Olá!(オラ!)みなさん、こんにちは!自称国際派kakeruライターの加藤友史郎です。
日本が史上最多41個のメダルを獲得し、安倍マリオで締めたリオデジャネイロオリンピック。最高でしたね!
私のSNSのタイムラインも話題はオリンピックでもちきりでした。
そんな中、私はリオオリンピックのニュースを見る度にブラジルのSNS事情が気になってたまりません。職業病です。
そこでまずは下調べとして、ブラジルのSNS事情をインターネットで調べてみました!
早速「ブラジル SNS事情」で検索してみると、イケダハヤトさんの記事を発見。
2011年に書かれたこの記事の内容を簡単にまとめると…
- 2011年当時、ブラジルのSNS事情といえば「GoogleのOrkutがfacebookよりも流行っている」というのが通説だった。
- 現地の人の話では「Orkutよりもfacebookを使う人の方が多いらしく、Orkutは低所得層の人が未だに使っている印象」。
- イケダハヤトさんの予想によると、「今後facebookがOrkutユーザーを取り込んで行きそうな気がします」。
とのこと。
これは、現在の状況が気になるところです。
そもそも、日本ではあまり馴染みのないOrkutとは何なのか?
そして、5年の月日を経た2016年、ブラジルで最もポピュラーなSNSはFacebookなのかOrkutなのか?
気になって居ても立ってもいられない私は、ブラジル人に取材できそうな場所をGoogle検索。
日本で一番ブラジルに近い街といわれる「群馬県邑楽郡大泉町」へアポ無し突撃取材を即決、敢行したのでした。
群馬県邑楽郡大泉町に到着
都内からおよそ2時間余り。大泉町の玄関口、西小泉駅へ到着しました。
平日の昼間、更には雨なので人っ子ひとりみあたりません。アポ無しの私は「ほんとうに、こんな片田舎でブラジル人の方に会えるのだろうか?」と心震える思いです。
取材の糸口をつかむため、まずはブラジルの食材が揃うと有名なスーパー「キオスケ・シ・ブラジル」を目指し、歩を進めます。
ポルトガル語満載のおみやげやさん発見!
西小泉駅から国道354号線を「キオスケ・シ・ブラジル」方向へ進むと、途中あまり見慣れないお店を発見!
家電屋さんのようですが、看板はポルトガル語や日本語で書いてあり、「おみやげ」の旗も。お店に入ってみると、店員さんは全員ポルトガル語で電話中。電話が終わると、すぐさまインタビューしてみました!
Orkutは友達と繋がりにくいSNSだった?!
加藤:こんにちは!ブラジル人ですか?!
アナさん:ブラジル人ですよ!25年前に日本に来ました。
加藤:今、一番使ってるSNSは何ですか?
アナさん:Facebookですね。連絡取るときはFacebookメッセンジャーを使います。仕事の関係もFacebookメッセンジャーを使っています。日本国内外問わずブラジル人のお客さんともFacebookでのやりとりが多いですね。
加藤:なるほど、電話やメールというよりはメッセンジャーなんですね。
アナさん:はい、そのほうが簡単に連絡を取れるので。
加藤:5年前に書かれた記事で、記事が出た当時(2011年)OrkutがブラジルではメジャーなSNSという記述を見たのですが、利用していましたか?
アナさん:Orkutは、7年前くらいまでは使ってましたね。でも、パスワード付きで写真を送付したり、セキュリティが厳しいのと、使い方が難しかったのであまり使いこなせていませんでした。また、友達のレコメンド機能もあまり発達していなかったので、とても使いづらい印象でした。
加藤:では、7年前にOrkutからFacebookに乗り換えた形ですか?
アナさん:はい。Facebookが出た時、友達の検索機能など、本当に使いやすかったのでみんな一気にFacebookを使い始めました。今でも周りはみんなFacebookをメインに使ってますよ。
ブラジル人が使うSNSはOrkutからFacebookへ
取材でわかったのは、事前調査の通り7年前はOrkutがブラジルで最も人気のあるSNSだったとのことでした。ただし、2014年9月30日にOrkutはサービスを終了。現在はイケダハヤトさんの予想通り、Facebookの1強状態となっている様子です。
セキュリティ面にもこだわったOrkutよりも、友達との交流のしやすさに特化したFacebookが選ばれたのは、SNSが個人の娯楽の場として発達したことを考えると当然のことのように思えます。
様々なSNSが生まれては消える今だからこそ、SNSは「より多くの方がより簡単に自分の求めるコミュニティーにアクセスできる場所」であるべきだということは、改めて肝に銘じなければなりません。
「キオスケ・シ・ブラジル」に到着
アナさんのおみやげやさんから国道354号線を5分程歩くと、ブラジル食材が揃うと有名な「キオスケ・シ・ブラジル」に到着。こちらも看板はポルトガル語です!
この日店内にはブラジル人と思われる店員さんと、ブラジル人と思われるお客さんが合計5名程。会話はすべてポルトガル語ですし、商品の表記もポルトガル語。ブラジルにいるのではないかと錯覚するような不思議な空間です。
ブラジルではSNS利用に危機管理が必要
「キオスケ・シ・ブラジル」の前で、早速お店に来ていた在日ブラジル人のファビオさんにインタビューすることができました。
加藤:こんにちは!ファビオさんが一番よく利用するSNSは何ですか?
