「理想の彼女になんてなってあげない」元レンタル彼女に聞く、人気戦略術──よもぎちゃん

2020 2.5

こんにちは。kakeru編集部の吉田です。

突然ですが、「レンタル彼女」というお仕事はご存知ですか?

近頃メディアや漫画などに取り上げられ、注目され始めている「レンタル彼女」というお仕事。

「レンタル彼女」とは恋人代行のサービス業であり、派遣型接客サービス業の一種。依頼客(彼氏さん)から指名されたキャストが恋人役となり、お金を払いデートを行うビジネスです。

2012年頃から始まり、テレビで紹介されてから急速に市場が拡大したといわれています。恋愛経験が乏しい男女のデート体験がメインターゲットでしたが、今ではデートの練習やときめきを体験したいなど様々な用途が増えているそうです。

今回は、元レンタル彼女の職歴をもち、今後ご自身でレンタル彼女のマネジメントビジネスをしていく予定であるよもぎちゃんから、レンタル彼女の実態や、経験を経て学んだこと、人気彼女になるための秘訣などをkakeru編集部の吉田が伺いました。

よもぎちゃん / 1993年生まれ26才。過去に2年間レンタル彼女として活動。当時のことを書き綴ったブログ「秘めごとわんだーROOM」をきっかけに注目される。現在は”#レンタル話を聞く人”としても活動中。

レンタル彼女の実態とは?

吉田:あらためてレンタル彼女とはどのようなお仕事なのでしょうか?

よもぎちゃん:簡単にいうと、気になる女の子をレンタルしてデートするものです。それ以下でもそれ以上でもないですね(笑)。あとはレンタルをする彼氏さんが何を求めているか次第です。ただデートがしたいのか、彼女はほしくないけれどたまに女の子とご飯に行きたいだけ、などお客様によってバラバラでしたね。

吉田:お客様の年齢層に偏りはありますか?

よもぎちゃん:下だと18歳、上だと60代まで幅広いです。メインは30~40代あたりですかね。みなさん、私に求めてくることも違います。一般的に想像する「デート」をする事のほうが割と少なかったですね。

吉田:デートするだけの人が少ない…?よもぎちゃんが体験した中で、特徴的な要望はありましたか?

よもぎちゃん:例えば重い話でいうと、奥さんと離婚して一人で子育てしている方がいて。たまに息抜きで女性と食事へ行き、単に話がしたいけど、女性を誘うと「再婚相手として狙っている…?」と思われてしまうから、後腐れなくデートをしたいという要望とかありました。

吉田:たしかに、普通にデートに誘われると意識してしまいそうですね…。

よもぎちゃん:レンタル彼女って圧倒的に後腐れがないんですよ!

だからデートしたいというかその時間・空間だけを誰かと共有したいという彼氏さんが多かったです。

軽めの要望だと「パンケーキを食べたいけど男一人だと行きづらいから一緒にいってほしい」というお願いとか結構多かったです(笑)。

吉田:なるほど!たしかにそういう要望は結構ありそうですね!そもそもよもぎちゃんがレンタル彼女になった経緯ってなんですか?

よもぎちゃん:失恋です!!!!!

失恋して、自分がレンタル彼氏を借りようと思ったんですよ!男で空いた穴は男でしか埋められてないとって思って(笑)。でもレンタルしたい彼氏が見つからなくて。しばらくホームページを眺めていたら、レンタル彼女募集のページを見つけたんです。”彼氏もいないし、時間もあるからやろう!”と思って応募しました!

吉田:行動力が凄い!!レンタル彼女をやってみて、何か気づいたことや学びみたいなものってありましたか?

よもぎちゃん:え~たくさんありますね(笑)。印象的だったのは…世の男性はデートに対する下準備が凄いことに気づきました。

私とのデートの前日にデートコースを一人で下見してくれたり、好きな子とデートで行きたい場所があるんだけど、当日しどろもどろしたくないから予行練習に付き合って欲しいという依頼があったり。こんなにも本気で考えてくれているんだってことに驚きました!

吉田:女の子側がお客様に対してサービスをするという印象だったのですが、お客様が主導権をもってデートをエスコートしてくれるんですか?

よもぎちゃん:あ~私の場合はエスコートしてくれる彼氏さんが多かったですね!私自身の気の強い感じが前面にでていたのが大きいかもしれません…(笑)。ちなみに、女の子によってどんな彼氏さんが来るかは全然違いますね。

吉田:なるほど…!女の子のスタンスによってお客様も変わってくるんですね!逆に困ったエピソードはありますか?

