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【リレーインタビュー】SNS時代のクリエイティブってどうなるの?コピーライター長谷川哲士

2016 6.10

はじめまして。kakeruライターのかたぎりまもるです。

この記事では、業界で活躍されているクリエイターの中でも、SNSを上手く活用している方々へお話を伺っていきます。

さて、記念すべき第一回目は、コピーライター長谷川哲士さん。昨年末に面白法人カヤックを退社し、株式会社コピーライターを設立した話題のクリエイターのひとりです。

Twitterアカウント「コピーライッター」の中の人としても有名な同氏の視点から、SNS時代のクリエイティブに求められることを伺いました。

「広告を広告する」という自分なりの手法を見つけた

――  長谷川さんは積極的にSNSを活用している印象を受けますが、何がきっかけだったんでしょうか?

カヤックに入社して2、3年目くらいに、横浜市が主催していた「マンモス展」から派生した広告キャンペーンを担当した時かもしれませんね。

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「一家に一頭マンモスが当たる!!!という電車内の広告でした。ARでマンモスがスマホに映るというだけで、実際に本物のマンモスが当たるわけではないので、鉄道会社の方から注意書きを入れるよう指示されたんですよね。それで「※誇大広告です」というコピーを提案をしたんですが、犯罪だとわざわざ言ってるようなものでダメと言われちゃいました……。

そこでじゃあ「古代のほうの“古代広告”だったらいいんですか?と確認したらOKが出たので、「※古代広告です」と小さいコピーが入った広告を掲載したら、Twitterでツッコんでくれる人がけっこういたんですよね。

「古代広告wwwww」とか「うまいなぁー」とか。普段電車に乗っている時は、広告を誰も見ていないなと思っていたんですが、こんな小さい文字まで、意外としっかり見ている人はいるんだなと実感しました。

――  リアルで実施していた広告がSNSを通じて拡散されるというのは当時はかなり新しいですよね。

そうかもしれませんね。この広告の反応をNAVERまとめにまとめたんですが、さらにたくさんの人に見られたんですよね。このとき、これからは、紙の広告がSNSを通じて、キュレーションメディアなどに取り上げられ、拡散していくのではないかと感じました。

――  その後の企画でも、TwitterやNAVERまとめは活用されたんですか?

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はい、その次につくった電車内の広告「元カレが、サンタクロース。」も、NAVERまとめで反応ツイートをまとめました。そのまとめをキュレーションメディアやニュースサイトの人に送って、ニュースにしてもらうように動いたりもしましたね。

これらの紙の広告の仕事をネットで話題にするという経験を通して、「広告を広告できるんだ」と気づいたんです。これが自分流のやり方なのかなとも思いました。もちろん、いろいろと試行錯誤してまして上手くいかないケースもありますけど(笑)

――  全部の企画が当たってるイメージがあります(笑) 他にも感じたことなどありますか?

そうですね、「つぶやき」がKPIになるという感じはありますね。広告を見た人にコピーをつぶやいてもらえるのって、クライアントのお客さんはすごく喜んでくれるんですよね。代理店や制作会社の人からも「この、コピーこんなにつぶやかれていますよ!」みたいな反応があったりするんですよ。      

ただコピーを書くだけじゃバズらない、人を連れてくる力も必要

―― WEBやSNSを活用した企画は、前職のカヤックさんの影響が大きいですか?

そうですね、元々僕はインターネットが好きだったのですが、カヤックでの経験はとても大きいですね。先ほどのような、紙の広告も担当していましたが、基本的にはWEBを使ったキャンペーン企画が多かったですね。

―― いわゆる「バズ」を生むような企画を、これまで多く実施されていますが、必要なことはありますか?

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たとえば、入社3ヶ月目にやったカヤックのエイプリルフール企画は、当時5万人くらいのフォロワーがいた自分のTwitterを使って、拡散しました。結果、コーポレートサイトの1日のアクセス数で、史上最高の記録を残しました。アクセス数が多いと社内で、「あの人じつはすげぇんじゃね」とか、「あいつのコピーはすげぇな」という空気がちょっとは出ていた気がします。

コピーが面白くて、それだけで話題になればいいんですが、それはなかなか難しい時もあるので、コピー力とは別の「人を連れてくる力」が必要だと思います。フォロワー数や友達数は基礎体力かもしれませんね。こういうところを伸ばすのが、他のコピーライターの方たちとちょっと違う戦い方なのかもしれません。だから、SNSやWEBは積極的に使っています。

仕事の話は、Facebookで完結できる

―― ここまでの話で、SNSでいかに影響力を持つか、という視点もこれからのクリエイターには必要だと感じました。長谷川さんは、普段はSNSをどのように活用しているんですか?

