10代に刺さるSNS運用とは?若者代表の紗蘭&mimmamに聞いた5つの攻略法

2016 7.9

はじめまして。kakeru編集部に加入した江頭菜保子(えがしらなおこ)です。

今話題の「18歳選挙権」。
「若者」と「政治」の組み合わせに距離を感じてしまう方もいるかと思います。

実は、各政党や立候補者たちがその「距離」を埋めようとTwitterやInstagram、FacebookなどのSNSを活用していることをご存じですか?

しかし、本当にちゃんと若者に情報が届けられているのでしょうか?

どの政党や候補者に投票すべきかわからない若者

NHK ONLINEが実施した18歳選挙に関する世論調査によると、 18歳の約60%が「投票に行く」と回答しています。     

    選挙に行く割合① 

 

一方で、次の図からも分かるように、全体の約半数もの人が選挙に対して不安を抱いているそうです。また、その理由としては主に2つあります。

senkyoikanairiyu

  • 政治について良く分からない(36%)
  • どの政党や候補者に投票すべきか分からない(30%)

どうやら、選挙に関する情報はSNSを含めて多くのメディアから発信されているものの、若者にはその情報が届いていないという問題があるようです。

選挙に興味がある若者が一定数存在している中、情報をしっかりと届けられていないのは残念なことですよね。

そこで!

10~20代の若者に政策や活動など候補者の情報をより効率よく届けるためのSNS運用のコツをお教えします!

紗蘭&mimmamに「若者にヒットするSNS運用の攻略法」を聞いてみた

政党や候補者がSNSを運用するコツを聞いたのは…

10代20代のカリスマ的存在であるmimmamさんと紗蘭さん!

民進党の山尾志桜里議員と、LINE LIVEで18歳選挙についての対談番組に出演していた彼女たちなら、何かヒントをくれるかもしれません。

紗蘭さんとmimmamさんのプロフィールはこちら

紗蘭

紗蘭(さら)

1997 / 11 / 29
さらっちの愛称で知られる日本×フランス×モロッコのハーフモデル。原宿系知名度No.1モデル
209,571フォロワー
167k 

 

mimmam

mimmam (みむまむ)

1993 / 12 / 7 
姉mamと妹mimのリアル双子ユニット。2013年8月デビュー。
デビュー初月に祥伝社Zipperと専属モデル契約を結ぶ。
アーティストデビューも果たしネット上で『可愛すぎる双子』として注目を浴びる最もホットな双子モデル。
mim   204,611フォロワー
mim 98K
mam   171,039フォロワー
mam 84K

それでは、インタビューに移りたいと思います!

江頭(以下、えが): はじめまして!kakeru編集部の江頭です。今日は、18歳にも選挙権が認められて初めての参院選を目前に、若者が選挙に関心を持つためのアプローチについて伺いたいと思います。

ぶっちゃけ、SNSってありだと思いますか?

 ①

紗蘭さん(以下、紗蘭):SNSはありですよね。

mamさん(以下、mam):アツいと思います。アメリカとか海外では、もうテレビよりもネットが主流の社会になってるじゃないですか。日本はまだテレビとか新聞に依存してるけど、もっとネットでやれることってたくさんあると思うんですよ。そもそも、SNSでの情報発信をもっと広げていくべきだなと思います。

えが:各政党の広報の方も、若者がよく使うSNSを活用した方が、お互いに情報を得たり発信したりできそうですね。

mimさん(以下、mim):そうですね。もうちょっと気軽に政治を知れるきっかけになるんじゃないですかね。

mam:自分が身近に使ってるもので知れたら、それが一番いいので。

<攻略法 其の一>プロフィール写真、カバー画像、説明文は工夫して作成・選定すべし!

 ②

えが:各政党のアカウントを見た第一印象はどうですか?たとえばこちらのアカウントは?

mam:色がすごい…色の背景画像って確かに真面目な感じは出るんですよ。ただ、やる気を感じない…

mim :情熱というかパッションがないよね(笑)。

mam:青ってけっこう暗い色だし、ネガティブイメージのある色なので。落ち着いてはいるけど。もうちょっと明るい色を使った方が目を引きやすいのかなと思います。すごく堅く感じちゃうんですよ。

えが:色によって印象が大分違いますね。こっちのアカウントはどうですか?

mam:同じ青でも、これは爽やか。さっきのと比べて色味が明るいですね。彩度も高いし。

えが:彩度も関係してくるんですか?

