「美しさを高め合うための交流ツール」――なぜ、フツウの主婦は美魔女インスタグラマーになったのか?

2019 2.21

こんにちは、kakeru編集部の堀口です。

「インスタグラム=若者向けのSNS」という認識を持っている人も多いと思いますが、今、巷では40~50歳世代のユーザーが増え続けていることをご存知でしょうか?

10代~20代のインスタグラムの使い方についてはこれまでも数々紹介してきましたが、40代~50代のインスタグラムの投稿や使い方を比べてみると、その内容は大きく違ってくる気がしますよね。一体彼ら・彼女らは、どのようにしてインスタグラムを活用しているのでしょうか。

そこで、今回は「美魔女インスタグラマー」のに取材を決行。

「なぜ今、インスタグラムに美魔女が流入しているのか?」「美魔女世代は、普段どのようにインスタグラムを使っているのか?」など、お話をお伺いしました。

美容好きの主婦が「美魔女インスタグラマー」になるまで

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堀口:amuさん、本日はよろしくお願いいたします。

amu:はい、よろしくお願いします~!

堀口:さっそくですが、amuさんのご経歴を教えていただけますか?

amu:私は今、主人と3人の子どもと主人の母と一緒に暮らしていて、元々は主婦だったんです。それから資格を取って、講師をしたり習い事サロンの先生をしたりしていました。

堀口:それは、具体的にどんな資格を?

amu:ビジューポーセリンやグルーデコとか……女子の好きそうなものです(笑)。資格を取ってからは、近所でサロン用の店舗を借りて販売をしたり、資格を取る先生の養成やフリーレッスンをしていました。

堀口:資格を取るきっかけは何かありましたか?

amu:子どもが小さいと外にも出づらいですし、仕事も休みにくいので、できれば在宅で働けて、主婦でも気軽に取得できる資格を取りたい!と思ったのがきっかけですね。あとは、私がもともとすごく美容が好きで。

堀口:美容ですか。

amu:はい。そのときコラーゲンマシンがすごく欲しくて……。「これをどうやって手に入れよう」と考えたときに「あっ、美容を仕事にすれば手に入るじゃん!」と思ったんですね。なので、店舗のサロンを開いた後に、マンションの個室を借りて、コラーゲンマシンのサロンも始めたんです。

堀口:すっっごい行動力ですね!ちなみにそれは、いつまで運営されていたんですか?

amu:去年の4月まで、ですね。一番上の息子が高校受験の時期に入ったので、一旦サロンは全て閉めたんです。で、受験が終わって「次は何をやろうかなぁ」って思ってたんですけど。

堀口:結局、何をされたんですか?

amu:「自分でコンテストに出よう!」と思って、ミセスクイーンコンテストに出ました!

堀口:えぇっ、すごい……!

amu:じっとしていられないんですよね(笑)。

堀口:インスタグラムを始められたのは、その頃ですか?

amu:そうですね。最初は作品を載せる目的だったので顔出しは全然していなくて。私、コンテストに出てるわりに自分に自信はなくて……。でも周りに美魔女の友達がどんどん増えて行って、「サロンの先生とかやるなら顔出ししなくちゃだめだよ!」とアドバイスをもらって。「顔を隠していたらどんな先生かもわからないし、自撮りして~!」と言われて、いつのまにか毎日自撮りをするようになりました(笑)。

堀口:そういうきっかけだったんですね……最初は使い方を誰かに教えてもらったりしましたか?

amu:中学2年生の娘がSNSを使っているので、盛れるテクを教えてもらってましたね(笑)。「カーテンにくるまって撮ると綺麗に撮れるよ!」とか。あとは、気になるインスタセミナーがあると、行ったりしてます。

堀口:それは、インスタグラマー向けのセミナーなんですか?

amu:そうですそうです。一番最初にそういうセミナーに行って、グループに所属してそこで色々教えてもらったり、そこを抜けた後も、仲良くしてくれている方が主催しているインスタセミナーに行ったりしてます。フォロワーの方に、少しでも良い写真を届けたいので……。

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美魔女はどのようにインスタを使っている?

