あのInstagramアカウント、どうやって運用してるの? #インスタ運用を考える 勉強会レポート

2018 12.3

こんにちは。kakeru編集部です。

11月5日、Instagramマーケティングに長けているの3つのメディアをお招きし、「あのインスタアカウント、どうやって運用してるの?みんなで学ぶInstagram勉強会」を開催しました。

SNSが情報収集・発信の中心となった今、近年特に勢いを増している、Instagramコミュニティ。企業プロモーション、ブランディングの一環でInstagramが利用されることも増えてきています。しかし、ただアカウントを開設しても、なかなかフォロワーが増えない…、ユーザーとどのようにコミュニケーションをとっていけばいいのか分からない…というのが本音ではないでしょうか。

本イベントでは、そんなInstagram運用に長けている3社から、ユーザーから愛される運用の秘訣をお伺いしました。

登壇メディア・登壇者のご紹介

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■NEXTWEEKEND /
「季節の楽しみと小さな工夫」をコンセプトに、理想のライフスタイルを提案するメディア型プロデュースチーム。 ウェブサイト・SNS・雑誌・イベント・ECサイトなど様々なメディアを複合的に活用しながら、ユーザーコミュニティを軸としたコンテンツづくりを行っている。代表的なハッシュタグ #週末野心 の投稿は11万件超。

川島文乃/ 営業マネージャー・広報(写真右)
2013年、「(アットコスメ)」を展開する株式会社アイスタイルに入社。企画営業としてコスメを中心とした女性ターゲット商材とのタイアップ企画を数多く手がける。2016年、株式会社ガルテン入社。メディアブランド「NEXTWEEKEND」の企画営業・広報を担当。最近はTwitterアカウントでの情報発信に力を入れている。

■cocorone /
cocoroneは、「日常にある、素敵な瞬間を切り取る」をコンセプトに、明日の朝が楽しみになるようなInstagramマガジンです。朝食、うつわ、お花、手土産、豆知識など、暮らしを彩る情報をお届けします。

とみこ/ 編集長(写真中央左)
Instagramメディア「cocorone」の編集長。東京生まれSNS育ち、フリーランスの“SNSデザイナー”としても活動しており、SNSのフォロワー数は累計3万人。SNSマーケティング、写真のコツ、テーブルフォトの作り方、東京グルメなどを発信しています。

■ムクリ /
毎日のおうち時間を少しでも楽しく。
「住まい」「インテリア」「整理収納」「お掃除」など、日常にあるちょっとした課題を実体験をもとに丁寧にお届け。「わからない、から、理解し、そして#暮らしを楽しむ」へ。暮らしに寄り添うメディア「ムクリ」。
アカウント開設10カ月で10万フォロワー到達(ノンプロモーション)

山本尚志/編集長(写真中央右)
Instagramメディア【ムクリ()】編集長。現在会社設立準備中。3年前に地元松本へ帰省し注文住宅を建てたことを機に主婦業にハマる。毎日こそうじと週末料理(#暮らしを楽しむ)。二児のパパであり、インスタおじさん。リモートで事業開発中。

■kakeru /
ソーシャルメディアと”なにか”をかけ合わせて、新しい価値や体験を創造するプラットフォーム。女子高生にインタビューしたり、企業のSNS担当者に取材したり、リアルな情報をWebメディアにて発信している。

鵜ノ澤直美 / 本イベント モデレーター(写真左)
新卒でオプトへ入社し、様々な企業のSNS活用支援に従事。現在はInstagramマーケティングを中心に担当。オプトのオウンドメディア「kakeru」のライターとしても活動しており、若年層のSNSの使い方や、スマホ撮影術の記事を執筆。

 

なぜ、暮らしやライフスタイルにフォーカスしているのか?

cocoroneとみこ:cocoroneを運営している会社が名古屋にあるのですが、地方には素敵なコンテンツがあるのに世に出ていないという点に気づいたことがきっかけですね。より多くの人に知ってもらいたいと思いました。おばあちゃんの知恵を現代風にアップデートした情報を発信しています。

ムクリ山本:ムクリは、僕自身の原体験がきっかけですね。家事・炊事は元々好きで結構やっていたのですが、地元にUターンしてからさらにやるようになりました。ですが、収納、掃除、インテリアといった情報はニーズがあるのに、ネットで調べてもなかなか自分が納得のいく情報が出てこなかったんです。だから自分で始めようと思いました。

