こんにちは。石井リナです。
好きな映画に、「プラダを着た悪魔」を挙げる女の子は多いのではないでしょうか。私も「プラダを着た悪魔」の世界を夢見ましたし、「キャリアウーマンってかっこいい!」と、かなり影響を受けました。
そして、今回取り上げる「マイ・インターン」は、「プラダを着た悪魔」の続編とも言われいます。もちろん私もばっちり映画を見たのですが、ファッションが好きで、バリバリ働くキャリアウーマンにはきっと何か響くもののある映画だと思います。
先日、Pinterest Japan社のこのようなツイートを発見しました。
話題の映画「マイ・インターン」は、実は Pinterest を使って製作されました!ナンシー・マイヤーズ監督が実際に作成し、「アン・ハサウェイ」も参考にした貴重なボードを是非ご覧下さい。
— Pinterest Japan ()
この件についてぜひお話をお聞きしたいと思い、Pinterest Japanさんの方にインタビューをさせて頂きました。 そもそもPinterestは、「世界中の素敵なアイデアを集め、それらを整理するサービス」と定義されているそうです。好きなようにボードを作成したあと、そのボードに合う写真を、Pinterest上やインターネット上で次々とPinしながら集めることができます。 こちらは私のPinterestアカウントです。私はファッションのイメージや、好きなファッションアイコンなどのボードを作り、多くの画像を自分のボードにPinして保存しています。
ボードの一例ですが、今年の春夏から流行している「70s」スタイルを集めたボードです。
気に入った写真を集めて楽しむPinterestですが、映画「マイ・インターン」においてどう活用されたのか、制作の裏側をPinterest Japanの中島歩さんにお聞きしました。
登場人物や内装のイメージを、監督自ら制作スタッフに共有
リナ:こんにちは!先日のツイートを見て非常に驚きました。Pinterestを使って映画制作を行うなんて、すごく先進的ですよね。
中島:映画「ホリデイ」や「恋愛適齢期」を撮られているナンシー・メイヤー監督が元々Pinterestをすごく気に入って使ってくれていたんです。今回の映画を作成するにあたっても、Pinterestを使用して、映画の登場人物のファッションやライフスタイルを整理し、それをスタッフにもシェアしているんですよね。
リナ:確かに頭の中にぼんやりあることをビジュアルで可視化するときに、Pinterestって最適ですよね。私も好きでよく使ってます!
中島:ちなみに、ナンシーメイヤー監督のオフィシャルアカウントは Meyersというアカウントなんですが、これは映画用に作られたアカウントです。映画を見られた方や、まだご覧になられていない方も、是非このボードを見て楽しんでほしいです。
リナ:私はもう映画を見たんですが、改めてこのボードを見ても確かにこんなシーンあったなとか、本当にこういうファッションしてたな、ともう一度楽しめると思いました!
中島:そうなんですよ。例えば、「アン・ハサウェイ」が演じる主人公「JULES」(ジュールズ)のボードですね。ファッション系のPinの中には、劇中で着ていたボーダーアイテムや白っぽいスカートあったりします。すごくハイエンドな感じではないんですけど、さらっとおしゃれにビジネス・カジュアルな感じを着こなしてますよね。
リナ:劇中でも、ECショップのCEOという役柄だけあり、さらっとお洒落上級者な雰囲気が漂ってました。
中島:劇中の衣装は、大人気ドラマシリーズ「SEX & THE CITY2」のメンバーが担当したんですよ。
リナ:それはお洒落なのも納得ですね!
中島:例えば、「Jules」のボードにPinされていたのが、こちらのスタイリングです。
中島:そして、実際に劇中に出てくるスタイリングがこちら。忠実に再現されていますよね。
中島:他にも赤いワンピースがPinされているのですが、劇中にも似たようがスタイリングが登場します。
リナ:「Jules」にこういうファッションをしてほしかったんだろうな、というのが伝わりますね。
中島:そうですね。あと、俳優の「ロバート・デ・ニーロ」がインターン役なのですが、彼の役が「BEN」(ベン)です。「BEN」ボードにpinされているのが下記の様なアイテムやイメージなのですが、彼の雰囲気や生活を忠実に表現していたと思います。
リナ:映画の中でまさしくこの様な彼の部屋が登場しますよね。映画を見た方なら、ボードを見ても納得できるのではないでしょうか。
中島:そうですね。それから、「MATT」(マット)は「Jules」の旦那さんのボードです。
リナ:育メンぶりが伺えるような、子供との写真が多いですね!
中島:あと「PAIGE」(ペイジ)は「Jules」の娘のボードです。
リナ:ボードを見ているだけで、どんな子供の設定にしたいのか伝わってきますね。アイテムから、少しおてんばな感じも伺えます。
中島:それから、ATF(About The Fit)というのが、「Jules」が劇中で立ち上げたECショップの会社名なのですが、オフィスの内装がメインのボードとなっています。
リナ:劇中のシーンともそっくりですよね。内装以外にもファッションや風景が出てきて、こういう空間にしたいんだなっていうのが伝わります。
中島:例えば、「ATF」のボードにはこのような写真が集められているのですが、
中島:劇中ではこのように再現されています。どのスペースもガラス張りになっていて、開放感がある雰囲気に仕上がっているんです。
参照:http://www.mydomaine.com/the-intern-set-design/slide9
リナ:Pinterestなら、ファッションだけでなく、インテリアなどのシェアもしやすそうですね。
中島:そう思います。あと、ジュールズが住む家についても、Pinterestが活用されていることが分かるかと思います。ボードにはこの様な写真がPinされています。
リナ:実際の「Jules」のキッチンがこちらですね。確かに、上手に再現されている印象です。
参照:http://www.fashion-headline.com/article/img/2015/09/13/12267/139220.html
Pinterestは、新たな自分の嗜好も発見できる
リナ:今まで見せていただいたボードを、内装デザインのメンバーに共有して、セットを作っていったということですよね?