mam: 鮮やかな方がいいかな。あんまり暗い色味を使ってるより。

mim :日本の若い子って、鮮やかな色が好きだからね。

mam: 大好き。

紗蘭:どの党にも共通して思ったんですけど、全部のアカウントにすでに公式マーク(※編注:twitter側が団体や著名人の公式アカウントだと認めた場合に付与されるプロフィール画像の右下の認証済みバッジのこと)がついているので、ユーザー名はそのまま各政党の党名が良いと思います。

でも、プロフィール画像まで党のロゴ写真にしなくていいんじゃないかな。公式マークも付いてるし、アカウント名も党名だし、プロフィール画像はその党の代表の人にした方が良いと思う。

えが:ロゴだとなかなか覚えにくいけど、顔写真だとそれぞれの党で差別化できますね。

紗蘭:たとえば、ある党のツイートがリツイートで回ってきた時「これって誰の党?」と思ったらプロフィール画像見て、「こういうおじさんなんだ」って分かりますよね。

そこからアカウントに興味を持ち始めることもあると思うんですよ。

えが:確かにロゴよりも人の顔の方が親近感湧く感じがしますね。

 ③

紗蘭:ロゴだと「また政治かよ」って思うけど、プロフィール画像が人だったら「この党って他にどんな人いるんだろう?」みたいに興味からチェックしたりすると思います。動画を見て自分に響いたら、たとえば引用リツイートで「政治家ってすげえ…」みたいな感じで広がっていくと思うし。

えが:ロゴと顔だと与える印象が全然違うんですね!

紗蘭:なんか政党の名前ばかり強調しすぎかなって思いますね。堅いなって。海外の人って絶対名前と人のプロフィール画像じゃないですか。日本はまだまだ堅いなあって。

えが:プロフィールの説明文って結構見ますか?

mam&紗蘭:見ますね。

mam:アカウントを開くと一番上に出てくるので。「何をつぶやきます」とかって説明があったらいいんじゃないかな。

紗蘭: 「意外と日常もつぶやきます」とか。

mam:そしたら、「そうなんだ!」ってちょっと気になっちゃう。

えが:プロフィール文ってすごく大事なんですね。カバー画像にどういう写真が設定されてたら面白いアカウントだと思いますか?

紗蘭:なんかやっぱ、私たちもそうなんですけど、たいていの人が風景とかのオシャレ画像か、自分が写ってるオシャレな写真。カバー画像も自分を表現して興味を持ってもらうためのものだと思うんで。

えが:お見せしてる政党のアカウントのカバー画像やプロフィール写真はどうですか?

④

mam:怖い…

紗蘭:たとえば代表の人の日常までは晒すのは難しいかもしれませんけど、オフショットとか、笑顔の写真の方が…

mam: 真顔とか怖い。

紗蘭:ポスターとかで真顔は見飽きてるし。じゃなくて、笑顔とかの方が引っかかるかなって思います。

【ポイント】

  • プロフィール写真&カバー写真は、党名の表記ばかりにならないよう、どちらか1つは人の写真を採用。写真の色も与えたい印象に合わせて選定し、全体的に彩度を高く設定する
  • 説明文は、基本的な情報+αでユーザーが関心を持ちそうな意外な情報を載せる

<攻略法 其の二>若者が見たくなるコンテンツを用意するべし!

⑤

えが:それでは投稿を見ていきたいと思います。画像や動画投稿もありますが、率直な意見を聞かせてください。

紗蘭&mam:堅いですね…

紗蘭:やっぱ、18歳に投票権を下げて若者の意見がほしいなら、もっと若者に伝わりやすい日本語の使い方とか、絵文字とか使わないと興味持たないと思う。

えが:絵文字は全く使われていないですね。こっちのアカウントはどうですか?

紗蘭:さっきのアカウントに比べたら投稿数も多い気がするし、動画とか頻繁に上げているイメージだけど、共通してちょっとそっけない感じだなという印象です。

えが:具体的なアイデアってありますか? しかも若者に届いて、かつ炎上しない…

紗蘭:政治の場で炎上しない投稿なんてないと思うから、いい意味で炎上させるのがいいかな、と思います。「これすげえ!」みたいな。

mam: こんなこともやるんだ、みたいな意外性のあるものの方が、やっぱり若者としては楽しいんじゃないかな。そこから興味が湧いてくれたら、アカウントや政治について知ってもらえる第一歩になるじゃないですか。

mim :何かきっかけになればね。

えが:政治家がSNSで堅い印象を与えず10代20代に情報を届けるためにはどうしたらいいと思いますか?

