もはや加工は“常識“!?許される写真加工の限度とは?

2020 1.15

みなさんはSNSに自分の写真を投稿するとき、加工アプリを使っていますか?

SNOWやB612をはじめ、UlikeやSODAなど様々な加工アプリが生み出されたことで、簡単に輪郭や目の大きさなどを自由に変えることができるようになりました。そんな加工アプリは女子の間で頻繁に使用されており、「もう普通のカメラでは撮影できない!」という女子も増えているそうです。

そんな加工アプリは、どこまで加工しても許されるのでしょうか?

写真加工について詳しい20代の女子2人と、加工とは縁もない30代男性に、アプリ加工について話していただきました!

約90%が抵抗なし!加工アプリの許容範囲


左から、加工アプリについて疎いSくん(30歳)、加工アリ派(24歳)、加工ナシ派(24歳)※加工アリ派と加工ナシ派はお友達同士。

加工アリ派:今日はよろしくお願いします。20代、30代を中心とした57名のアンケート結果を元に、写真の加工アプリについて色々お話しできればと思います。まずは「加工した写真をSNSに投稿するのはあり?なし?」についてのアンケート結果をご覧ください。

加工ナシ派:すごい…。SNSに加工した写真を投稿することに、9割もの人が抵抗ないんですね。Sくんは、女の子が加工した写真をアップすることに対して、どう思いますか?

Sくん:許すも何も…多分加工してることさえ分からないと思う…(笑)。

加工アリ派:えーーー!例えば、以下の写真はそれぞれ加工を加えているのですが、どこが変わっているかわかりますか?

Sくん:え…いや、全然わからない。なんとなく目が大きくなっている気がするけど、細かい違いは全くわからない(笑)。

加工アリ派:この4枚は、番号が大きくなるにつれて、加工のレベルが上がっているんです。目の大きさだけじゃなく、顔の大きさや鼻の大きさも変わっているのがわかりますか?

Sくん:確かに、言われてみればそんな気もする。でも全く違和感がないね。

加工アリ派:何番から違和感を感じるかもアンケートを取ったら、35%の人が全部の写真に対して「違和感がない」と回答したんです。また、この中で一番「かわいい」と思った写真は3番が一番多い結果にもなりました。このことから、結構加工を施しても抵抗感を生まないことがわかりますよね。

加工ナシ派:確かに、加工してる方がかわいく見えます。全体のバランスが整っているというか…。

加工アリ派:そうなんですよね。2人目の女性では、不自然と感じるのが「3番から」という回答が42%近かったにも関わらず、不自然に感じない人は全体で10%以内と少ない結果になりました。ただ、どの写真がかわいいと思うかについてはほぼ均等に割れているので、人によって「かわいい」の捉え方は様々なことがわかります。

Sくん:へ〜「違和感がある」という人がいる写真でも、「かわいいと思う」って不思議だよね。正直、僕には4番以外、どこが変わっているかわからなかった。

加工ナシ派:でも、私も普段よく会う友達の加工写真には気づきますが、知らない人が加工した写真を見ても、どこが変化したか分からないと思います。

加工アリ派:加工ナシ派ちゃんは、私が写真を投稿すると加工に気づいて、よく「そのままの方がかわいいよ」って言ってくれるよね(笑)。

加工ナシ派:だって、本当にそう思うもん!

こだわりの加工で「好き」な可愛さを実現

加工ナシ派:加工アリ派ちゃんは、よく写真を加工してるけど、こだわりの加工方法とかはある?

加工アリ派:「特にこれ!」というのはないけど、自分の顔で気になるところは、パーツごとに細かく加工してるよ。

Sくん:そんなパーツごとに微調整できるんだ。それって、もはや整形と一緒じゃ…。

加工アリ派:本当に整形しているような感じで加工しています。輪郭、唇、目の幅、おでこのサイズなど、あらゆる部分を微調整して、自分の好きな顔にできるのが加工アプリの魅力ですよね。

Sくん:そういう加工は、日々研究してるの?

加工アリ派:してます。私はお人形みたいな顔が好きなので、できるだけ理想に近づくように試行錯誤しています。アプリによっては、アップデートするたびに、トレンドメイクのフィルターが組み込まれていくものもありますよ。例えば、肌の色や、リップの色など、時代によってメイクのトレンドも変わりますよね。なので、新しいフィルターが出ると、どれが自分に似合うかを試して研究したりしています。

加工ナシ派:昔は、BeautyPlusを筆頭にがっつり盛れる加工アプリが多かったけど、今はUlikeやSODAなどナチュラルに見せれる加工アプリも増えたよね。

加工アリ派:今回のアンケートの加工ではUlikeを使ったんですが、「違和感がない」と答えた人が多い理由もわかりますよね。ただ、友達と写真を撮るときは、いろいろ気をつけなければいけないことがあるんです。

Sくん:なにを気をつけているの?

