こんにちは。kakeruライターの大野です。
最近のスマホ普及の勢いったらないですね。
年中スマホをいじってる女子高生はLINE上で独自の文化を作り出しているし、中年のおじちゃん達は、Facebookで日々自慢大会をしているし…年代問わず、どっぷりスマホライフに浸かっています。
逆に、この時代にスマホを使っていない人なんて僕のおばあちゃんくらい…?なんて考えた時、ふと疑問が生まれました。
「お年寄りってどれくらいの人がスマホを使っているんだろう?」
「お年寄りのスマホユーザーってどんな風に使っているんだろう?」
少し前に話題になりましたが、「LINEおじいちゃん」や「Twitterおばあちゃん」のように、お年寄りにもスマホを使いこなす人がいるのは確かです。でも、そういう人ってわりと特殊じゃないかと思うんです。一般人、フツーのお年寄りもスマホを使っているのか…
うーん、一回気になりだすと夜も眠れません。ということで、実際に調べることにしました。
10人に1人はスマホを利用している?
分からないことは詳しい人に聞くのが一番です。まずは物知りで名高いGoogleに質問してみました。
すると、こんなデータが。
総務省のデータで、60歳以上のスマホ利用率は9.8%とのこと。
なるほど、つまり約10人に1人はスマホを利用しているのか…本当かよ。
10%といえば、日本のAB型の割合と同じです。AB型の僕としてはそんなにお年寄りのスマホ利用者がいるのか?と純粋に疑問に思いました。もはや、自分の目で確かめるしかないです。
お年寄りに会いに巣鴨に来ました
改めまして、大野です。
ということで、やってきました。お年寄りの原宿こと巣鴨。
思い立ったが吉日。後先考えずやってきたのですが、あいにくの雨。インタビューが成立するか不安にかられましたが、生粋のおばあちゃん子である僕。自慢じゃないですが、隠しきれない「孫」感で多くのお年寄りの心をわし掴むこと間違いなしでしょう。
早速、インタビュー開始です。
「スマホ持ってますか?」と100人に聞いた
今回、巣鴨の皆さんに投げかける質問は、いたってシンプルです。
「スマホ持ってますか?」
僕のことを孫だと思って取材に答えてくれる人はいないかな…?と、キョロキョロしていると、休日を満喫しているおばあちゃんグループが近づいてきました。チャンスです。
大野:「すみません。スマホ持ってますか?」
おばあちゃん:「ええ、持ってますけど何か。」
いた!!!
一発目からスマホ持ちの方を引き当ててしまいました。正直、一人もいないことすら覚悟していたので、こちらから聞いておいて逆に面食らいました。
さらに用途を聞いてみると、こちらのおばあちゃんはスマホを持っているだけでなく、LINEも使いこなしているとのこと。なるほど。意外と使っているもんだ。明日のSNSおばあちゃんは、意外と近くにいるのかもしれません。
これは幸先がよいです。この勢いでガンガン聞いていきます。
大野:「あの…」
大野:「すみません…」
大野:「スマホ…」
みなさん話を聞いてくれません…
最初のはマグレだったようです。僕の溢れ出る「孫」感も他人には通じませんでした。
確かに、休日に巣鴨を満喫しにきているのに、薄ら笑いの男が突然話しかけてきたら、そそくさと逃げたくなるでしょう。 だからと言って「お年寄りがスマホを使っているのか」という疑問を疑問のままにはしておけません。
取材をするうちに、雨も上がって晴れましたし、根気強く話しかけつつ、時には薄ら笑いを控えつつ、聞き回ること6時間、ついに100人の方に取材できました。
結果①「巣鴨のお年寄りの5人に1人がスマホ所持」
100人インタビューの結果はこちらです。
なんと、60歳以上の20%がスマホを使っているという結果に。
…めっちゃ使ってる!! 総務省のデータにあった、9.8%どころじゃないです。巣鴨の方々は流行の最先端にいるのかもしれません。これからは巣鴨を日本のシリコンバレーだと思うことにします。
それにしても20%とは…言い方を変えれば5人に1人、日本のB型の割合と一緒です。みんなしてスマホで何をやっているんでしょうか? 実は60代以上から使えるR60の隠しサービスがあったりするとか?
