Yelp徹底解剖 Vol.1「Yelp(イェルプ)ってなに?食べログやRettyとなにが違うんですか?」中の人に聞いてきた

2015 6.30

こんにちは、えとみほです。

みなさま、Yelp(イェルプ)をご存知でしょうか?

アメリカ人なら誰でも知ってる超有名なWebサービスなのですが、日本には丸かぶりしているサービスがないのでなかなか説明が難しいんですよね。強いて言うなら、タウンページをグーグルマップに載せて、食べログみたいにレビューを付けてSNSにしたような…感じですかね?

って、こんなざっくりした説明では絶対わからないと思うので、わたくし大胆にも聞いて参りました、”中の人”に直接。

ということで、なななんと今回はYelp Tokyoコミュニティマネージャーの中澤理香さんをkakeru編集部にお招きして、たっぷり3時間お話しをお伺いいたしました。

あまりにも話の内容が濃密なので5回に引き伸ばして分けて、お送りしたいと思います。

この特集を一通り読めばYelpのことはだいたいわかるという素晴らしい内容になっておりますので、なにとぞ最後までおつきあいのほどよろしくお願いいたします。

日本のユーザー数の伸びは世界最速

えとみほこんにちは。いつもYelpではお世話になっています!(注:えとみほはYelpヘビーユーザー、通称「Yelpエリート」なのです!←自慢です)

中澤さんこちらこそ、今日はよろしくお願いします。

えとみほまず最初に「Yelpとはなんぞや?」という質問に対して、一言でズバっとお答えいただきたいのですが。

中澤さん:そうですね、一言でいうとしたら「世界最大のローカルビジネスの口コミサイト」です。

えとみほ:世界最大ですか!?

中澤さん:そうなんです。現在世界30カ国で展開しておりまして、14200万人のユーザーがいます。

えとみほ:すごい!日本の人口より多いんですね。日本に上陸したのは、確か去年(2014年)ですよね?

中澤さん:はい、日本に進出したのは2014年の4で、最初は東京だけだったんですが、現在は大阪、京都、福岡にもコミュニティマネージャーがいるんですよ。

えとみほたった1年強で、すごいですね。

中澤さんおかげさまで、これまでに進出したどこの国よりも早いスピードでユーザー数が伸びてるんですよ。日本とは相性がいいのかもしれないですね。

Yelp Tokyoコミュニティマネージャーの中澤理香さん
Yelp Tokyoコミュニティマネージャーの中澤理香さん

レストラン以外のビジネスや個人事業主も登録可能

えとみほYelpっていうと「レストランのレビューサイト」っていうイメージなんですけども、「食べログ」や「Retty」とはけっこう違うんでしょうか?

中澤さん:はい、レストランのレビューが多いのでどうしてもそういう感じに見られがちなのですが、一番大きな違いはレストラン以外のローカルサービスのレビューも掲載できるというところです。

えとみほ:というと?

中澤さん:たとえば、クリーニング屋さんとか、車の修理工場とか、病院とか。あとは、弁護士さんや会計士さん、フリーランスの方なんかも登録ができるんですよ。

海外旅行の際にお世話になった「外貨両替所」検索。
海外旅行で使った「外貨両替所」検索。こういうニッチなサービスが検索できるのがYelpの強み。

えとみほ:え!そうなんですか。知らなかった…。じゃあえとみほもフリーライターで登録しちゃってもいいんですかね?

中澤さん:はい、住所さえあれば可能です。ちなみに、住所は基本的には番地まで入れてもらいますが、「このエリア(たとえば新宿区や千代田区)」といった形で広めにエリアを指定して登録することもできるんですよ。海外では屋台なんかもよく登録されているので。

えとみほ:へー、それはいいことを聞きました。ちなみに、えとみほが「フリーライター」で登録した場合、えとみほにレビューがついちゃったりするんですか?

中澤さん:はい、つけられます。

えとみほ:えーーーーっ、怖い!「この人は締め切りによく遅れます」とか書かれたらどうしよう…。あ、でも仕事を依頼する側としてはそういう情報が知りたいんですよね(笑)

中澤さん:そうですね(笑)

追記:ちなみにえとみほがフリーライターとして登録する場合は、Yelpエリートは継続できなくなるそうです。ビジネスオーナーもユーザーとして利用することはできますが、自分のビジネスにレビューを書くことはできません。また、ビジネスオーナーはYelpエリートにはなれません。

実名・顔出しを推奨

中澤さん二つ目の違いは、実名顔出しを推奨しているというところです。日本だとRettyさんがそうですけども。Yelpの場合はFacebookのアカウントと連動させている人が多くて、これがレビューの信頼性を増している部分は大きいと思います。

prof_elite
プロフィールページにはこのような形で写真と名前(英語表記)が表示される

えとみほ確かに口コミは「誰が言っているか」が重要ですよね。知らない人より知ってる人、匿名の人よりは実名の人のほうが信頼できますし。

中澤さん強制ではないのですが、実名・顔出しのほうが圧倒的に多いですね。ちなもに、レビューの信頼性を担保するというところは最も力を入れていて、「推薦ソフト」というのものを導入しています。

えとみほ:推薦ソフト?