加工アリ派:今の加工アプリは、自分のカスタマイズした加工を保存しておくことができます。だから加工アプリのカメラ機能を起動したら、最初から加工された自分好みの顔で写真を撮ることができる。ただ友達のカメラだと加工の設定が違うことがあり、自分の顔が微妙な仕上がりになってしまうんです。

Sくん:昔は自分が一歩後ろに下がって友達に撮ってもらうことで、小顔に見せる方法もあったけど、今は違うんだね。あと、忘年会とかの集合写真も気が乗らない?

加工アリ派:それはいいんですよ!全員の顔が小さく映るので(笑)。ただ2〜3人で撮る場合は、自分の見栄えは気になりますね。

加工ナシ派:あとは男性が撮る場合って、加工アプリとか使わないじゃないですか。デフォルトのカメラアプリを使って、そのまま写真を投稿されちゃうことがほとんどなので。その写真の自分の顔がブサイクだったときには、悲しくなりますよね。

加工アリ派:それは、本当に最悪です。自分の理想の顔は、自分のアプリでしか作れないので。

加工ナシ派:ただ、私はそこまで顔を加工したいとは思わないですね。

Sくん:お…反対意見が。なんで加工したいと思わないの?

加工ナシ派:私が写真を加工しない理由は、カラコンをつけない理由と同じです。

加工アリ派:カラコンをつけない?

加工ナシ派:カラコンって一度つけると、素の自分の目が小さく思えて、普通のコンタクトには戻れないって話をよく聞くの。それと写真の加工は同じだと思うんだよね。加工した自分の顔に自他共に慣れて、自分の素顔に満足できなくなるんじゃないかなって。あとは、他の人から「あいつ加工してるな」って思われるのも嫌だから、加工はしない。

加工アリ派:なるほど。SNSだと会ったことない人も多いから、気にしなくてもいいのかなと思ってたんだけど、加工ナシ派ちゃんは違うんだね。

加工ナシ派:私は会ったことない人への見え方よりも、会ったことある人への気持ちの方が大きいかも。ただ、自分をおしゃれに見せたいという気持ちはあるから、写真の明るさを調整したり、服がおしゃれに見えるように編集したりはしてる。

「かわいい!」の声が嬉しくて…写真を加工してSNSに投稿する理由


Sくん:そもそも、なんで写真を投稿するときに加工するの?毎回こだわって加工するのはめんどくさい気もするけど。

加工アリ派:それは、完全に承認欲求を得るためですね(笑)。「いいね」とかのリアクションが欲しくて、一生懸命加工してます。

Sくん:承認欲求なんだ。シンプルな理由!

加工アリ派:加工した自分の写真を投稿すると、「かわいい!」とコメントをもらえることがあるんです。それが嬉しくて、もっとそういう反応が欲しくなるから、写真を投稿するときは加工してしまいます。

加工ナシ派:それは私も一緒かも。顔を加工することはないけど、写真を加工するのとしないのとでは、フォロワーのリアクションも全く違うし。一度、加工した写真でいい反応が得られたら、加工なしでは投稿できなくなっていくかも。

加工アリ派:リアルの自分を載せるのは恥ずかしいけど、加工した自分だったら自信をもって投稿できるんです。

Sくん:自分に自信をもつための手段が「加工アプリ」なんだね。ちなみに、SNS以外でも写真を加工する場面はあるの?

加工アリ派:あります!送る相手によりますが、LINEとかでも加工した写真は送ります。


加工ナシ派:相手によるんだ(笑)。

加工アリ派:うん。例えば、仲のいい友達だったら加工しなくても送るけど、好きな男性だったら、一番写りがいい写真をさらに加工して送りますね。写真を渡す相手にどう見られたいかによって、加工の有無を判断してる。

Sくん:好きな男性にはかわいく見られたいという潜在的な欲求が、加工レベルに現れているのか!

加工アリ派:そうです!しかも、先ほどのSくんじゃないですが、男性って加工をしても気づかないんですよね。だからしっかりと加工して、自分が「かわいい」と納得したものを送ります。

Sくん:たしかに、気づかない。むしろかわいいな…って思って保存しちゃうかもしれない(笑)。

加工ナシ派:保存…(笑)。

写真を加工する女子はどう思う?男性の意見を聞いてみた

加工アリ派:もし自分の彼女のSNSの投稿が、加工された写真ばっかりだったらどう思いますか?

Sくん:いやーネガティブな気持ちにはならないですね。顔が違いすぎたらびっくりしますが、嫌いになることはないです。

加工アリ派:そんなに嫌ではないのは意外でした。じゃあ、友達から「お前の彼女の加工すごくね?」みたいに言われたらどうですか(笑)?