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堀口:フォロワーが増えたのは、顔出しをするようになってからですか?

amu:そうですね。最初はフォロワーが少なくていいね!も全然付かないし面白くなかったんですけど、フォロワーがどんどん増えてくるとコメントを頂くことが増えたり「頑張ってください!」と応援してもらえることが増えて嬉しかったですね。

堀口:ちなみに、美魔女特有のハッシュタグみたいなものってあるんですか……?

amu:ないですないです!(笑)。

堀口:じゃあ、投稿の際に必ずつけるタグなんかは……?

amu:最初は、よく使うハッシュタグをコピペして使えるように、メモに保存してまとめといたんですよね。でも意外と「反響には影響しないのかな?」とか思い始めて、最近はつけたりつけなかったりしてますね。

堀口:なるほど。ハッシュタグを選ぶ時にこだわるポイントはありますか?

amu:人気のハッシュタグをつけたりしてます。「love」とか簡単なやつ。でも、最近急に外国の男性のフォロワーが増えたんですよ。もしかするとそれが原因だったのかもしれない(笑)。

堀口:そういえば人気のハッシュタグを使うと、そのタグで検索する人も多いから、外国の方以外にも「変な人からたくさんアクションがきた」みたいな声も聞いたことがあるような気がしますね……。

amu:美容情報を求めてる女性に人気のハッシュタグとかがハッキリしてればいいんですけどね……。

堀口:「インスタをやっていてよかった」と思うことはありますか?

amu:いろんな企業さんと関われたり、友人が増えたことですね。

堀口:それはすごくメリットが高いですよね。今までPRのお仕事は何社くらいやってますか?

amu:最近PRの依頼が多いんですけど、どれくらいだろう。多い時は1日に数件連絡がきたり、ないときは全くなかったり。フォロワーが増えるにつれて大きな案件がきたりしましたね。

堀口:やはりそうですか……。amuさんが普段、インスタを見たり使ったりするタイミングはどのようなときですか?

amu:時間が空くとずっとインスタをみてます。家事の合間とか、子供を送り出した後とか……時間があればとにかく(笑)。

堀口:PRではなくプライベートの投稿で、インスタ映えするものを撮りに行ったりしますか?

amu:わざわざそのために行くことはないですけど、ランチするときなんかに「インスタ映えするもの食べようよ」となることはありますね。メニューも、本当は違うものを食べたいけど「こっちの方がインスタ映えする!」という基準で選んだりはします(笑)。

堀口:あ~、やっぱり意識はされるんですね!普段、プライベートでどういう所に行くんですか?

amu:ええっどこだろう。最近行った所はドイツ村ですかね?家族で行ったんですけど、子ども達ってそんなにイルミネーション好きじゃないから、早く帰りたがるんですよ。それを「もうちょっと待って!もうちょっと!」って言いながらインスタにアップする写真を撮りましたけど(笑)。

堀口:待ってくれる優しいお子さんでよかったですね(笑)。たとえばインスタグラムで10代の女の子が投稿している内容と、amuさんたちの投稿で「ここが違うな~」と思うことってあります?

amu:10代の子って、良い意味であまり深く考えずに「楽しかったその瞬間をシェアしてる」イメージがありますねぇ。で、私たち世代になるとやっぱりどうしても気を遣いながら投稿するというか、写真1枚アップするだけでも本当に何枚も撮り直して、こだわりを持って載せる、というのが多いかもしれません。フィードに残せるものを投稿する、というか(笑)。

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「美魔女」をどう仕事にしているか?

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堀口:ところで、美魔女の友達ってどういう風に作るんですか?

amu:最初にできた美魔女の友達は……私が所属している読者モデルの事務所で知り合ったり、雑誌のライターさんの紹介で知り合ったり……という感じでできましたね。あとはインスタで「お友達になってください!」とかメッセージを送って仲良くなったりとかしますよ。

堀口:えー!意外に積極的にメッセージを送っちゃうんですね!

amu:しますします。たとえば、知り合いの知り合いに素敵な人がいたら「●●さん紹介するから、代わりにあの人紹介して〜!」とかお願いして輪を広げてますね(笑)。

堀口:インスタで繋がった美魔女の方とお会いすることもあるんですか?

amu:そうですね、結構みなさんお会いさせてもらってます。

堀口:頻度はどれくらいで会うんですか?

amu:今は家庭を優先しているので、あまり外に出られないんですけど、美魔女のみなさんとはイベントで一緒になることが多いですね。

堀口:美魔女のみなさんが集まるイベントって、一体どんなお仕事なんですか……?