中島:そうですね。Pinterestはコミュニケーションツールとして使えるので、こういう風にしたいっていうのが伝わりやすいと思います。実はPinterest Japanのオフィスも、社員と建築家が一緒にグループボードを作り、理想のイメージをPin していき、オフィスを作り上げていきました。
リナ:自社でも実践されていたんですね!凄いです。
中島:ありがとうございます。
リナ:ちなみに、このアカウントって、主人公の「アン・ハサウェイ」さんも見ていらしたんですか?
中島:共有していたと思います。役作りの時の話し合いの中で、Pinterestを思い出して、実際の役作りの助けになったという話もあったので。
リナ:そうなんですね。ビジュアルで伝えると、イメージの違いがなくてスムーズですよね。
中島:あとはやっぱり世界観ですよね。イメージといっても、1つの画像で伝えるのは難しいのですが、Pinterestではボード全体で世界観を伝えられるのも良さの一つだと思います。なので、「ATF」のボードも、内装の画像だけではなく人がいたり、「Jules」のボードも子供がいたり、ライフスタイルが想像できるイメージがPinされています。Pinterestは、世界観を伝達するツールとしても最適だと思います。
リナ:それから、Pinterestの良いところって、新しい自分の嗜好が発見できるところだと思います!Pinしながら、「実は私こんなファッションが好きだったんだ」って気付いたり、知らないうちに似たような色のアイテムばかりPinしていることに気付いたりします。
中島:そうなんですよ。私もビジネスカジュアルってボード作ってるんですけど、Pinしていくうちに、「あぁ私グレーのアイテムが好きなんだな」気付きました。しかも、下部に関連Pinが表示されるので、そこからまたグレーのアイテムのPinがどんどん増えていくんですよね。(笑)
リナ:すごく分かります。
中島:結構ハマると、気づいたら1時間経っていたりしますよね。きのうも夜中に「ベッドルーム」っていうボードを作ってて、なかなか寝れなかったんですよね。
リナ:結構熱中しますよね。女の子が雑誌の切り抜きを作る感覚にとても近いんですよね。好きなものを集めていく感じが似てると思います。それがすごく気持ちいいし、満たされる感じがあります(笑)
社員はたった5名でも、リアルイベントにおける理解促進は大切にしている
リナ:「マイ・インターン」の放映を祝して、試写会などもなさってましたよね。反響は良かったですか?
中島:フード等が充実していたこともあり、ブログやインスタグラムなどに写真を上げてくださる方は結構多かったですね!
リナ:画像を拝見したのですが、フードのクオリティがかなり高くてさすがだなと思いました!(笑)
中島:下のPinとかは監督のボードから持ってきたものなのですが、インスピレーション受けて、フードでも再現しています。
リナ:真ん中のものですね。凄いです!
中島:それから、このフード全体でPinterestのボードを表してるんですよ!気付きました?
リナ:ほんとですね!フードがとてもお洒落で、ユーザーからするとたくさん写真を撮ってしまうイベントですね。(笑)イベントは慣れていらっしゃるのかなという印象を受けたのですが、イベントは頻繁に開催されているんですか?
中島:えーとですね。実は、社員が5人なんですよ。なので、やりたいんですけどやっぱり頻繁にはできないですね。>でも、私たちはコミュニティを大事にしているので、各コミュニティと接せる機会があれば、積極的にリアルイベントは開催していますね。
リナ:コミュニティとは、一体どういったコミュニティなんでしょうか?
中島:いろいろなコミュニティがあるんですけど、たとえば、この前は、HISさんとイベントをやりました。トラベルブロガーの方たちを集めて、Pinterestを理解してもらったりとか。「マイ・インターン」の場合は、ファッション×キャリアウーマンコミュニティの中でのインフルエンサーを招待してイベントを実施しましたね。オフラインでやることでサービスの理解度もあがりやすいので、実際に体験してもらうことを重要視してイベントは開催しています。
リナ:そうなんですね。
中島:理解してもらうって点でいくと、今、Instagramが流行っていると思うんですけど、そのマインドセットでPinterestもできると思われている方が多いんですよね。でも、実際にはPinterestとInstagramは目的も使い方も違うので、そのことをきちんとアプローチできるのはリアルイベントの良いところだと思っています。
リナ:Pinterest好きなので、今日はとても面白かったです!本当にありがとうございました!
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私がPinterestを使って思うことは、「発見」と「気持ちよさ」があるサービスだということです。
以前より好きで使っていたのですが、自分の頭の中を、ビジュアルを通して整理することが出来るので、自分の新たな嗜好を「発見」することができますし、明確化していくのですっきりとする「気持ちよさ」があります。
まだ私の年代で、使いこなしている人は多くはないイメージですが、雑誌の切り抜きをしていたような女の子なら、すぐにでもハマることのできるサービスだと思っています。
また、Pinterestは自分用として使うというイメージを抱かれやすいですが、今回の映画「マイ・インターン」のように、チームやプロジェクトでビジネス活用することが十分できるツールだとも思います。
例えば「赤い花」といっても人それぞれ、赤や花のイメージが違うように、「こんなイメージ」の「赤い花」というのを共有ボードでシェアすることができます。
テキストで伝えるより、ビジュアルで伝えた方が早かったり、理解が深いことも多々あると思います。
そうした際には、是非ビジネスなどのシーンでも利用してほしいと思います。
他にもPinterestの活用事例や、Pinterest用語など面白いお話が聞けたので、また後日記事を公開いたしますね。そちらも是非お楽しみに! それではまた。