こんにちは、kakeru編集部の大野です。
みなさん、インスタグラムを使っていますか?最近は猫も杓子もインスタを見ているんじゃないかというくらい広まっていますよね。2017年11月に国内利用者が2,000万人を突破した、とFacebook社主催のイベント「Instagram Day」で発表されたことも記憶に新しいです。
これだけユーザーが集まっているとなれば、企業としても注目せざるを得ませんよね。各社インスタグラムのアカウントを作り、日々運用されていることと思います。
さて、「インスタグラムはエンゲージメントが大事!」と声高に叫ばれる中、どうすれば多くのエンゲージメント(※)を獲得できるのか、SNS担当者のみなさんは常に頭を悩ませていることでしょう。特にその代表的な指標である「いいね」をユーザーから得るために、趣向を凝らしている企業も多いのではないでしょうか。
※エンゲージメントとは、ユーザーが投稿に対して行う「いいね」や「コメント」などの反応のこと
インスタグラムの「いいね」にはどんな効果があるの?
私も様々な企業からインスタグラムに関する相談を受けるのですが、根源的な疑問を投げかけられることがあります。
「そもそも、いいねをもらうと何かいいことあるの?」
ユーザーの心理から考えれば、「いいね」は気に入ったコンテンツに対するアクションなので、「いいね」が多いコンテンツはユーザーに好意的に受け入れられたと言えます。
そういった投稿を数多くすることで、企業への好感が多少なりとも高まることは想像に難くないですが、もっと直接的な効果はないの?インパクトはどれくらい?と疑問を持つ方が多いのも事実です。
そこで、「いいね」を獲得することで直接的な効果がないのか調査しました。
株式会社ユナイテッドアローズのインスタグラムで検証
今回は株式会社ユナイテッドアローズ様にご協力いただき、5つのブランドのインスタグラムアカウントで調査を実施しました。
現在、インスタグラムから外部へ誘導できる仕組みはTOPのリンク設定箇所が中心ですが、株式会社ユナイテッドアローズでは、購入ページへの動線を拡充するため、インスタグラム投稿を集約したページに遷移させる仕組みである、ソーシャルハブサービス「Shuttlerock」を利用しています。
今回は、以下のような調査方法を用いて、「いいね」と「売上」に相関性の有無を調査しました。
調査方法:5つのブランドのインスタグラムアカウントのプロフィールにECサイト(Shuttlerock)のURLを設定。「インスタグラムからECサイトに流入したユーザーの購買金額」と「いいね」の相関を調査。
調査期間:2017年1月1日~1月31日
利用ツール:GoogleAnalytics
検証結果:「いいね」は売上と強い相関を持つ
「いいね」以外にインスタグラム運用の代表的な指標であるフォロワー数、またECサイトへのアクセス数も加えて、それぞれの関係性を検証しました。結果、下記の表のようになりました。
上図の通り、平均いいね数が多いブランドの方が売上が高いことが分かりました。さらにフォロワー数とも比較すると、売上にはフォロワー数の多さよりもいいね数の多さが重要なことが分かります。
また、各指標の相関係数を見ると「いいね」は売上に対して強い相関関係を持っていることが分かります。このことから、「いいね」は投稿に対しての好感度を示しているだけでなく、購買意欲を高めており、ECサイトのように動線さえ確保してあげれば売上に繋がるといえそうです。
「いいね」は指標となるか?次のステップに向けて考えられること
今回はインスタグラム運用における「いいね」という指標に関して深掘りました。今回紹介したように「いいね」と「売上」が相関している事例もありますので、「いいね」をインスタグラム運用の指標として使えるSNS担当者さんが増えるといいなと思います。
さらに、次のステップに向けて次の3つのことを意識できると良いでしょう。
1.インサイトを活用する
現在はインサイトで各投稿のインプレッション数やリーチ数、保存数なども詳らかになります。それらの数値も含めて自社のインスタグラム運用を振り返り、改善していくことで、さらに効果的な運用ができるはずです。
もちろん、自社の運用目的と指標がずれていないか振り返ることも重要です。しっかりした目的をもってインサイトの指標を覗いてみると、新しい発見が見つかるかもしれません。例えば、いいね数よりもインプレッション数が売上に繋がる指標だと分かれば、フォロワー数を増やしたり、人気投稿へ載せるなど運用上で重要なアクションを策定できます。
2.「ショップ機能」が実装された時に備える
インスタグラム社は、昨年度から特定のアカウントを対象に「ショップ機能」の実装をテストしています。これにより、劇的に変わるのは遷移先です。これまでプロフィールページにしか付与することの出来なかった商品ページへのリンクを、各投稿写真に付与することが出来ます。まだまだテスト段階ではありますが、この機能により出来るようになることの幅は非常に広がるでしょう。
▶▶「ショップ機能」は、Instagramでの消費行動をどう変えるのか
3.インスタグラムとECとのシームレス化を図る
ショップ機能が実装されるまで、まだしばらく時間がかかりそうです。そうなると課題になるのは、インスタグラムから購入までの動線です。そこで、株式会社ユナイテッドアローズ様で実施しているようにソーシャルハブを導入してシームレス化を図りましょう。
一筋縄ではいかないインスタグラム運用ですが、全てのSNS担当者の悩みが少しでも解消されれば幸いです。
同じような取り組みしたい、運用の相談をしたい、という方はぜひご連絡ください。