NEXTWEEKEND川島:NEXTWEEKENDは、直訳すると「次の週末」を意味しますが、単純に週末の過ごし方の情報だけを発信しているのではありません。誰もが心の中に秘めている小さな野心を「次の週末」に叶えるための後押しとなるような提案をしています。「次の週末あれを叶えよう」という 野心を持った人たちが増えれば、その人の毎日がちょっと豊かになるだけでなく、周囲の人や、社会にいい影響が与えられるのではないか、と思っています。

 

ぶっちゃけ、運用方針とKPIどうしてる?

kakeru鵜ノ澤:3社のInstagramの運用方針やKPIはどうしていますか?途中から運用の仕方を変えることもあったのでしょうか。

ムクリ山本:ムクリの運用方針は、初期からぶれていません。「この投稿で本当に暮らしがよくなるのか?」に重点を置くようにしています。その中でも大事にしていることが3つあって、 「誠実に・丁寧に・納得のいく情報だけ」を届けるようにしています。KPIは、Instagramのインサイトで確認が出来る数値以外は追っていません。

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cocoroneとみこ:cocoroneは途中から方針を変えました。当初は「明日の朝が楽しみになるような情報を届ける」という方針だったのですが、それだと内容が多岐に渡りすぎて途中から軸がぶれてしまって。その後、「テーブルから半径5m以内のライフスタイル」をキーワードに決めてからは統一性が出るようになりました。

KPIは保存数とフォロワーの転換率を見ています。保存数が多くなるとExploreページに出やすくなるという仮説があり、転換率は保存してくれたユーザーがフォローしてくれるかどうかという点で見ています。

NEXTWEEKEND川島:NEXTWEEKENDは「季節のたのしみと小さな工夫」というコンセプトに則り、投稿コンテンツを作る際は、季節感やストーリー性を持たせることを心掛けています。

KPIを強いて挙げるなら、私たちの提案がちゃんとユーザーに届いているのかを重視し、ハッシュタグ(=共通言語)で追っています。ハッシュタグで同じ価値観を持ったユーザー同士が繋がり、投稿が活性化され、さらに私たちがそのユーザーの投稿を拾って新しいコンテンツを作る。循環型のマーケティングを意識して運営することで、コミュニティとして拡大させています。

ビジュアルで世界観を統一するためにやっていることは?

kakeru鵜ノ澤:Instagramといえば、ビジュアルが大事だと思いますが、投稿するコンテンツに統一性を持たせるために行っている工夫をお聞きしたいです。これまでもっともユーザーの反応がよかった投稿はどれですか?

cocoroneとみこ:クリームソーダの作り方の投稿ですね。この投稿の効果として、一気にフォロワーが800人増えました。ハッシュタグからの流入も多いのですが、オリジナルのハッシュタグ・ビッグキーワード・ニッチなキーワードを散りばめるようにしている効果だと思います。

あとは投稿の写真に手書き加工を施すようになったのですが、フィード投稿上での滞在時間が増えてInstagramに良いコンテンツと認識されるようです。

▼クリームソーダ投稿のインサイト

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kakeru鵜ノ澤:cocoroneらしさを作るにはどんな工夫してきましたか?

cocoroneとみこ:投稿コンテンツになる写真そのもののクオリティを高めることや、もっと次の写真を見たくなる仕掛けをつくるためにスワイプボタンをつけるなどの工夫をしています。

kakeru鵜ノ澤:cocoroneはInstagram投稿用の写真を活用してTwitterに投稿されていますが、写真の選び方はどうしていますか?

cocoroneとみこ:TwitterからInstagramの流入に繋がるように、カルーセル投稿の全部の画像を見せないのがコツですね。カルーセル投稿の表紙写真をTwitterに載せて「続きが見たい!」と思ってもらえるように工夫しています。

フォロワーってどうしたら増える?

kakeru鵜ノ澤:ムクリさんは10カ月で10万フォロワー増えたんですよね。どうして短期間でフォロワーが急増したのでしょうか。

ムクリ山本:意識しているのは大きく4つあります。

1つ目は、暮らしの課題解決(掃除、整理整頓)の軸をぶらさないことです。やはり明確な軸を持って運用することは絶対条件だと思います。

2つ目は、アルゴリズムの理解です。3日に1回でもユーザーの動向をチェックすることが大事だと思います。Iconosquareというツールを使って見てます。

3つ目は、Instagram LIVEの活用ですね。これが一番効果が大きかったかもしれません。毎月不定期に日本各地のお宅訪問をしているのですが、これをアカウントを非公開にしてライブで配信しています。はじめはプライバシーの配慮としてやっていましたが、フォローしていないとライブ配信は見れないので、結果としてフォロワーが増えましたね。

