こんにちは。Kakeru副編集長の三川です。
今年の5月11日、kakeruを運営している株式会社オプトとLIDDELL株式会社、THECOO株式会社は、『インフルエンサーマーケティングセミナー~インフルエンサーの影響力を味方にするマーケティング活用事例~』を開催しました。
2015年秋頃からインスタグラマーを活用したインフルエンサー施策についてのお問い合わせが増えており、需要の高まりを感じています。
同時に、企業のSNS担当者から「インスタグラマーにどう依頼したらいいのか分からない」「インスタグラマーに厳しい条件を依頼していないか心配。」という相談も受けるようになりました。
ユーザー発信のコンテンツが大きなパワーを持ち始めているなか、企業はインスタグラマーと上手に付き合っていかなければいけません。セミナーのトークセッションから上手な付き合い方を紐解いていきます。
※オプトが提供するインフルエンサー・マーケティングは、インターネット広告推進協議会(JIAA)が定めるインターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン「広告であることの明示」に準拠しています。
インスタグラマー3人のご紹介
・神尾美沙 (写真左):
・長谷川あや(写真中央):
・本多胡桃(写真右):
モデレーター:LIDDELL株式会社代表取締役・福田
インスタグラマーが“生”の写真を投稿しないワケ
福田:今回は私がモデレーターを務めます。みなさんは、自身の投稿に影響力のあるインスタグラマーですが、人気のインスタグラマーになる条件ってあるのでしょうか。
長谷川:人気のインスタグラマーは「自分らしい世界観を作り出している」人だと思います。ここにいる3人はみんなインスタグラマーですが、インスタのアカウントを見て頂いたら分かる通り、雰囲気がまったく異なります。アカウント名を見なくても、誰が投稿したのか分かります。それくらい作りこまれている。
福田:確かに3人のアカウントを見比べてみたら長谷川さんはカジュアルだし、神尾さんはクール、本多さんはキラキラした感じだね。
福田:みんな、写真を撮ったあとに画像の加工は必ずしているのでしょうか。
神尾:インスタは写真を撮ってすぐに投稿はしません。Twitterとは違います!画像を保存して、その後じっくり加工して数日後に投稿します。
本多:同じく、写真をそのまま投稿することはないです!
福田:いいロケーションを見つけて写真を撮って、そのまま投稿はだめなんですか?
全員:だめです!
神尾:もしハワイに行って最高の夕焼けを撮れたとしても、加工は絶対にします!
福田:なんででしょう?
本多:自分の世界観を作るためです。
福田:さきほど長谷川さんも言っていましたね。「自分の世界観」をどのように表現しているのでしょうか。
本多:私たちのインスタアカウントを見たら分かると思うんですけど、私たちは絶対に写真に枠をつけています。インスタの投稿一覧って3枚横並びで表示されますよね。キレイに見せるためにはどこか統一感がほしくて。長谷川さんは白抜きの枠、神尾さんはブルー色強めの雰囲気、私はピンクの枠をつけるように決めています。
福田:ほんとだ。
本多:枠のほかにも色使いだったり、フィルター、構図など様々な表現を駆使して自分の世界を作り上げています。だから、ここに加工していない「生」の写真をいれちゃうと、世界観が崩れてしまうんです。
長谷川:全然オシャレじゃないよね。自分らしくもないし。
福田:そういえば以前、弊社のプロモーションでインスタグラマーを集めて記者会見しました。
あるタレントさんを呼んで、最後に「タレントさんと一緒に写真を撮ってもいいよ」とインスタグラマーさんに呼びかけたんですね。でも、ほとんどのインスタグラマーさんがインスタにタレントさんと一緒に撮った写真を投稿しませんでした。こちらとしては投稿のネタになるからたくさん投稿されるかなと思ったんですけど…。これもみなさんのこだわりと関係しているのでしょうか?
本多:私たちのインスタアカウントにタレントさんとの写真がいきなり投稿されたら、見ている人たちは「どうした!?」って違和感を覚えてしまいます。いつもの雰囲気とは異なった投稿になってインスタの世界観が壊れると思い、投稿しませんでした。
福田:ここまでのお話を聞いたら、納得です。
神尾:TwitterとかFacebookとかブログとかだったら芸能人との写真を投稿したいと思いますけど、インスタではちょっと…。
福田:こっちはよかれと思っていたのですが、インスタグラマーの気持ちを理解できていませんでしたね。
条件ガチガチの「地獄案件」は誰も得をしない
福田:ここからはぶっちゃけトークをしましょう!企業のプロモーションとして、みなさんのインスタグラムとかTwitterに投稿してほしいという依頼がくる時があるかと思います。単刀直入に聞きますが、やりづらい依頼とかってありますか?