そうですね、基本的には仕事につなげようという視点でSNSを使っています。たとえば、仕事でコピーを書いたら#コピー書きました」というハッシュタグをつけて、Facebookに投稿しています。その投稿が、知り合いに「最近こういう仕事してるのか〜」という生存報告になりますし、前に仕事を頼んでくれた人が「また仕事頼もうかな」と思うきっかけになっています。だからほとんど匿名の仕事は受けませんね。

――  実際にFacebookからのお問い合わせやご相談があるお仕事って多いんですか?

メールよりも、Facebookから仕事の依頼が来ることが多いですね。Facebookの「友達」から来ることが多いですが、仕事の投稿に「友達」がいいね!することで、「友達の友達」まで広がって「あの人紹介してよ」と、友達の友達を紹介してもらって仕事につながることもありますよ。別に友達の紹介じゃなくても、普通に直接メッセージくれてぜんぜんいいんですけどね(笑)

―― すごいですね……なんだか、Facebookが仕事の起点になっているみたいです。

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そうですね、Facebookを作ったマーク・ザッカーバーグ、同い年なんですけど、感謝してます。Facebookが“ホームページの代わり”になっていますね。書いたコピーを投稿する際に、ハッシュタグを付けておくと、そのままポートフォリオにもなるのでオススメです。

あと、Facebookメッセンジャーは自分宛に送ることができるって知ってましたか? その機能を利用して作品集のファイルなどを送っておくと便利ですよ。

―― 知らなかったです……自分宛に送ったファイルをどのように使うんですか?

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仕事の相談がメッセンジャーで来た時に、自分宛に送ったファイルを相談くれた人に転送すれば、スマホだけで10秒で送れるんですよね。MacのVGA変換ケーブルの画像は、講演やワークショップをする時に必ず確認するので、これもすぐ転送できるようにしています。

時代の流れに逆らわず、柔軟に対応していくことが大切

――  最後になりますが、SNSがインフラ化した今、クリエイティブに求められることは何でしょうか?

SNSとか関係なしに、「自分自身が変わること」が大事なんじゃないですかね。新しいメディアとかサービスが出たらとりあえず使ってみる。Airbnbが流行ってたら、「それ何なのかな、僕でもできるのかな?泊まってみよう」とか、メルカリが流行ってたら、「“ヤフオク!”と何が違うのかな?使ってみよう」とか。で、宿泊先を提供するページのコピーを書く仕事とか、商品のタイトルを考える仕事とか、何か仕事になりそうなことを考えるのが大事な気がします。

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変わらないことは退化だと思うので、時代の変化や新しいモノに馴染んだ上で、新しい表現方法を見つけていくことは、いつも意識しているかもしれませんね。

次へのバトン。漫画家・山科ティナさんの魅力とは?

――次のクリエイターとしてご紹介いただく山科さんの魅力を教えてください。

山科さんが描いたガチの漫画も好きなのですが「#アルファベット乳」をはじめとした、Twitterならではの新しい表現方法が面白いと思います。

この#4スラ漫画」も体験として新しいですよね。Twitterが1回の投稿に画像が4枚貼れる仕様にアップデートしたことを利用して考えた、4枚の画像をスライドさせて読ませる漫画です。

「#アルファベット乳」とか「#4スラ漫画」っていうネーミングも上手いですが、何よりメディアの特性を活かして、新しい表現方法を創りだしているところが魅力的ですよね。スライド形式でフリックしながら見るっていうのは今までになかったですし、Twitterの特性を上手く生かしています。

――  バトンを渡す山科ティナさんに質問をお願いします!

インタビュー記事とかよく出られてるので、普段は聞けない内容がいいですよね(笑) それでしたらSMAP、TOKIO、嵐。その中でまず好きなグループ、その中で好きなメンバーは?ってのを聞いておいてください。

まとめ

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長谷川さんのインタビューの中で印象に残ったこと。

それは、デジタルという世の中の流れにあらがうのではなく、その時々の流れに合った姿に、自分自身を変えていく「対応力」が必要だということ。また、その中で新たなメディアの特徴を生かした、表現方法を見つけ出すこと。

この2点が、変化の激しい時代の中で、新たなクリエイティブを生み出す秘訣のように思えました。さらにSNSというプラットフォームで、自分のやってきたことを発信し、それに興味を持ってくれる人と新たな仕事を創出していく。この働き方は今までにないSNS時代のワークスタイルかもしれません。

長谷川さん、ありがとうございました!

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長谷川 哲士

コピーライター代表。島根県出身でリクルートに入社しフリー、面白法人カヤックコピー部へ経て、株式会社コピーライター設立。史上初のYahoo!のクリエイティブアワードゴールド3冠や、グッドデザイン賞、文化庁メディア芸術祭、コピーのアワードなどで受賞多数。書いたコピー「人類以外採用(サントリー)」「恋人と別れても、オカモトとは別れません。(オカモトゼロワン)」「手抜きしないでね。(TENGA)」「逆風で加速せよ。(GREE)」「ゲームオーバーはない。(DeNA Games Tokyo)」「仲間が面白いから、仕事が面白い。(面白法人カヤック)」など。

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