こんにちは、石井リナです。
最近巷で話題のアーティスト「SANABAGUN.」(サナバガン)をご存知ですか?
「レペゼンゆとり教育、平成生まれのHIPHOPチーム」と掲げて音楽活動をする8人、それが「SANABAGUN.」です。勢いがあり尖ったキャラクターも面白いものの、音大出身のメンバーを多く擁するだけあり、曲がめちゃくちゃイケてるんです。
知らない方は、とりあえず聴いてください。
参照:
「レペゼンゆとり教育」を掲げ、今の音楽シーンに中指立てて成り上がる彼らに、音楽のことや、伝えていきたいメッセージなど、根掘り葉掘り聞いてきました。お話を伺ってきたのは高岩遼さんと沢村一平さんのお2人。
左:
平成2年8月24日生 尚美学園大学ジャズ&ポップスコース卒。在学中から都内を中心にジャズボーカリストとして活動。2012年9月 Ryo Takaiwa With His Big Band 結成。2013年2月 SANABAGUN 発足。2013年5月 The Throttle 発足。2015年7月 SWINGERZ 発足。現在三つの組織の代表を務める。平成生まれ至上稀に見る昭和顔アウトローとしてマルチに勢力を広げている。
右:
洗足学園音楽大学ジャズコース卒。 レペゼン平成ゆとり教育を掲げるヒップホップチーム「SANABAGUN」のドラム。 タイトでバネのあるビートが得意で、 他にも、iri(SMA)、岩間俊樹リッチ、BYT(BY ONE) などさまざまなアーティストのサポートドラマーとして活動中。
俺らなりの「ゆとり」の解釈で 舐めた感じでやっていきたい
リナ:こんにちは、メンバー紹介をしていただいても良いですか?
高岩遼:Voの高岩遼です。「SANABAGUN.」は、MCが岩間俊樹、Baが小杉隼太、Gtが隅垣元佐、Drが澤村一平、Saxが谷本大河、Keyが櫻打泰平、Tpが髙橋紘一の8人で構成されています。
リナ:全員平成生まれなんですよね?
高岩遼:メンバーはみんな平成元年から平成4年生まれです。俺らは平成2年生まれ。
リナ:私も平成2年なので同い年です! ところで、「SANABAGUN.」のジャンルって、ジャズベースのHIPHOPとのことなのですが、こうしたジャンルのグループって結構多いんですか?
高岩遼:最近になって、アメリカでジャズとHIPHOPのクロスオーバーが増えてきました。日本では、1世代2世代くらいの上の先輩たちはいるけど、俺ら世代はまだいなくて0に等しいです。
リナ: このような珍しいジャンルの音楽をやることに違和感はなかったのでしょうか?
高岩遼:みんなジャズメンだけど、HIPHOPが好きなんで自然な流れでしたね。
沢村一平:海外でも、でっかいシーンに出てこないだけで、掘り下げてみればいるんですよね。そういうのが好きなメンバーが集まったから、自然とこういう音楽をやるようになりました。
リナ:レペゼンゆとり教育と掲げて活動していらっしゃいますが、私は「ゆとり」って言われるのが嫌で。そういう気持ちは皆さんには無かったですか?
高岩遼:色々決めてきたのは大人なのに、お前らが(「ゆとり」と)言うのって違くない?と思ってます。それに、俺らには他の世代に負けないタフさがあるから、これがゆとりだよ、ってあえて背負っている。
沢村一平:俺らなりの「ゆとり世代」の解釈で、舐めた感じでやっていきたい。いわゆる「ゆとり」って言われるような俺らがこういう活動をしてるってことも、積極的に発信していきたいし、それが楽しいですね。
リナ:確かに、大人たちはみんな平成生まれが「草食系」で欲がないと思っていますが、そうじゃない子達もいるんだよ、というのは私も発信していきたいと思ってます。
EXILEやジャニーズに並ぶ大衆のチームへ
リナ:渋谷のストリートでもLIVE活動をされていたので、渋谷ストリート発って言われてますよね。
高岩遼:ああ、でも実際には違うんですよね。週2回のペースで3年間渋谷のストリートでLIVEしてたけど、それはライブハウスのノルマ制が馬鹿らしかったからで。音楽をするのに、大学の友達、家族、家族の友達とか、身内に来てもらって、ノルマを払って、それでどうやって食ってくんだよって。
リナ:それでストリートで見せていこうと思ったんですか?
高岩遼:そう。内輪以外を巻き込むにはストリートが良いと思ったし、8人でJazzベースのHIPHOPをやっていったら映えるかなと思って。
さぁ渋谷西口!! 今日もやりますよ
— SANABAGUN. ()
沢村一平:ミュージシャンって、学はあるけど食えないやつばっかりなんですよ。
高岩遼:上手いミュージシャンでも全然客は少なくて、稼げてなくて、でも本人たちはそれで満足してて。そういうのくだらないなと思ってます。俺たちは大衆的な存在になりたいし、金持ちになりたい。今の日本の音楽シーンに対するヘイターの集まりなんですよ。
リナ:大衆的な存在になりたいんですね。意外です!