⑥

mam:15秒くらいの動画にまとめればいいんじゃないですか?動画だったら、結構みんな見ると思う。

mim :若い子がSNSを見る時は、ほとんどスマホなんで。

えが:動画の投稿だと見るんですか?

紗蘭&mim :見ますね。

mim :しかも15秒とかだったら見るよね。

mam:短い動画だったら、結構みんな見ますね。最後まで。

紗蘭:明らかに最初から堅苦しそうだったら、私はパスだけど。なんか明るくて、アップテンポな感じだったら、「ちょっと見てみようかな!」って気にはなると思います。

⑦

えが:ゆるキャラと一緒に写ってる写真も載せてあって和み系のコンテンツだと思うんですけど、これってまだ面白みとしては物足りない感じですか?

紗蘭:絵文字とかもないし、文章の強弱がなく感じるんですよね。

mam:なんか同じトーンでずっと話してる感じに見えちゃう。

mim :ビックリマークとかも全く使ってない。使ってても「、」か「。」ばかりの投稿だからかな。

えが:句読点以外の記号や絵文字を使いながらアカウントの感情部分が見えると興味や愛着が湧いてくるみたいですね。

mam:例にするなら、タニタ食堂とかシャープさんのツイッターの、すごいゆるい感じなんですよ。

ユーモアに満ち溢れた。そういう感じにすればいいのかなと思います。

えが :「おはよ~う」みたいなゆるい投稿とかですか?

mam:そういう感じですね。なんか「今日の〇〇」みたいに企画っぽくしたり、ランチの様子を撮ってみたりしてもいいんじゃないですかね。

【ポイント】

  • 投稿の文章には絵文字や記号を使用して強弱をつける
  • 独自のコンテンツを作り、若者の関心を引くフックにする
  • 文面で説明して分かりにくいことは動画で端的に分かりやすくまとめる

政治というと、若者の中にはそもそも堅いイメージがあるため、それを覆すような「人間性が伺えるコンテンツ」を用意すると若者の心をぐっとつかむことができるのかもしれません。

例えば、投稿内で川柳を読んでみたり、プライベートでペットと戯れている様子なんかを写真や動画で載せてみるのもいいかもしれませんね。

<攻略法 其の三>インスタはメッセージ性&プライベート感を出すべし!

⑧

えが:海外ではInstagramを活用した投稿も盛んに行われているんです。オバマ氏やヒラリー氏、トランプ氏もインスタを使っています。

mim :(投稿されている写真を見ながら)オフショットめちゃくちゃ多いですね。ヒラリーさんディズニー行ってるじゃないですか。オフショット感あってめっちゃいい!普段こういうプライベートな部分ってなかなか分からないから、ディズニー行ってるんだって意外性がある。

えが:サポーターから贈られた手紙の投稿もありますね。

mam:そういうのも載せるのすごい。

mim :嬉しくて載せたんだろうな。こういう手紙が来たよって言って。

えが:ヒラリーさんと他の人のつながりが見えるといいですよね。

⑨

mim :そうですね。国民と寄り添っていっている感じがビジュアルで見えると、支持を得られるのかなと思います。

mam:本当に日常的なことでもいいし。それを見て、知るきっかけになればいいな、という感じじゃないですか。

紗蘭:たとえば選挙前だしみんなで気合入れてます、みたいな感じの集合写真とかを載っけたりしたら「行け!頑張れ!」って応援したくなるんじゃないかなって。

えが:国民とコミュニケーションをとっている様子の写真を上げたりされていると身近に感じやすくなりますね。プライベートだけではなく、国民に伝えたいメッセージも「こういう国にしていきたい」とか「こういう政策をしていく」というのが海外のInstagramアカウントは分かりやすいですね。

【ポイント】

  • ポスターやテレビなど他のメディアで出していないようなオフショット写真を投稿する
  • 国民との関わりが分かる投稿をする

Instagramは写真に特化したSNSですが、だからこそプライベートをリアルに伝えることができると思います。また、有権者と一緒にいるシーンや応援されている様子も伝えられますね。写真や掲載の仕方を工夫することで、伝えたい政治的な想いもダイレクトに伝えられるかもしれません。

<攻略法 其の四>複数のSNSを運用するなら投稿内容を差別化すべし!

⑩

えが: Twitterと別で、政党があえてInstagramのアカウントをつくることに対しては、どう思いますか?