よもぎちゃん:本気で好きになられるとやっぱり「しまった!」と思っちゃいますね…。本当に好きになって頂くのは違うと思っていたので。レンタル彼女をやっていて、3人からプロポーズをされたんですよ。3回目のデートで年下の方にプロポーズされた時とかは、特に凄く驚きました!私の人生初プロポーズだったので(笑)。

私が人気彼女になれたきっかけ

吉田:レンタル彼女によってお客様が異なると仰っていましたが、具体的にどのような違いがありますか?

よもぎちゃん:私の場合は、赤リップでキリッとした真顔の宣材写真を使っていたのですが、かわいらしい恰好をしてゆるふわな雰囲気ののレンタル彼女もいました。そういうタイプの子は彼氏さんから、あれしてよ、これしてよなど何かを求められるケースが多かったですね。

吉田:何か理由があるですかね?

よもぎちゃん:「この子なら自分の希望を叶えてくれそうだ」と見えるんだと思います。もちろん間違いではないし、彼氏さんの理想の彼女になろうと頑張っている素敵なキャストさんも沢山おります!ただ私の場合は、見るからに自分の考えを曲げなさそうだなっていうのが出ていたので、そういう彼氏さんは少なかったです(笑)。

吉田:よもぎちゃんみたいなタイプのレンタル彼女もいましたか?

よもぎちゃん:少数でしたね(笑)。それぞれ流派が違いました。

レンタル彼女という仕事で、自分を曲げないというのは楽なことではなかったのですが、一定数の彼氏さんから根強い支持を受けることが出来ました。

吉田:強めなキャラ設定は最初からしていたのですか?

よもぎちゃん:事務所側が考える理想の彼女像があるのですが、最初はそのイメージに出来るだけ近く努力をしていました。

吉田:その時のお仕事はどうでしたか…?

よもぎちゃん:お客様からの指名が全然こなかったですね(苦笑)。それに普段の自分とは全然違うキャラなので自分の中で不自然さを消化しきれませんでした。これならいっそのこと、自分のやりたいようにやって、それでお客様が付かないほうがまだ諦めがつくと思い、自分のやりたいようにやっていくようにしたらお客様からの指名が増えていきました!

吉田:すぐに結果が出たんですね…!

よもぎちゃん:はい。とはいえここまで3ヶ月くらい全く指名なかったんですけどね。素の自分をもとにレンタル彼女としての自分を変えていきました。宣材写真のテイストも変えて、以前までのゆるふわな感じから、今の強めのイメージになりました。ここで驚いたのがイメージを変えるだけで指名してくれる彼氏さんの層やスタンスが変わることです! 見せ方を変えるだけでお客さんが私に求める要望も変わるんだと驚き、”セルフブランディング”の重要さを感じましたね。

吉田:キャラを素の自分にしたことで離れてしまうお客様はいなかったですか?

よもぎちゃん:ほとんどいなかったですね!むしろ素が前面に出たことによって、「自分に素を出してくれた!」と喜んでくれる彼氏さんが多かったです!男の人って素が好きなのでむしろプラスでした(笑)。

吉田:すごい…!他の人気彼女も、よもぎちゃんのようにセルフブランディングを意識している子が多かったですか?

よもぎちゃん:そうですね。実際にしていたかは聞いていないので分かりませんが、デートがイメージしやすい、キャラがわかりやすい女の子が人気があった印象です。お客様も、その子の印象にあわせてデートの計画をたてやすいんだと思います。

吉田:たしかに!

よもぎちゃん:最近、量産型のキャストが多いなって思うんです。皆一緒に見えてしまうので、お客様も誰を選んでいいかわからないと思うんですよ…。誘われ待ちの超絶受け身だと指名されないので、こっちから狩りにいかなきゃ!って見ていて思います。私が立ち上げる予定の事務所ではそうゆうマインドを教えていきたいな、と決めております!

吉田:人気彼女になるには、自分の個性をいかした印象作りが大事なんですね!

よもぎちゃん:そうですね!まずは覚えてもらうだけでも凄く大事です!私のこのアイマスクも印象に残るためにつけてます!それに素顔をみたくなる、もっと知りたくなるという好奇心を煽ることもできるんです(笑)。

よもぎちゃんに聞く、素材を活かした「セルフブランディング術」

吉田:宣材写真や実際のデート以外で個性を出す方法はありましたか?

よもぎちゃん:当時はまだSNSがそこまでだったので、ブログで個性を出していました。ブログを読んで、この子面白いなって私の中身に興味を持って来てくれる彼氏さんがたくさんいましたね。ブログに注力したことで、自分とフィーリングの会う彼氏さんが来てくれるようになりました!

吉田:ブログの中で気を付けていたポイントはありますか?

