こんにちは、編集長のえとみほです。
みなさん、Ingress速報というサイトをご存知ですか?
Ingressヘビーユーザー(いわゆる「ガチ勢」)で知らない人はいないのでは?というくらい有名なIngress専用のニュースサイトなのですが、先日、なんとこのIngress速報の管理人なかぴ氏にインタビューをすることに成功いたしました!!
エージェント目線でもサイト管理者目線でもかなりいい話が聞けたので、今週来週と前後編に分けまして、今週は「忙しくても、一人でもできる人気ニュースサイトの作り方」についてお送りいたします。
これからニュースサイトを始めたい方、必見ですよ!
趣味で始めたサイトが日本一のIngressニュースサイトに
えとみほ:こんにちは〜、遅い時間にありがとうございます。
なかぴ:こんにちは、実はこういう対話形式での取材は初めてなんです。よろしくお願いします。
えとみほ:え、そうなんですか。意外ですね。実は今回お話を聞かせていただこうと思ったのは、うちの会社でIngressが流行ってまして、何かの会話のときに「あのIngress速報の中の人って何者なんやろうね?働いてる人なのかね?」「謎だよねー」というやりとりになりまして。
なかぴ:ええ(笑)
えとみほ:で、せっかくメディアも立ち上げたことだし、ダメ元で取材申し込んでみる?みたいな話になりまして。正直、断られると思っていたので受けていただいて編集部一同かなりザワついてます。
なかぴ:あー、そうなんですね。光栄です(笑)
えとみほ:ちなみに「Ingress速報」を始められたのって、いつ頃ですか?私が存在を知ったのは10月頃だったかな、と思うんですが。
なかぴ:サイトを始めたのは夏の終わりくらいです。イングレス自体はもっと前からやってたんですけど、サイト作ろうと思ったのは夏ですね。ふと思い立って、3日後?5日後?くらいにはもう立ち上げてました。
えとみほ:動きが早いですね。もともとこういう感じのキュレーションサイトみたいなものを運営されたりしてたんですか?
なかぴ:いえ、まったくの初めてです。学生の頃に、いわゆる「ホームページ」は作ったことがありましたけど。こういう本格的なのは初めてです。
えとみほ:え、そうなんですか!かなり上手に運営されてるんで、てっきりまとめサイト職人みたいな人が、アフィリエイト目的で始めたのかなって思ってました。
なかぴ:いえ、これに関しては完全に趣味ですね。去年のサイト立ち上げる直前は「寝ても冷めても」って感じでIngressを四六時中やってて。必然的にネットで調べ物をしたり、公式サイトの情報を当たったりする機会が増えて、だったらサイトにしようかなと。
えとみほ:ああ、確かに公式情報もけっこう載ってますよね。英語はもともとお得意だった?
なかぴ:いえ、ぜんぜん(笑)。でも、一生懸命英文読み込んでるうちに、少しだけ英語力はあがったと思います。
えとみほ:英語学習にも良いIngress、と。たしかにわたしも、「CF」とか「XM」とか意味わかんないから辞書ひいて調べましたもんね。もちろん辞書ひいてもわからないんですけど(笑)でも、Ingressで英語に免疫ついたっていう人私の周りでは多いです。
爆発のきっかけは「Darsana Tokyo」
えとみほ:ちなみに、アクセス数が伸びたきっかけって何かあったんでしょうか?
なかぴ:去年12月のDarsana(※)ですね。あそこからがーっとアクセスが伸びました。
Darsana Tokyoの会場風景(出典:Ingress速報)
えとみほ:ああ、ナイアンティック・ラボ(※)がやった公式イベントですね。日比谷に5,000人くらい集まったっていう。私の知人のガチ勢はほぼみんな参加してました。
※ナイアンティック・ラボ=Googleの社内ベンチャー。Ingressの開発元。
なかぴ:そうです。あのときにいろいろ、ルールに関する情報とかアフターパーティの川島さん(※)のスピーチの全文書き起こしとか、掲載しまして。
※川島さん…川島優志さん。Ingressガチ勢なら知らない人はいないナイアンティック・ラボのフロントマン。
参考:Ingress速報の「Darsana」関連記事一覧
http://ingressblog.jp/category/event/darsana/
えとみほ:あ、思い出しました!私もこれ、Twitterで流れてきたやつをリツイートした覚えがあります。これに限らないんですけど、TwitterでIngress速報の記事を非公式RTすると、インプレッション(参照数)がめちゃめちゃ上がるんですよね。それだけ独自性のある濃い情報が多いということなんじゃないかなと思うんですが。
なかぴ:そうですね、情報の濃さに関しては意識しているかもしれません。過去の記事でも、新たな情報があれば追記したり、海外の情報はより正確にするために英語ガチ勢の方に協力していただいたりしています。またこの方たちとたまにメールで行うIngress世間話も楽しいんですよね。独自性についてはそこまで意識していませんが、自分の好きにやっているといつも変な方向に行ってしまいます(笑)
えとみほ:あー、変な方向というのが結果的に独特の切り口につながっている、と。例の紐の話とか(笑)。ちなみに、バズる記事って、書いてる段階でなんとなくわかるもんですか?
