こんにちは。石井リナです。
今回はFacebook社にお邪魔して、10月から世界中のあらゆる規模のビジネスで利用可能になったInstagram広告や「コミュニティ」についてお話をInstagramチームの皆さまにお伺いして参りました。Instagramが大切に考えている「コミュニティ」については、こちらの記事(=Instagramのコミュニティって何ですか? コミュニティマネジャーの三島さんに聞いてきました)をご覧ください。
取材に応じて下さったのは、Instagram広告担当の小関さんです。今回の記事では、全世界展開が始まって、2ヶ月程のInstagram広告の初動の様子や、成功事例などに迫ります。
ファッション以外の業種も続々と出稿開始
リナ:Instagram広告についてのお話をお伺いしたいと思います。全世界展開がされておよそ2ヶ月が経過しましたが、概況や反響などいかがでしょうか?
小関:反響はすごく良いですね。日本では今年5月に限定的にブランディング向けの広告を始め、10月にあらゆる規模のビジネスで利用可能になりました。
リナ:Instagram広告に関しては初動も多くのニュース拝見しました。注目されているプロダクトなんだなと感じています。
小関:そうですね。広告商品としてはダイレクトレスポンス型広告やカルーセル広告が同時に追加されました。Facebookとの連携を通じた精度が高いターゲティングと、少額でも配信可能になりましたので、ようやく多くの企業さまにご提供できるソリューションになったのでは、と思っています。
リナ:業種だと、どこの業種が多いのでしょうか?
小関:Instagramというと、ファッションやビューティーなどのイメージを持たれることが多いですが、一方で日本に限らず海外も含めて、通信業界・エンターテイメント・自動車・Eコマースなどバラエティ豊かな多くの企業さまに導入頂いています。
左:広告担当 小関さん 右:コミュニティマネージャー 三島さん
リナ:私は、Facebookのターゲティングでいう「女性ターゲティングやファッションに興味関心のあるユーザー」としてターゲティングをされているようで、アパレルや占いが多く配信されているイメージがありました。(笑)
小関:そうなんですね。もちろん、Facebookに比べるとまだまだ配信量は少ないのですが、今後は更に「個人」に合った広告をご提供できるといいなと思っています。
リナ:ちなみに、現在の広告メニューは海外も同じメニューになるんでしょうか?
小関:基本的には全世界同じメニューですね。スピードとしても、新広告メニューは10月1日に全世界に同時にローンチでした。
リナ:全世界での展開から早2ヶ月が経とうとしていますが、今後Instagram広告の出稿を考えられる企業も増えると思っています。そこでInstagramに広告配信をするメリットを簡単に教えて頂きたいです!
小関:ユーザーがすごく増えていて、1年前に比べても倍以上に増えています。日本の月間アクティブユーザーは6月時点で810万人おり、若い女性にも多く使っていただいているので、その世代にリーチ出来るのが一つの大きなポイントです。
リナ:私も、企業の方にSNSで20代女性にリーチしたいというご相談を受けると、間違いなくInstagramでのプロモーションをご提案してます。
小関:ありがとうございます。あと、リサーチ会社に依頼して調査をしたのですが、他のメディアよりも企業の情報にアクティブに反応するというデータが出たんですね。写真加工や投稿だけでなく、検索やコミュニケーションなど日々アクティブに利用されていますし、企業の投稿にもアクティブに反応されやすいというサービスなので、企業がコミュニケーションの場として活用されるメリットは大きいのでは、と思ってます。
リナ:綺麗な写真や、有益な情報が発信されていると思えば、ユーザーは企業アカウントも積極的にフォローしていると思います。
広告と自社アカウントの発信は目的で使い分けを
リナ:今、広告出稿を検討して、自社の企業アカウントを開設し始めた企業も多いように感じています。
小関:企業アカウントの運用方法や広告の出稿方法としては、3パターンあるかと思っています。
- 企業アカウントを持たず、広告出稿のみ
- 企業アカウントはオーガニックに運用する
- リソースを割いて、企業アカウントを運用し、また広告も出稿する
小関:今は、企業アカウントがなくても広告出稿可能になりましたので、リソースの問題で運用が難しければ広告出稿だけでも問題ないです。
リナ:そうですね。ただ、持続的なコミュニケーションをしていくのであれば、企業アカウントは持つべきかなと思っています。
左:広告担当 小関さん 右:コミュニティマネージャー 三島さん
小関:あとはチャネルの使い分けかなと思っています。すぐにファン数を増やすのは難しいけれど、何万人、何百人にメッセージを届けたいのであれば、広告が適していると思います。逆に、すでにファンユーザー、コアユーザーにアプローチするというのであれば、自社アカウントで発信するというように上手く使い分けて頂ければと思います。
動画広告でブランド認知が6ptも上昇した事例も
リナ:広告事例も増えてきていると思うのですが、何か成功事例の様なものはありますか?