高岩遼:EXILEやジャニーズに並ぶ大衆的なチームになりたいと思ってます。みんなひもじい生活してきたし、とにかく売れて良い飯食おうよって、そういうマインドですね。金の為にやってるって言っても過言じゃない。
リナ:私の周りにこんなにハングリー精神のある平成生まれは少ないですね。しかも思っていても公言しない子が多いから、ちゃんと公言してるのは偉いなというか……。
沢村一平:「SANABAGUN.」を作ったときに、「レペゼンゆとり」のカルチャーを作っていこうって意識や、誰かの背中を追うより、自分たちで道もカルチャーも作っていこうっていう決意があって。俺たちはその位の気概でやってます。
フォロワー数至上主義はかっこ良くない
リナ:歌詞の中にもよくSNSが出てきますよね。例えば、「blue note東京で お洒落お洒落 インスタオンパレード」という歌詞がありますが、これってdisってますか?
高岩遼:いや、元々Blue Noteで働いてて、チーフと喧嘩してバイト辞めたから、将来俺らが立ったときに水出してほしくて、それだけ(笑)
※Blue Note……ジャズライブが鑑賞できるレストラン
リナ:そうなんですね(笑) ちなみに「Facebookのいいねの数で偉そうにしてんじゃねえ」といった歌詞もありますが、これは?
高岩遼:リアルな場じゃないところで、「ぽちっ」とされた数の多さで偉そうにしてんなよっていう。フォロワー数2万とかのやつに会ってみたら、全然面白くなくて、リスペクトも出来なくて、でもそういう奴が町を風切って歩いてたりするんですよ。
リナ:そういうことありますよね。
高岩遼:ただ、今はそういう奴の方が食えてるから、歌詞としては妬みっぽくて、危ういラインだなとも自分で思っています。
沢村一平: そうだね。でも、数字だけで見たらそうだけど、フォロワー数重視とか、そういうスタンスで生きるのは、単純に格好悪いなと思います。
対外的な目は全然気にしない
リナ:あと、Youtubeの「SANABAGUN.」公式チャンネルなんかに、メンバー同士でふざけて遊んでる動画を載せていらっしゃいますが、こういうのは載せて、周りの目とか何も気にならないですか?(笑)
高岩遼:うん。全然大丈夫。
沢村一平:逆に、大人的にどこがダメですか?(笑)
リナ:いやいや、今の若い子って、お洒落ブランディングとか、見栄っ張りな子が多いと思うので、珍しくて面白いなと思って。
沢村一平:すかしすぎてる感じは、みんな好きじゃないんですよ。
高岩遼:そうだね。ただ、「今日のLIVE格好良くいきたいね」っていうときも、動画みたいにふざけすぎて反省する時はあります。
リナ:ちなみに、この宣材写真もギャグなんですよね?
高岩遼:そう。だけど全然気付いてもらえなかった。いま1番「メジャーっぽい」って誰だろうってなった時に、「3代目JSoulBrothersでしょ」ってなって、意識して撮影しました。もっと炎とか吹かせれば良かった。
リナ:(笑)もうどこまでがふざけてるのか分からなくなってきました。
高岩遼:90%ふざけてます。Jazzをすかしてやっても食えないんで。
金持ちになって いいクルマに乗る
リナ:今後「SANABAGUN.」としてなりたい姿はありますか?
高岩遼:次回のアルバム以降はもっと装備を外して、垢抜けた感じでやっていきたいと思ってます。来年には金持ちになってるはず。
沢村一平:金持ちになってたら、「SANABAGUN.」も成功してるってことだからね。
リナ:お金持ちになるのも手段だと思うんですけど、その後は何がしたいんでしょうか?
高岩遼:あー、なんだろー。なったことないから分かんないや。富と名声を手に入れて「やっぱ人間お金じゃないねー」とか「車ぶつけられちゃってー」とか言いたい。
一同:(笑)
リナ:車が欲しいのは、お金持ちや、成功の象徴だからですか?
高岩遼:そうかな。あと家とかより、ブランドもあっていやらしい感じがするからね。
沢村一平:俺ら、音楽の話じゃなくて、将来こういうこと言いたい、とかそんな話ばっかりしてますね。個人的に考える「SANABAGUN.」の将来は、各々がいろんなフィールドでプレーヤーとして活躍して、その集合体が「SANABAGUN.」だった、くらいになりたいと思っています。1年に2回くらいしか会わないとか。
リナ:確かにそれはビッグですね!今日はとても刺激的な時間でした。ありがとうございました!
さいごに
音楽がイケていて、なおかつもキャラクターも立っているので、平成代表としてお話を聞きたいと思い取材させて頂きましたが、ここまでパワーのある子たちは本当に少ないな、と思うくらい野心的で、良い意味で反骨精神があるチームでした。また、しっかりと目標を公言する姿や行動に移していく姿は、同世代として素直に尊敬すべきだなと感じました。
オトナのみなさまは、平成生まれについて、執着心もなく物欲もない世代だと思っているかも知れませんが、ハングリー精神を持ち続けているワカモノもいるし、そんな彼らのパワーが強いことをぜひ知ってほしいと思っています!同世代として、今後の活躍も期待していきたいと思います。
ちなみに個人的にオススメなのがこちら。音楽性が高く、サウンドもカッコいいですし、ギャング映画を彷彿とさせる様なミュージック・ビデオです。4月に新アルバムもリリースとのことなので、是非チェックしてみてくださいね!
参照:
それではまた!