月間2万人ずつくらい増えて、解除されることもなく継続してフォローしてくれる人が多い印象です。非公開にすることで、本当に関心の高い熱量のある人だけが見に来てくれるので、配信中のコメント欄も平和なものになるんですよね。公開アカウントにしていると海外ユーザーが流れ込んで、的外れなコメントが増えてしまうんですよ。そうすると一気に場の空気が萎えてしまいます。

4つ目は、SEMとSEOの掛け合わせです。SEMは、ハッシュタグと投稿する時間ですね。SEOは、キャプションにどうタグ付けしてもらえるか、です。ムクリはインスタグラマーさんのコラムをフィード投稿で紹介するときに、かなり情熱をもって紹介しています。そうすると、ムクリのフォロワーがインスタグラマーさんのアカウントを訪ねたり、インスタグラマーのフォロワーさんもムクリを見に来てくれたりする、こうしてファン同士が循環していくんですね。

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ハッシュタグってどうやって決めるの?

kakeru鵜ノ澤:次はハッシュタグの決め方についてお聞かせください。ハッシュタグには、流入を増やすためのハッシュタグと、自己ブランディングのためのハッシュタグの2パターンがあると思いますが、皆さんはどのように決めていますか?

NEXTWEEKEND川島:たとえば、毎月の月間テーマは、社員全員でアイディア出しをして、半年分を一気に決めています。ハッシュタグはつける人の価値観を表現するものだと思っているので、生活に落とし込みやすいことは勿論、つけて恥ずかしくないものにすることを心がけています。キラキラしすぎていたり、ベクトルが自分に向きすぎてるものは使われづらいかもしれません。

このようなことを意識した上で、“NEXTWEEKENDらしい”ワーディングを追求しています。代表的な「」は、「野心」というちょっと古風で固いワードに柔らかく楽しいイメージの「週末」を組み合わせることで、価値観として絶妙な距離感を表現しています。プロモーションの場合は、目的にもよりますが、社名や商品名を全力で押し出さないのもポイントだと思います。

そもそもInstagramは公式の商品ページと違って、商品の詳しいスペックを調べるメディアではないですよね。Instagramでは、「その商品をどう使って生活を楽しくできるか」という情報をいかに提案できるかが重要だと思っています。企業やブランドも、ハッシュタグを通じてコミュニティを作ることでファンとより深いコミュニケーションができると考えているので、タイアップ企画の際もその観点で企画・ワーディングし、ご提案しています。

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kakeru鵜ノ澤:オフィシャルハッシュタグを制定したあと、ハッシュタグの投稿をどうやって増やしていますか?

NEXTWEEKEND川島:まず、そのハッシュタグの示す世界観はこういうことだ、とお手本が必要だと思うんですよね。だから社員がまず積極的に投稿するのは勿論、コンテンツパートナーであるユーザー組織「Weekender編集部」にいち早く共有し、はじめの盛り上げを一緒に行ないます。あとはWeb記事などInstagram以外でもハッシュタグの使い方を提案することも大切ですね。

ファンコミュニティづくり、なにから始めたらいいの?

kakeru鵜ノ澤:重要なのはファンのコミュニティ作り、というのはみなさん同じだと思うのですが、そのためには何から始めればよいのでしょうか。

cocoroneとみこ:cocoroneには現在97名のインスタグラマーの方にご協力いただいています。今後はさらなるコミュニティの強化をはかりたいなと思っています。逆にお二方に聞きたいのですが、何かコツはありますか?

ムクリ山本:ひとつは、さきほどお話したライブ配信の活用ですね。もうひとつは、20数名のインスタグラマーの方々に書いていただいているコラム。その中でも、一番大事にしているのは、コミュニケーションをしっかりとることです。インスタグラマーにご依頼するときのDMはラブレターのように熱を込めて送っています。なぜあなたを選んだのか、どこが好きなのかを具体的に書いて、テンプレのメッセージにならないようにしているんです。そうすればお互いにハッピーですよね。こうして熱量のあるムクリファミリーを形成できているんじゃないかなと思っています。

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NEXTWEEKEND川島:共感を呼ぶコンセプトを示すことが大切だと思います。似た価値観の人同士が繋がっているWeekender編集部のメンバーは、自分のプロフィールに「Weekender(編集部)」って書いてくれる人が多くて、コミュニティに属していることに誇りを持ってもらえてる、というのが嬉しいですね。