Sくん:それは…少し気にするかも(笑)。ただ逆の立場で友達の彼女が加工をしてても、そんなに気にしないですね。「いいんじゃない?」で終わる。ただ、もし彼女がどんどん加工に目覚めて、SNSのアイドルみたいになろうとしてたら危機感を覚えます。

加工ナシ派:自分の見た目を武器に使おうとしていたら、心配にはなりますよね。

Sくん:目指す道があるなら応援したいとは思うけど、何も言わずに影でやっていたら不信感を持ってしまうんじゃないかな。あとは、「聞き上手でいいな」と思っていた人が、SNSの投稿でがっつり加工をしていたらショックを受けるかも(笑)。

加工ナシ派:彼女の場合はショックじゃないのに?それはなんでですか?

Sくん:普段から、自分の話しかしないような子であればわかるんだけど、聞き上手な子ががっつり加工をしていたら、「実は承認欲求が強いのかな」とか、「裏表があるのかな…」って憶測が生まれると思う。

加工アリ派:なるほど。

Sくん:そう考えると、加工アプリであまりに顔が違いすぎると、リアルでの関係性にネガティブな影響を与えそうだなと思った。基本的には加工していることは見ただけでわからないので、普通にかわいいなーって思って流すと思いますが(笑)。

かわいいが身近に!?加工アプリを使う女子の心理とは

Sくん:そもそも、なんでこんなに加工アプリが流行ったんだろうね。

加工アリ派:「かわいい」の基準が上がったからじゃないかなと思います。Twitter、Instagram、TikTokなどが出てきて、自分をコンテンツにできるようになりました。そうすることで、身近なかわいい子がより、可視化されたんですよね。学年で一番かわいい子やモデル級に顔が小さい子などが、SNSのタイムラインという自分と同じフィールドに立っていることを感じさせられる。

Sくん:理想と現実のギャップを、加工アプリによって埋められることになった。

加工アリ派:そうなんです。お人形さんのような容姿が好きだったら、肌を白くして目を大きくして…。それが簡単にできるようになり、女の子の夢が加工アプリによって叶えることができるようになったんです。

加工ナシ派:例えばメイクが苦手な人や、そもそもメイク道具をいろいろ買えないような人も、アプリによってかわいい顔になれます。お金も時間もかからないで理想を実現できるのも、加工アプリのすごいところですよね。

Sくん:女性の夢を叶えるアプリ…すごいな。そうなってくると、今後実際に整形をする女子も増えてくるのかな?

加工アリ派:個人的には、整形までやる人は少ないんじゃないかなと思いますね。単に、写真写りをよくしてかわいい顔になりたいという欲求のために加工している気がしていて、整形はまだハードルが高いんじゃないかなと思います。

加工ナシ派:以前他の子と話していたんですが、可愛く加工した自撮りは、もはや「アバター」なんです。SNSの中に自分のアバターが存在していて、現実の自分はそのままでいいやと思っている女子が多いのだとか。

Sくん:アバター?

加工ナシ派:そうです。SNSと現実は違う自分だと思っているんです。私が加工をしないのは、そのアバターと自分が変わらないでいたいと思っているから。だから、「アバター」だと思って加工している人は整形はしないかもしれないですが、私みたいにアバターと自分を同一だと思っている人なら、可愛く見られるために整形するのもありだと思っています。整形に対して、抵抗も偏見もありません。自分の顔が変わって自信をもつことができるなら、アプリでの加工も整形もしていいと思っています。ただ変化前の顔の方がかわいいなと思うことは、ありますけどね(笑)。

Sくん:アプリで加工した写真に対して、違和感やネガティブな印象を受ける人が多いと思ってたけど、予想以上に加工技術は向上していて、受け取る側はポジティブな気持ちな人が多いことが今日の学びだった。

加工アリ派:写真の加工が当たり前になったからこそ、顔が変化することへの抵抗は少なくなってきて、肌の色やメイクの仕方など「かわいい」に対していろんな価値観が表出してきたのかなと感じます。努力して理想に近づける範囲が増え、それを認める流れになっている。

加工ナシ派:SNSは自分の知らない人とも繋がるので、そんな環境の中で女子が見栄えを気にするのは当たり前のこと。多くの人に見られているなかで、自分をよく見せたいのは普通のことだと思います。なので、自分の好きな加工を取り入れていきたいし、加工アプリを使っている人も、もっと活用していってほしいなと思います。

取材後記

今回のインタビューを終えて、加工された自撮りの写真は、思った以上に受け入れられていることが判明。アプリの技術は日々進化し、より違和感なくナチュラルに加工できるようになりました。

加工アプリの出現によって、「かわいい」の定義がより多様化してきた時代。自分の容姿に自信がなかった人でも、理想に近くことが簡単にできます。加工の限度はあるとはいえ、自分を好きになり、自信を保つための手段のひとつとして、加工アプリを活用してみてはいかがでしょうか。

Interviewer 吉山美紀
Writer なまっちゃ
Editorとみこ
Photo&Design 會川誠也
Support 今城加奈子


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