なかぴ:うーん、正直話題になるかならないかはあまり気にしていません。あとになって「わ、こんなに広がってたんだ」って思うことがほとんどです。それよりも、エージェントの役に立つ情報、もしくは面白いと思ってもらえそうかどうか、というところを意識しています。
仕事とニュースサイト運営は両立できる?!
えとみほ:話はガラっと変わりますが、普段は何をされていらっしゃるんでしょう?
なかぴ:あまり素性については言いたくないんですけど…(笑)、えーと、それなりに忙しくしています。
えとみほ:これまでサイトではご自身の素性については一切触れていない?
なかぴ:はい。エージェントネームも非公開です。顔とか名前とか知られちゃうと、プレイに支障が出てくるので…。
えとみほ:え、素性を公開しない理由ってもしかしてそれですか?!
なかぴ:はい。Ingressは名前バレ、顔バレするとリアルキャプチャ(※)の可能性が出てくるので。それで家の近所で好きにバースターが打てなくなったらちょっとやだなぁと思いまして(笑)。サイトやっていく中でかなり仲良くなった人もいますけど、まだ直接会ったことはないです。
※リアルキャプチャ(リアキャプ)…プレイ中のエージェントにリアルで話しかけること。
えとみほ:徹底してますね(笑)。ちなみに、1日どのくらいプレイされるんですか?
なかぴ:外出の行き帰りは必ず。1日1〜2時間くらいだと思います。
えとみほ:それに加えてサイトの更新もあるわけですが、それも入れるとけっこうな時間かかりますよね?
なかぴ:そうですね、サイトについては今はニュースがあるたびに都度更新するという感じに落ち着いています。数日に1回のときもあれば、1日に複数回更新することもある、という感じで。
えとみほ:なるほどー。確かに、1日必ず1記事更新!とかだと続かないかもしれないですね。精神的に。私もいまkakeruの記事を毎日必ずアップするっていう至上命題があるんですが、他にもいろいろ仕事はあるので、正直しんどい日もあるんですよね…。ちなみに、1記事の更新にはどのくらい時間かけていらっしゃいますか?
なかぴ:短いと1時間かからないくらい。長いともっと、日をまたぐこともあります。間違った情報を出したくないので、曖昧なところは納得がいくまで調べます。あ、それでも間違えてしまうこともあります(笑)。
なかぴ氏に書いていただいた自画像??
多忙な社会人が人気サイトを運営するためのたった1つのルール
今回なかぴ氏に話を伺って、時間的な制約のある人がサイト運営をしていくために「これは絶対外せない」というポイントを1つ発見しました。それは、
「四六時中でもそのことを考えてしまうくらい好きなことをテーマにする」
ということ。実は私、個人ブログを今年の1月に立ち上げて、その当時は毎日更新しようと思ってたんですけど、本当にまぁ見事なほど更新できないんですよ。びっくりするくらい。時間がないとか、ネタがないとか、言い訳は無数に思いつくんですけど、なんでできないのかたった今わかりました。
テーマがぼんやりしてるんですよ。サイト名もなんのひねりもないetomiho.comですし。nakata.netかよ!みたいな。たとえばこれが、私が愛してやまない「ジェフ千葉についてのブログ」だったら、ブログを書く書かないに関係なく日々情報収集しているので、ネタに困ることはないと思うんですよね。
そういう意味では、「サッカー」よりも「Jリーグ」、「Jリーグ」よりも「ジェフ千葉」、「ジェフ千葉」よりも「谷澤達也(選手個人)」くらい焦点を絞り込んでいったほうが、更新はラクになるのだろうと思います。
絞り込みすぎるとネタがなくなるのでは?読者が減るのでは?と思われるかもしれませんが、ニッチなネタは競合も少ないもの。
今回、なかぴ氏のサイトがブレイクしたのは、競合が少ない段階で「Ingress」という比較的ニッチネタをテーマにしたこと(需要>供給だったこと)と、やはりなかぴ氏のIngressに対する愛情というか、情熱が伝わってくる内容だったことが大きかったんだろうなと、お話しを伺って強く思いました。
というわけで、後編はそんななかぴ氏のIngress愛にフォーカスして「Ingressのいったい何がそんなに人を惹きつけるのか」「Ingressをやってみたけど面白さがわからない初心者エージェントに贈るメッセージ」などをお送りしたいと思います。
では、また。えとみほでした。