そんなものがあったとしたら、早く60歳になりたくて20代~50代の生き方を蔑ろにしてしまいそうです。人生を充実したものにするためにも、スマホの用途について聞いてみました。
結果②「スマホを使いこなす人に年齢なんて関係ない」
色々な方がインタビューに答えてくださったのですが、今回はその中でも、尖った3組をご紹介します。
ケース1:Facebookは仲間内での自慢に使う(60代男性)
インタービュー中、最もスマホを使いこなしていたのは64歳と67歳の男性2人組。とくに、64歳の方はFacebookやLINEも使い慣れているとか。
大野:「いつからスマホを使っているんですか?」
男性:「3年くらい前かな。」
大野:「主にどんな使い方をしていますか?」
男性:「ラインをよく使ってる。今日ここ(巣鴨)に来たのも、ラインで連絡とって来たよ。」
大野:「使いこなしてますね。」
男性:「今じゃみんな使ってるし、ラインで連絡とった方が早いよ。」
大野:「周りの方も! たしかに、一人だけスマホを持っていても、ラインはあまり使わないですよね。他に使っているSNSはありますか?」
男性:「フェイスブックだね。結構やってるよ。」
大野:「どんな投稿をされてるんですか?」
男性:「旅行の写真とか、よく投稿するよ。あと、北海道の友達の投稿とかもよく見るね。」
大野:「なるほど、遠方の友人の近況を知るためにも使ってるんですね。僕も良くチェックしています。ちなみに、良く投稿されているとのことですが、フェイスブックの楽しみってなんですか?」
男性:「そりゃ、自慢だね。こんな綺麗な景色見たんだぜーとかさ。自慢だよ。」
Facebookは自慢のために使うと言い切るこの男性。かなりの達人でした。さらに、娘さんとLINEで頻繁に連絡をとっているらしく、スマホライフを満喫していました。
ケース2:孫の体調不良をスマホ検索で診断(60代夫婦)
お次は巣鴨デートを楽しむご夫婦。
大野:「スマホはどのくらい使っていますか?」
旦那さん:「1年くらいかなー。」
大野:「どんな使い方をしていますか?」
旦那さん:「んー、電話とか。」
大野:「カメラとか使って写真を撮ったりします?」
旦那さん:「俺は使わない。よく分かんないんだもん。」
奥さん:「あ、わたしが使ってる。わたしはガラケー持ってるんだけどね、調べ物する時とか、この人(旦那さん)の使ってるのよ。」
大野:「なるほど…奥様が使ってるんですね。どんなこと調べるんですか?」
奥さん:「孫が体調悪い時とか、調べたりするねぇ。」
大野:「お孫さんの体調をですか!」
奥さん:「そうそう。心配だしね。とりあえず症状とか対策とかを検索して、病院は後で連れていくのよ。」
孫の体調をチェックするためにスマホ検索を使っているとは、ちょっと驚きの使い方でした。
なかなかの検索力です。たしかに、僕自身も体調が悪い時には検索したりするので、その対象が孫になっていると考えれば不思議ではないかも。おばあちゃん特有の使い方と言えそうです。
ケース3:使ってないけど手提げに入れてる(60代女性)
最後は、和装の似合うお洒落なマダムです。スマホも小さな和柄の手提げに入れていました。
大野:「どんな使い方をしていますか?」
マダム:「えー、全然分かんないから使ってない。持ってるだけ!昨日買ったのよ。」
大野:「昨日!それはタイムリーですね。すぐに使うには、やっぱり操作が難しいですか?」
マダム:「そうね。何が何だか分かんない。ボタンないし。説明書ないし。」
大野:「ですよね。難しいと思います。ちなみに、購入の決め手はなんでした?」
マダム:「ずっとパカパカのやつを使ってたんだけど、古くなっちゃって。買い替えようと思ってお店に行ったら、店員さんに勧められたのよ。もうパカパカのやつは時代遅れって。これからほとんどの人が、スマホになるからって聞いて。それじゃあって買ったのよ。」
今回のインタビューでは、マダムと同じように店員さんに勧められて買った、という方が何組かいました。パカパカのやつは時代遅れのイメージがあって、新しく買い替える時にはスマホにするようです。
まとめ:迫る一億総スマホ社会?
「お年寄りってどれくらいの人がスマホを使っているの?」という疑問から始まったこの記事ですが、調べてみたら少なくとも巣鴨では20%もの人がスマホを使っていることが分かりました。
インタビューの中では「周りが使っているから使う」という声も多く、これからお年寄りのスマホ利用率はさらに高まっていくことでしょう。
そうなった時、可処分時間をスマホで過ごす、お年寄りの母数はかなり増えるでしょう。今の内からお年寄り向けサービスの準備をしておくと、スマホサービス戦国時代の覇者になれるかもしれません。
これからも、お年寄りの利用動向と、お年寄り向けサービスには注目です。
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