小関:そうですね。不動産ポータルの「SUUMO」さんが面白い取り組みをしていました。「私の部屋が私です。」をコンセプトに、理想の住まい・暮らしをイメージしていただけるような動画を紹介しています。3種類あって、「本好きな部屋」、「料理好きの部屋」、「サーフィン好きな部屋」を表現したクリエイティブとなっています。
動画は「サーフィン好きな部屋」のクリエイティブ
リナ:この広告、実際にInstagram上で拝見しました。やはり動画だと手が止まりますし、見入ってしまいますよね。
小関:そうですね。この広告は全てキャラクターの「スーモ」が登場しているので、「SUUMO」の広告なんだと自然に認知されやすいかなと思います。
リナ:思いっきりロゴを登場させるより、ナチュラルな表現で「インスタネイティブ」だと思います!
小関:もともとブランド力のある「SUUMO」さんだからということもあるかもしれないですが、実際、ブランドの認知度が6ポイントほど上がっているんですね。なので、ブランディングのお客様にも積極的に導入頂けるのではないかなと思っています。
Facebook広告とInstagram広告のシナジープロモーションとは?
小関:その他、面白い例として、オーストラリアのアパレルブランド「THE ICONIC」は、InstagramとFacebookを組み合わせた広告キャンペーンでブランド指標を高め、同時に売上を伸ばすことにも成功しました。
小関:広告想起は13PT上昇し、購入意向は3PT、コンバージョンは23%も上昇しました。具体的な施策としては、第1フェーズではInstagramを活用し、オーストラリアの荒々しい大自然で秋冬コレクションをまとうモデルたちの写真や動画を広告として発信しました。
リナ:コンバージョンが23%上昇って凄いですね…!その後はどうされたのでしょうか?
小関:1週間後にスタートした第2フェーズでは、個々の商品画像をFacebookのダイレクトレスポンス広告で掲載。結果、Instagramでは広告想起と購入意向、Facebook広告ではオンライン売上の拡大という効果が得られました。また、Instagram広告とFacebook広告の両方を見たオーディエンスは、Facebook広告しか見ていなかったオーディエンスより、コンバージョンが23%、購入金額が25%も高かったことが分かったんです。
リナ:凄いですね!Instagram広告がユーザーの購入意欲を掻き立てたってことが言えますよね。たとえInstagramからの流入やコンバージョンが少なかったとしても、全体的効果(アシストコンバージョンしている)が大事だと分かる事例ですね。
小関:そうですね。我々としても、Facebook社の中にInstagramチームがあるものですから、Facebookの資産は上手く活用していきたいですし、企業さまにも活用して頂きたいなと思います。連動した広告事例はこれからもどんどん増えていくのではないでしょうか。
リナ:そうですね!個人的にも楽しみです。
まとめ
Instagram広告が始まり、広告のクリエイティブや出稿事例などで、この2ヶ月間多くの記事を拝見しました。それほど注目されているプロダクトなのだと感じます。また、個人的に興味深かったのが、Facebook広告とInstagram広告の掛け合わせ事例です。Instagram広告を見た後に、Facebook広告でコンバージョンするユーザーが多かったという事例になっているので、今後はInstagram広告のアシストコンバージョンが測れる様な解析ツールの開発も、どんどん進んでいってほしいなと思います。
次回の記事では、Instagram広告のKPIはどの様に考えるのか、広告にハッシュタグは必要なのか、良いクリエイティブはどの様なものなのか、など核心に迫ってまいります。続けてチェックしてみてくださいね!
それでは、また。