運営にはFacebookグループを使っています。Facebookは実名で透明性のあるSNSなので、お互いにどんな人たちがいるのか分かるのが利点です。グループ内で日々メンバーとコミュニケーションをとりながら、メディアにとって重要なコンテンツも皆と一緒に作り上げることを大事にしています。

1人体制or複数体制?チームメンバーの役割が知りたい

kakeru鵜ノ澤:みなさん、アカウントの運用はどのような体制で運用されていますか?メディアによって様々だと思いますのでぜひお聞かせください!

cocoroneとみこ:4人くらいでフルリモートで運用しています。また、ひとつの投稿に5つの工程を踏んでいます。

1.テーマ決め 3人で1か月分まとめてピックアップ

2.素材集め Instagramの投稿をみて使わせてもらう、またはLINE@で募集をかける

3.デザイン 投稿に手書き文字をいれる

4.キャプションを考える

5.ハッシュタグをつける

といった流れですね。

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kakeru鵜ノ澤:人数が多いと修正が発生した場合、大変だと思いますがどうしていますか。

cocoroneとみこ:私たちは、Trello(トレロ)というツールを使って進行管理とアイディアの共有をしていますね。共有する手間が省けて楽です。投稿の素材取集待ち→素材確定・タイトル設定待ち→デザイン完成待ち→テキスト作成待ち、という流れです。思いついたときにトレンドのアイディアを追加するようにしています。

投稿に関しては、担当者がひとりいて、その子が手動で毎朝8時に投稿してくれていますね。

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kakeru鵜ノ澤:NEXTWEEKENDさんはかなり投稿頻度が多いと思うのですが、アイディアが被ってしまうことはないのですか。

NEXTWEEKEND川島:Instagramは基本的に一人の担当が手動で日々更新しています。TwitterやFacebookはHootsuiteで一週間投稿を予約しています。どうしてもリアルタイムで投稿をしないといけない場合は、担当が張り付いて更新しています。

ムクリ山本:僕は写真の加工からテキスト作成、投稿まで全部ひとりでやってますね。エモいキャプションを書いてるのも、ストーリーズも基本僕です。なのでぜひ担当の編集者が欲しいなと思っています。

2019年はどんな施策を考え中?

kakeru鵜ノ澤:来年はどんな施策を考えているのかぜひ教えてください。

NEXTWEEKEND川島:私たちと一緒に歳を重ねているユーザーのライフステージに合わせて、ママ向けのコンテンツを作りたいと思っています。イベントでお会いすると、出産しててママになっている方が多くて、ニーズがどんどん高まっていることを感じています。あとは2020年のオリンピックも見据えて、外苑前にあるオフィスのキッチンスペースにコーヒースタンドを出したいと思っています。

ムクリ山本:法人化へむけて準備中です。いまいろいろと仕込んでおりますので、今日はまだ多くは言えないです(笑)。

cocoroneとみこ:来月Webメディアをローンチします。動画のコンテンツを増やしていけたらいいなと思っていますね。美濃加茂の器メーカーさんとコラボして商品企画なんかも予定しています。

イベントを終えて

トークセッションでは語ることのできなかったお話をラジオで配信してます。アンケートでご質問いただいた「マネタイズする方法とは?」「運用の秘けつ5箇条とは?」など、赤裸々にお話していますのでぜひ聞いてみてくださいね。

◎インスタ運用を考える アフタートーク

Instagramを活用している3社の意見が聞けた今回のイベント。

3社とも暮らし・ライフスタイルに特化していましたが、今後ますます増えていくことが予想されます。

もうすでにInstagram上で暮らし・ライフスタイル系のアカウント多いのでは?というご意見をいただきそうですが、ラジオトークで同ジャンルの新興アカウントとして「hyphen_mag」をご紹介しました。

このように写真とデザインのクオリティが高く、雑誌のように読ませるコンテンツが好まれる時代になりつつあります。

本セミナーでも話題に挙がっていましたが、メディアを続けていくうえで何より大事なのは「コンセプトづくり」です。

コンセプトの軸をぶらさず、やりつづければ少しずつ芽がでていくことでしょう。

楽しみながら取り組んでみてくださいね。

さて、kakeruでは #インスタ運用を考える 勉強会の第二弾を企画中です。

「こんなことが知りたい」「これってどうしてる?」などのお悩みをお持ちの方は、してみてくださいね。

次の勉強会のテーマとして取り上げさせていただくかもしれません。

それでは、また。

 

ライター:

編集:

カメラ:

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◎Twitterグラレコ枠抜粋

・ゆぴ(17)@新R25のプロ17歳クリエイターさん()


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