よもぎちゃん:今のブログと同じなのですが、誰にでもわかりやすい文章や内容を意識していました。媚びた内容のブログではなく、時事ネタをいれこんでデートで共通の話題として話せるように意識したりして、書いていましたね。レンタル彼女をやるうえで”お客様に媚びない”と決めていました!

かまってちゃんや察してちゃんの空気を読んで相手の望む解答を出す、ということ自分の性格上できないからというのもあるのですが、下手にやりすぎるととなめられてしまい、どんどん要求されてしまうので、”媚びない”は徹底していましたね。

吉田:媚びずにお客様がついてくれるが一番理想的なスタイルですよね。

では、私生活とのギャップはありませんでしたか?

よもぎちゃん:そんなにないかな~。はじめの頃は事務所から指定された彼女像に寄せていたので、多少のギャップはありましたけど(笑)。素の自分軸にしてからはなかったです。

吉田:セルフブランディングをしたことによって最も変わったことは何ですか?

よもぎちゃん:素の自分で相手の求めることが満たされること、それが凄くよかったですね。私がどういう人物かわかったうえで来てくれるので、素でいることでお客様も自然とついてきてくれる。無理して媚びなくていい。私についてきたい人だけついてきて!!!というマインドでした(笑)。

吉田:今後よもぎちゃんがレンタル彼女の方々をマネジメントする際に、意識しておきたい点はありますか?

よもぎちゃん:女の子たちには、そのままの素材を活かして働いてほしいです。ボーイッシュでもいいし、たばこを吸っててもいい。レンタル彼女だからこうしなきゃととらわれるのではなく、自分を曲げない子を育てていきたいです。キャスト個人がどうなっていきたいかを尊重していきたいと思っています。

吉田:セルフブランディングのファーストステップとしておすすめの方法はありますか?

よもぎちゃん:私は文章を書くのが好きだったので、文を読むと筆者が書いてなくても「あ、これはよもぎちゃん の文だな」と、わかるような文章を意識していました。

自分が考ていることや感じたことなどを発信して、周囲から反応をもらっていくと、自分自身の個性や強みが見つかったり、理解できたりするのでセルフブランディングへの第一歩になると思います。

今はブログだけでなく、TwitterやInstagram、TikTokなど様々なSNSがあるので、自分に向いてそうな場所で、まずは発信をしてみると良いと思います。私がブログをやっていたときよりも、たくさんの媒体があるのでうらやましいです(笑)。

吉田:ブランディングのファーストステップとして、発信することが大事。発信することによって、自分を見つけられるきっかけになるということですね。

吉田:その他、大事なことはありますか?

よもぎちゃん:他人にどう思われるかを気にしすぎないことですかね。他人の目を気にしすぎていると個性は出せないし、セルフブランディングは一生できないですね。私がつけているマスクもイタさと表裏一体じゃないですか(笑)。注目してもらえたからいいものもの、そうでなけれなただやばいやつですよね(笑)。あとは、相手の意見を聞き入れること。他人の意見を肯定化すること忘れず、私はこうだけど、あなたはこうなんだねと受け入れることが大事。自分のことだけしか考えられなくなってしまうと、ついてきてくれる人もいなくなるので。コミュニケーションを取るうえで凄く大事なことですね。

まとめ

よもぎちゃんからレンタル彼女事情や、そこでの経験や学び、人気彼女になれた理由や秘訣など普段聞くことができない興味深い話をたくさん聞くことができました。

その中でも、人気彼女になるきっかけとしてお話いただいた、”セルフブランディング”の力が凄く印象的でした。

自分を分析し、個性やカラーを上手く見せることによって、お客様を惹きつけるというお話は、商品やサービスを分析し、その魅力を最適なかたちで届けるというマーケティング思考と共通点を感じ、セルフブランディングはレンタル彼女としてだけでなく、仕事や恋愛など幅広いシチュエーションにおいて活用できるスキルだということを学びました。

よもぎちゃんは今後レンタル彼女のマネジメント事業を行う予定だそうですが、彼女のマーケティング視点を活かし、女の子一人一人の魅力を引き出し、最大限に活かしながら、型にとらわれないプロデュース力を発揮していくことでしょう。今後の活躍が非常に楽しみです!

最後によもぎちゃんの話からセルフブランディングを行うときのポイントをまとめてみました。

ぜひセルフブランディングに挑戦してみてください!

★発信してみる
└snsなど文章や写真、動画などで自分を発信する、その中で自分の個性や強みを見つける
★他人の目を気にしすぎない
└他人からの評価を気にしていたら、自己を確立することはできない
★相手の意見を聞き入れる
└自己中心的になりすぎず、他人からの意見を肯定化することを忘れない

Interviewer&Writer 吉田千咲
Photo  きょーいち
Design 會川誠也
Support 酒井大輔今城加奈子


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