長谷川:先に断っておきますが、案件はなんでも嬉しいです!だけど、「この写真を絶対に使ってね」とか、「加工なしでお願いします」など条件を提示されると、どう頑張ってもその投稿だけ“嘘くさい”感じが強くなりますね。
福田:さきほどからお話している「世界観」ですね。自分の世界観を作ることが難しくなってしまう。
長谷川:私の世界観が崩れるが本当に嫌で・・・。正直、条件が厳しい依頼を受けたあとはフォロワーがめちゃくちゃ減るし、今まで見てくれた人が「やっぱりこういう投稿するんだ、フォローするのやめよう」ってなるのが悲しいです。
福田:フォロワーが減ることが恐怖なんですね。
全員:恐ろしい!恐怖です!地獄です!
長谷川:あと、必須ハッシュタグの条件が厳しい依頼も抵抗があります。商品名を英語やカタカナに表記したハッシュタグをつけるのはいいんですが、この前やったばかりの仕事でありえない必須ハッシュタグがあって…。
本多・神尾:えーなになに!!
長谷川:「これで検索する人、絶対いないでしょ」っていう作文のようなハッシュタグでした。企業が一方的に言いたいだけのハッシュタグは不自然だし、使いたくないです。
本多・神尾:たしかに!!!
長谷川:恐怖体験をしてから、依頼を引き受ける前に必ず確認するようにしています。「加工していいですか?」とか「フィルターをかけてちょっと落ち着かせた雰囲気にしていいですか?」とか。
福田:そのほうが自分のSNSでPRする時に、フォロワーにも効果はあると思いますか?
神尾:あると思います!
本多:いいね数が2、3倍違いますよね。
福田:企業の指示に従ってそのまま投稿するよりも、自分の世界観に合わせて投稿したほうがリアクションがあるんですね。
神尾:「好きなだけ加工していいですよ」と言われると、自分の世界観を通してモノやコトを発信できる、と嬉しく思いますね。本当にありがたいです。私たちのフィルターを通して情報を発信することは、私たちのようなインスタグラマーにプロモーションを依頼する魅力でもあると思いますし。
私たちをクリエイターとして見てほしい
福田:他に、企業とインスタグラマーの間にギャップがあると感じることはありますか?
神尾:イベントでよくあるのが、インスタグラム風のフォトフレーム!「このフレームの枠の中で撮ってください」というのがあって。これってインスタに投稿してタイムラインに表示されると、違和感を覚えるんですよね。
長谷川:確かにあるある!枠の中に枠みたいな、不思議な構造になる!(笑)
福田:僕もよく作ってます…。オシャレにしたほうがいいと思って、一生懸命に企画していましたが、ニーズないんですね(笑)。
本多:企業さんは無理にオシャレアイテムを作らなくていいんですよ!個人個人の趣味や世界観が違うから、むしろインスタグラマーに任せてください!
長谷川:そうそうそう。
神尾:ほとんどのインスタグラマーは、職人のような感覚でSNSを運用していますよ。クリエイターにお仕事を発注してるって思ってもらったほうがいい!
福田:あと、「#PR」のようなPR表記って抵抗がありますか?
神尾:それほどないです!
本多:むしろ、PR表記をマストにしてくださったほうがやりやすいかな!自分が絶対に行かないようなイベントに参加したり、普段使用してないような商品をいきなり「愛用中です!」って載せたりしたら、胡散臭いじゃないですか。それよりは、「#PR」って書いて投稿したほうが見ているユーザーも安心するのかなって思います!
福田:なるほど。企業はインスタグラマーのことを理解し、彼女・彼らの世界観を生かせるような内容を依頼することがいいのかもしれませんね。まずは、彼女たちを知ることがマーケティングの第一歩になるかと思います。
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インスタグラマーの3人には本音に近いトークをしていただきました!
今回のイベントレポートで企業とインスタグラマーの上手な付き合い方を発見して頂ければ嬉しいです!
※こちらのトークセッションに参加したインスタグラマーは「SPIRIT」というインフルエンサーネットワークに参加しています。SPIRITは、空いた時間にSNSを有効活用したいという個人と、SNSをつかってPRしたい企業をマッチングするサービスです。またSPIRITは、広告制作・掲載に当たって関係法令を順守するとともに、JIAA(一般社団法人インターネット広告推進協議会)のガイドラインに準拠した審査基準に則りすべての広告の制作・発信を行っています。