紗蘭:全然いいと思います。

mim&mam いいと思います

紗蘭:私たちもTwitterはTwitter、インスタはインスタで使い分けてます。

Twitterに載っけない画像とかをインスタに載せたりだったり、逆に、インスタはこだわりがあるから普通に日常的なことはTwitterに載せたりとか。ただ載せてる内容が同じだと、見ててもつまらないかなあ。

mim :同じ内容を2つ以上のアカウントに載せる意味、ないですよね。別々のことが載ってる方が見てる人は嬉しい。ユーザーがSNSを使い分けるのは、それぞれに見たい理由・載せたい理由があるということ

それぞれのSNSの特性やユーザーが期待していることをしっかり分析した上で投稿をしてみると、注目されるアカウントを作ることができそうですね。

【ポイント】

SNSアカウントを複数運用する場合は、投稿する内容にダブりがないように工夫し、「ここでしか見られない情報」であることを演出する

どのSNSでどのような訴求をしていくのか、訴求内容を戦略的に導き出すことでファンの獲得に繋げられそうですね。

<攻略法 其の五>TwitterとInstagramのハッシュタグは使い分けるべし!

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えが:ヒラリーさんのInstagramの投稿ではハッシュタグが頻繁に使用されていますね。政党の候補者個人や団体がハッシュタグを使う時はどのようにしたらいいと思いますか?

紗蘭:キーとなる言葉だけをハッシュタグにしてます。全部じゃなくて、特に伝えたいこととか、キーワードとなっているもの。

すると、そのハッシュタグで検索した人に引っかかるし、影響力のあるアカウントだと、検索結果の一番上に出てくるんですよ。

でも、日本人は全然やりませんね。だからハッシュタグの上手い使い方をしているのは海外の人だなと思います。

えが:上手いハッシュタグの使い方って、どういうつけ方をしたら、いろんな人に知ってもらえるんですか?

mam:英語は読めないけど、英語のハッシュタグ使ってる(笑)

紗蘭:例えば「#自撮り」じゃなくて「#selfie」って今だったら載せるし。

mam:「#Instagood」とかアクセス数が多いですね。あとは、Instagramのハッシュタグランキングを参考にするとか。

えが:この政党はTwitterにあまりハッシュタグがついてないですね。

mam:でもTwitterって、ハッシュタグあんまりつけない方がいいんですよ。

えが:そうなんですか?

紗蘭:Instagramだと見てもらうためにはハッシュタグが大事なんですけど、Twitterはハッシュタグにしなくても検索にひっかります。

例えばtwitterで「◯◯党」って検索したらその言葉が入ったツイートが出てくるけど、インスタだと「◯◯党」っていう言葉がアカウント名に入っているアカウントしか出ません。

えが:(Instagramで「◯◯党」を検索し)ほんとうだ。「#◯◯党」じゃないと投稿が検索できませんね。

紗蘭:Twitterはハッシュタグがなくても、なんでも検索できちゃう。インスタに関しては、ハッシュタグがないと検索にひっかからない。

Twitterでハッシュタグをつけるんだったら、本当に拡散してほしいときだけ。「#拡散希望」とか「#リツイート希望」とか、そういうのだけでいいと思いますね。

 ⑫

mim :逆にTwitterでハッシュタグつけると拡散されなかったりします。みんなハッシュタグあんまり好きじゃないみたいで。

mam:イベントのハッシュタグはけっこうみんな見るんですけどね。

mim :人気のある人の名前のハッシュタグは見られますね。紗蘭だったら「#さらっち」とか、うちだったら「#mimmam」とか。

えが:そうなんですね。じゃあTwitterは、ほぼハッシュタグいらないですか?

紗蘭:全然いらないと思います。

mam:いらないです。

えが:そうなんですね。政党名のハッシュタグを入れた方がいいんじゃないかなって思ってたんですけど、それは違うみたいですね。

【ポイント】

  • Twitterは、投稿文に検索してもらいたいキーワードを入れる。強調したい言葉(キャンペーン等)がある場合はハッシュタグでつけても良い 
  • Instagramは、検索されやすいよう、関連するキーワードをハッシュタグとしてつける

各媒体の特徴を理解した上でハッシュタグを使用すると良さそうです。

まとめ:Twitter&Instagramの5つの攻略法

今回お聞きした攻略法を改めてまとめると、次の5つになります。

5箇条

10〜20代の若年層に情報を届けるのには、彼ら、彼女らがどのような趣向を持っているのかを把握することが大切です。

手間暇かけて運用するアカウントも、ターゲットに刺さらなければ意味がない!

20歳から18歳に選挙権が引き下げられた今、求められるのは若年層のSNSマーケティングです。

今回明らかになった若年層向けアカウント5箇条を是非活用してみてください!

 

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