ファビオさん:タイムラインを眺めるのはFacebookです。連絡手段としてLINEやWhatsAppもよく使うけど、一番よく使うのはFacebookメッセンジャーですね。
加藤:Facebookメッセンジャーと、LINEやWhatsAppの使い分けはどうやって決めていますか?
ファビオさん:Facebookはだれとでも繋がってるけど、LINEは特に日本に住んでいる友達(日本人・ブラジル人共通)と連絡する時使います。WhatsAppはブラジルに居る友達との連絡で良く使うよ。
加藤:ブラジルにいる友達とはWhatsAppで連絡をとることが多いんですね?
ファビオさん:そうそう、WhatsAppは通話した時の音声がクリアだから重宝してます。他の通話アプリと比べても音質がいいとみんな言ってますよ。
加藤:なるほど、ブラジルの方は特に音質を重視されているんですね。もう一つ、ブラジル旅行でのSNSの使い方について質問させてください!
ファビオさん:はい、いいですよ!
加藤:例えば、日本からブラジルに旅行するとして、現地で友達ができたらまずはFacebookで友達になるのが自然ということでしょうか?
ファビオさん:はい、ブラジルで友達ができたらまずはFacebookで友達になると思います。ただし、「ブラジル旅行中に友達を作りたい」「SNSで現地の友達を作ってからブラジル旅行に行きたい」という考えを持つのは本当に危険ですよ。
加藤:ど、どういうことですか?!
ファビオさん:ブラジルには治安が悪い場所があったり、日本では考えられないような犯罪が起こることもあります。SNSは簡単にコミュニティーを広げることができる反面、犯罪に巻き込まれるリスクがあることを、もっと強く認識すべきです。だから私は観光先でFacebookを使って友達を増やそうと考えること自体お勧めできません…
異文化でのSNS活用は事前調査を
Facebookメッセンジャー、LINE、WhatsAppをコミュニティーに応じて使い分けるファビオさん。複数のSNSを使い分ける、リテラシーの高いファビオさんだからこそ、ブラジルで友達作りのため気軽にSNSを利用することのリスクの大きさを強調して教えて下さりました。
日本ではSNSで知り合った仲間とのオフ会などが気軽に行われており、SNS経由での友達作りに対する抵抗感が若い世代ほど希薄化しているように感じます。しかし、他国でSNSを利用する場合は、それぞれの国や地域によって文化が異なることを念頭に、充分な事前リサーチとリスクマネジメントを行う必要がありそうです。
ブラジルでも若年層はエフェメラル系SNSに夢中
次にインタビューを受けてくれたは在日ブラジル人のフェルナンダさん。
ブラジルにおけるデジタルネイティブ世代(22歳)のSNSの使い方についてインタビューしました!
加藤:今一番使っているSNSは何ですか?
フェルナンダさん:Instagramです!私の友達もInstagramを使っているひとが多いので、連絡もInstagramのDM(ダイレクトメッセージ)を使ってます。
加藤:Instagramでタイムラインの投稿だけでなく、普段の連絡も取り合っているんですね。Instagramを使っている中で、ブラジル人と日本人の使い方の違いを感じたことはありますか?
フェルナンダさん:ハッシュタグで喋ったりするのは日本人独特ですし、画像に付ける文章が長い人が多いように感じます。
加藤:なるほど、確かに私の周りでも文章にハッシュタグをたくさん付ける人、多いです。海外でも主流だと思ってました…。ブラジル人のInstagram投稿の特徴はありますか?
フェルナンダさん:ブラジル人は、投稿文に歌詞の一部を使ったりします。
加藤:なるほど、日本では中高生がやっているイメージです…。その他に使っているSNSはありますか?
フェルナンダさん:最近よく使うのはSnapchatです。友達もみんなやってますよ!
加藤:Snapchatは最近日本でも流行り出しましたね。フェルナンダさんが気に入っているポイントはどこですか?
フェルナンダさん:やっぱり、消えるのがいいんですよ。TwitterだったりFacebookみたいにずっとタイムラインに残ってると、あとで見返した時に恥ずかしいじゃないですか。その場で友達に共有して、その時盛り上がるのがいいんです!
SNSの流行はオープン型からクローズド型へ
フェルナンダさんへのインタビューの中で最も印象的だったのは、タイムラインの利用が中心のオープンなSNSよりもDMや消えるSNSなどクローズドなSNSがフェルナンダさんの周りで流行していることでした。海外ではSnapchat、日本国内ではSNOWが消えるSNS(エフェメラル系SNS)として流行しており、直近のクローズド方向への流れはグローバルなものと言えそうです。
ブラジルで今最も使われているのはFacebook(まとめ)
大泉町での調査の結果、2016年現在ブラジルで最もポピュラーなSNSはFacebookであるということがわかりました。
世代によってアクティブさは異なるものの、ブラジルでは基本的に誰しもがFacebookアカウントを持っているようで、ブラジル人の友人ができたらFacebookで友達になるとよいでしょう。
ただし、ファビオさんのお話でもあったように、同じSNSでも国によって利用の文化や文脈が異なる可能性があることを気をつけなければなりません。海外でマーケティングをする場合などは同じSNSだからといって日本国内と同じように使うのではなく「それぞれの国でそのSNSがどのように使われているのか」改めて運用における注意点を確認する必要がありそうです。