

Tさん:履歴書にSNSアカウントを記載する企業があって、それによって見られる覚悟ができましたね。「やっぱり見られるんだな」って。

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Rくん:僕もSNSは見られるものだと思っていたので、気を使っていました。あまり見られたくないと思ったものは上げてなかったり、自分がタグづけされるのは、全て一度フィルターかけるようにしていました。あと、自分の投稿は友だちまでにしか見れない設定をつけてます。

Mさん:自分の投稿で、どういうものを見られたくないと思ってました?

Iくん:Twitterだと愚痴っぽいものとか。あとはネガティブな投稿や、自信のないギャグは鍵アカウントに。Twitterはフィルターをかけられないので、ネタ用と公用とで分けています。

塚岡:なるほど。人事は、選考がある程度まで進むとTwitterやFacebookで名前を検索することが多いみたい。中には学生のアカウントを見つけるのが得意という人もいるんだって。

Nくん:ネトスト力(ネットストーカー力)が高いような?

塚岡:そう、ネトスト力。たとえばだけど、FacebookでカスタムしたURLと、Twitterのアカウント名が同じことでアカウントを特定できたり。

一同:へえぇ!

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Nくん:もしも自分が人事だったら、やっぱり見るよね。

Mさんうん、学生のアカウントは見ますね。

Iくん:僕は逆に、人事の人の名前を検索してフォローしたり、Facebookで役員の人の投稿をたまに見たりしていたな。

塚岡:それは何のために?

Iくん:企業研究の一環に近かったです。こういう仕事をしてるんだとか、どういう考え方を持っているんだなとか、そういったところを見ていました。

Rくん:僕も同じように使っていました。自分の大学の先輩や知っている人が、行きたい会社の面接官と友だちだったらいいなとか。何てことはないんですけど、そういう小さなつながりを見つけることが楽しい感覚はあります。

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Sくん:あと、人事のアカウントから会社の人のアカウントを辿ってみたり。意外とプライベートが充実した投稿をしていたら、ここの会社良いなと思ったりしていました。人事の人がすっごく遊んでいたり。

Rくん:人事の人が楽しそうな投稿しているのはポジティブなことだよね。

Iさん:見ます。会社名を書いていなくても、友だちからたどっていくとだいたい辿りつけますよね。SNSサーフィンというか、ソーシャルストーク力で。

Nくん:さっき人事が学生アカウントを見つける時にネトスト力って言葉が出てきたけど、こうやって聞いてみると、学生側も人事とやってることは変わらないんだって感じるな!

塚岡:うん。学生から見られることを意識している人事の人もいるみたい。あえて本名のTwitterアカウントを作って、説明会で自分の名前を出す。すると学生にフォローされるから、仕事だと思われないように、でも仕事が充実しているような感じの投稿をしてみたりね。

Kくん:間違っても会社の悪口は書かないだろうし、きっと深夜まで残業しても書かない。

Iさん:私たちがキャラクターをつくっているように、人事の人もSNS上でイメージ作りをしているんですね。

塚岡:そう。学生は学生、人事は人事で、お互い化かし合ってるんだね

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一同:(笑)

人事と学生、SNSでの「化かし合い」は続いていく

今回の座談会を通して、人事と学生、どちらのリアルとSNS上の自分像にも、少なくともかい離があることが分かりました。

これだけネットが普及し生活に浸透している今日、就職活動において学生がSNS上でも評価される時代は続いていくでしょう。もちろんネット上に自分のすべてをさらす必要はありませんし、個人的にはさらすべきでないと考えています。むしろ発信するのであれば、ある程度の線引きする意識を持つべきです。「このSNSでの情報提供はこのスタンスでいこう」といった具合に、自分の中である程度決めておいた方がいいでしょう。

しかし文中にもあったように、リアルとSNS上の情報かい離が激しければ激しいほど、苦しむのは自分です。これは就活生だけに言えることではありません。ネットの世界は広く、誰に見られているか分からないのです。

「ネット上であれだけ○○な発言をしていたのに、実際に会ったら××だった」

そうならないためにも、自分の投稿を今一度見つめなおしてみてはいかがでしょうか?


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