中澤さん:Yelpでは、投稿されたレビューを全部同じように扱うのではなく、投稿そのものや投稿者に関連する様々な情報をもとに、おすすめできるレビューとそうでないレビューを分けて掲載しています

たとえば、これはニューヨークの一風堂のレビューページですが、現在7165件のレビューがついています。このうちの780件は「おすすめされていないレビュー」として掲載されていて、このレビューは総合評価には含まれていません。全体平均でいうと、オススメのレビューとして採用されているのは全投稿の約75%程度になります。

一風堂のレビューサイト
「オススメのレビュー」の中に「◯◯件のオススメされていないレビュー」という項目がある

えとみほ:あ、これはユーザー側としても、ビジネスオーナー側としても嬉しいシステムかも!やらせとかステマとか多いと見る気なくなっちゃいますし。ちなみにオススメされる、されないっていうのは明確な基準はあるのですか?

中澤さん:それが、このアルゴリズムについては社内でもほとんどの人は知らされてないんです。推薦ソフトについてはこちらの動画を見ていただくと概要がわかりやすいかもしれません。

中澤さんがオススメするYelpのとっておきの使い方

えとみほ:ところで私、今年の年始にニューヨークに遊びに行ったんですが、そのときYelp使ったらめちゃくちゃ便利だったんですよ。あまりにも感動して、こんなブログ書いちゃったくらい。

中澤さん:ありがとうございます(笑)。

えとみほ:なにが便利だったかというと、大きく分けて2つありまして、1つは「現在営業中のお店」を検索できること。これ、15時とか16時とか、ランチタイムでもディナータイムでもない中途半端な時間にレストラン探すときにめっちゃ便利でした。食べログとかぐるなびとかにはなんでないんだろう?って(笑)

中澤さん:そうですね、これは私も便利に使っています。

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指定した曜日・時間帯に営業しているお店だけを検索できる機能。これはめちゃめちゃ便利!

えとみほ:あとオンライン予約。私が予約したレストランはYelpのページから直接空席照会とオンライン予約ができるシステムになっていて、当日でも予約可能でした。これ、外国では本当に助かりました!電話、苦手なんです。

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日時と人数を指定して予約をオンにすると予約可能なお店がリストで表示される。

中澤さん:電話予約って、英語喋れる人でもけっこうハードル高いですよね。

えとみほ:ちなみに、中澤さんがオススメするYelpの便利な使い方ってこれ以外にもありますか?

中澤さん:うーん、そうですね、いろいろありますが私はブックマークをけっこう活用しています。

えとみほ:ブックマーク?

中澤さん:たとえば旅行に行こうと思って、ガイドブック見たりWebで下調べしたときに、現地で行きたいところをYelpでブックマークしておくんですよ。そうすると、現地に行って地図を見たときにブックマークしたところが出てくるので、効率よく観光できるんです。

えとみほ:なるほど!それは便利そう。

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地図で見ると便利なブックマーク。

中澤さん:あと面白いのはモノクル。こうやってスマホをかざすと、画面にその方角にあるお店の情報が出てくるんですよ。知らない土地で方角案内的に使うだけでなく、地元で自分が知らなかった未知の場所を見つけたり、活用方法はいろいろあると思います。

スマホをかざすとレビューのあるお店が表示される「モノクル」。
スマホをかざすとレビューのあるお店が表示される「モノクル」。

えとみほ:セカイカメラみたいなやつですね!これ、使ったことなかったですけど、面白そう。今度家の近所で使ってみます。

最大の魅力は地域コミュニティ内の交流にあり

えとみほ:ここからちょっと、個人の感想みたいになっちゃうんですけど、Yelpが一般的なクチコミサイトと決定的に違うのって、ユーザー同士のコミュニケーションがすごく活発なところかな、と思ってるんですよ。

中澤さん:そうですね、ご近所の人とか行きつけのお店が同じ人とかは、なんとなく顔と名前を覚えちゃうっていうところはありますね。そこからお友達になっちゃうっていう人も少なくないと思います。

えとみほ:まさにまさに。私もいまそうやって友達がどんどん増えていってるんですけど、だいたいよく同じお店に行く近所の人なんですよね。あと、職場が近い人とか、趣味が一緒の人とか。

自分の場合だと、サッカーのスタジアムとかスポーツバーとかによくチェックインしてる人と友達になって、実際スタジアムでお会いしたりなんてこともありました。

中澤さん:おー、それはアグレッシブですね。確かにヘビーに使ってるユーザーさんを見ていると、だいたいみなさん最初はレビューサイトとして使っているんですが、そのうちにどんどん他の人のレビュー読んでそれに感想書いたり、公式イベントに出たりして、SNS的な使い方をされる場面が増えていくイメージはあります。

えとみほ:公式イベント…!(次号に続く

>>Yelp(日本語サイト)


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