amu:去年は「パーリィテラス」が主催する「インスタマルシェ」というイベントにたくさん集まりました。

堀口:なるほど……!ちなみに「インスタマルシェ」というイベントではどういうことをするんですか?

amu:沢山の企業さんがみんなに宣伝してほしい商品を用意して、フォトブースでその商品を私たちが持って写真を撮りインスタに載せます。その後、各企業さんが一番良かった投稿をした人に賞をくださるんです。私は2賞いただいちゃいました。

堀口:うらやましい……amuさんがインスタグラムをやっていて「こういう投稿は反響があるなぁ」と思う投稿って、どんなものですか?

amu:コンテスト系はドレス姿や水着姿があるので、いいねがすごく付く傾向はありますね!

堀口:ああー、付きそう。逆に「これはいいねたくさん付くぞー!」と予想していたけど意外と付かなかったなーっていう経験はありますか?

amu:ありますね……なかなかそういうのって読めないんですよね。自分がいいと思ってもあんまり反響なかったり、逆に「これはあんまりだなー」と思いながらアップしたものには反響があったり……。

堀口:やっぱりちょっと「非日常っぽい」投稿がウケるんですかね?たとえばさっきも仰ってましたけどドレス姿とか水着姿とか……。

amu:そうですねぇ。がっつり生活感が出ているよりは、キラキラしている方が良い傾向にあるかもしれません。

堀口:投稿する時にこだわるポイントはありますか?角度をつけたりとか……。

amu:写真はすっごい撮ります。気が済むまで色々撮って、その中で気に入った写真をあげますね。1つの投稿でだいたい30回くらいは撮ってるんじゃないかなぁ……。

堀口:撮影時間はどれくらいですか?

amu:どれくらいだろう、30分くらいですかね?家の中で場所を変えて、色々試してます。

堀口:加工ってします?

amu:しますします(笑)。ただ、ほとんど「Beauty Plus」というアプリで加工していて、私は目を大きくしたり、顔を小さくしたりはしないですね。

堀口:目や輪郭を加工すると不自然になってしまいますもんね……amuさんのインスタグラムのフォロワーの傾向はどんな感じですか?

amu:前から男性の方がフォロワーが多かったんですけど…最近もどんどん男性の方が増えてしまい…他の美魔女の方も同じような傾向みたいです。

堀口:女性の方が多そうなのに、ちょっと意外ですね。

amu:嬉しいんですけど、本音を言えば、女性のフォロワーさんが増えてほしい部分もありますね。でも人気のある女性のインフルエンサーの方って、基本的に「フォローしている人数は少ない方がいい」という考え方が共通してあるので、もしかすると「見てくれているけどフォローはしてくれない」みたいなのがあるかもしれなくて。

堀口:あーーーー。それ、あるかもしれませんね。

amu:でしょう。そうすると外国の男性のフォロワーばかりが増えて行っちゃって。そういう事情があるので「男女の比率は?」とか数字だけを聞かれると「んもうっ!」と思っちゃいますよね(笑)。

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美しさを高め合う「交流ツール」としてのインスタグラム

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今回の取材を通して、amuさんに「美魔女たちとインスタグラムで繋がる理由」を聞いてみました。

「もちろん自分のPRも兼ねているけれども、何より40代や50代になっても美しくある努力をし続ける友達を増やすことで、より美意識を高めることや、知識を増やすことができる」

そう答えるamuさんは、「美魔女って、しつこく、と言ったらあれですけど、何でもあきらめずに続ける人が多いんですよ」と笑顔で続けました。

amuさんを始め、今インスタグラマーとして活躍している美魔女の多くは、以前はAmebaブログやFacebookを利用していたそう。40~50代のユーザー層がインスタグラムに大量に流入した理由については「投稿の手軽さや、ハッシュタグなどでの反応がよく見える点に魅力を感じたためではないか」とamuさんはおっしゃっています。

「今、伸び続ける40~50代のユーザー層に刺さるコンテンツとは?」を考える際、彼らと同世代である「美魔女インスタグラマー」の存在は欠かせないのではないでしょうか。

現場からは以上です。

「美魔女」は株式会社光文社の登録商標です。

Interviewer:堀口恵理

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